SHElikesライティング入門課題「好きな本をおすすめしてください」→超歌手は生きている、㌧さんと共に

私が皆さんに読んでいただきたい本は、『超歌手大森靖子の超一方的完全勝利』。これは、超歌手大森靖子さんが、雑誌 TVBros.で連載していた仕事と育児の日記を書籍化したものである。
 
筆者の大森さんは、超歌手として、自分で作った歌を歌う。そしてさまざまなアーティストの方に楽曲提供をする。また、ある時は自分でアイドルグループ(METAMUSE、元ZOC)をプロデュースし、自身もアイドルとしてステージに立つのだ。

3年ほど前からは社長業も始めたのだが、すべてを母親と兼業している。毎年自分の曲、METAMUSE(元ZOC)の曲、他のアーティストへの提供で多数の音楽を制作しており、最近ではMAPA(※1)の曲も制作している。

※1MAPA…大森さんが楽曲をプロデュースしており、彼女が社長を務めるTOKYO PINKの所属アイドルである。

そんな3つのわらじを履いてなおかつ母親業をやっていて多忙な彼女の考えていることが気になって読んでみることにした。

仕事や人生との向き合い方と家庭での㌧さんとの関わりとのお話のギャップ

おすすめポイントは、2つあり、1つ目は「仕事や人生との向き合い方と家庭での㌧さんとの関わりとのお話のギャップ」。2つ目は「大森靖子さんが話をしている感じの雰囲気そのままの文章の部分が多く感じ、リアルに大森さんを感じられるという点」である。
 
まずは、1つ目の仕事や人生との向き合い方と家庭での㌧さん(※2)との関わりとのお話のギャップについてである。
※2 ㌧さん…大森さんのお子さんのこと。

常に彼女は逆境に立たされていると感じる。四面楚歌。孤立無援。万事休す。絶体絶命。彼女を見ているとこんな言葉が連想される。
 
大森さんは、発言されたことを部分的に捉えられたり、曲解して捉えられたりして、SNSで何年か前まで毎年のように炎上していた。曲はいいけど……と人間性を否定されていた。当書では、そう言ったことに対する本音や、世の中の真理が切実に感情的に語られる。

本を通じて、彼女が普段感じている世の中への怒りややるせない気持ちがたくさん垣間見えた。部分的には、皆さんも共感できる点があるのではないかと感じる。私は、彼女の発言すべてをわかることはできていない。しかし、怒りや、やるせなさを感じる場面が私と少し似ている。読んでいて少し苦しくなる部分もある。

かと思えば、妊婦日記や㌧さんとの育児日記が途中に入ってきて、ホッとする。仕事を丁寧にガツガツとこなしながらも、お子さんとも密に関わっているのだなということが伝わってふふふと微笑んでしまう文章もあり、両極面のギャップがいい。緩急がジェットコースターのように激しいのだ。

緩急の緩を担う、㌧さんとのエピソード。その中では、クリスマスの話や、うんこで笑いをとる話、保育園でモテる話が印象に残っている。
 
『息子の中ではたぶん、普通にクリスマスままごとみたいな気持ちなのだと思うが、サンタさんが枕元にプレゼント置いてくれる話をどうやったら自分が置いてあげよう側になれるんだ!?と思って感動し、すぐさまパパと話し、アマゾンプライムナウでずっと欲しがっていたルパパトの変身の銃を購入、1時間後に届いた。』

「引用:超歌手大森靖子の超一方的完全勝利 P.201、9〜12行目」

 
これはクリスマスの話しを保育園で教わっていた㌧さんが12月24日の朝に大森さんの枕元にプレゼントを置いたのを見て、感動したというエピソードである。

このエピソードを見て、自分が3歳の時にこんな感性というか、優しさがあっただろうかと考える。私が、心から人にプレゼントをあげようという気持ちになったのは、社会人になってからではないかと思う。

そんな㌧さんの優しさや感性が素敵だと思ったエピソードは他にもある。本を見る以前にも、Twitterの大森さんの育児アカウントで、紹介されていた。だから、Twitterで紹介されていた、それぞれの写真や出来事の詳細を知ることができて、非常に良い。
この本を読む場合にはこの本とTwitterを併用して見るとより楽しさが倍増する部分がある。
㌧さんの感性、存在に私は癒されてしまう。
 
もしかして、世の中からたくさん傷つけられた大森さんを救うために、なるべくして大森さんの元に生まれたのではないかと思うほどに天使なのである。
人生何周目?と思うような発言があり、どれほど前世で徳を積んできたらこんな発言ができるのだろうか、と感じる場面が見られる。
 
今は、㌧さんは、ナッツくんという名でYouTubeとInstagramに近況をアップしているので、興味があったら、そちらの方もご覧いただけると重ねて楽しむことができる。

大森靖子さんが話をしている雰囲気そのままで、大森靖子さんの声で頭に流れる

2つ目のおすすめポイントは、大森靖子さんが話をしている雰囲気そのままの文章であることが多く、リアルに大森さんを感じられるという点である。

彼女が話をする時、彼女の発する言葉には、文字数が多く、たくさんの情報に溢れている。
当書は、それがそのまま文章になったような雰囲気がある。SNSやYouTubeなど誰しもが触れやすい媒体では、中々これほどまでに曝け出すことは最近は抑えているような気がする。そのため、これだけ自分を曝け出している文章は、レアなのではないかと思う。

==まとめ==
『超歌手大森靖子の超一方的完全勝利』は、彼女の生きてきた痕跡。いつでも、最新な彼女が最高だけど、当書の彼女の7年も最高。当書で彼女の人間味を味わって欲しい。そして、本がいいなと思ったら、ぜひ、ライブにも行ってみて欲しい。彼女の生き様を見てくれ。


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