城領明子15周年ワンマンライブ@旧大津公会堂 2024年7月6日



まだ梅雨の京都駅は週末とも相まって観光客でごったがえしていた。そこから三条大橋まで市内バスで向かう。市内のほぼど真ん中から地下鉄東西線を乗り継ぎ御陵から京阪電車浜大津まで向かう。終着駅の一駅前からは車道と併用の軌道だ。大きく直角に曲がり浜大津駅に着く。駅を降りるとペストリアンデッキから琵琶湖の眺めが壮大だ。蒸し暑さは変わらないが琵琶湖からも風を感じ遠くまで来たものだと実感した。

駅からのペストリアンデッキを進むと目的地の旧大津公会堂が見えてくる。昭和初期に建造された趣きのある雰囲気が素敵だ。この日はこの公会堂の大ホールで城領明子の15周年ライブが開催される。そのライブはしかも無料での招待で、演奏する曲目も客からにリクエストで構成されるという企画。そのリクエストも自身の曲だけでなく客自身が城領明子に歌わせたいとするもの。かなりのサービス企画だな。僕も神奈川からの参加であったが、居合わせたお客様さんも友人が多数来てて同じ関東からも!それだけ城領明子の歌を聞きたいと集った人たちだ。さて城領明子本人は事前のSNSのアナウンスで体調を崩し、万全でないとのアナウンスがあった。そして会場でも司会の方からもその旨の説明をする。しかしながら明るい笑顔と共に本人がステージに登場する。

まずは代表曲の大阪ニューヨークから幕が開く。心配した声量も大きく出ているが高音の域だと流石に辛そうな感じがする。万全でない声からも彼女がそのライブに意気込む感情をさらけ出してゆく姿は観る者を力強く引き寄せる。それはいつものライブと変わりない。




そしてこれからはリクエストに応える怒涛のラインナップが続くサンボマスター、河島英五、四人囃子、羊文学、ムッシュかまやつな、Super Butter Do、はっぴぃえんどなどがお披露目された。そして個人的には先月横浜でソロのライブで感銘を受けた山田兎さんの「Through the midnight 」のリクエストがグッと来た。ギターがメインだけどピアノのバッキングも素敵なオリジナルのバージョンは僕の中でも城領明子が歌ったら素敵だろうな常々思っていたから嬉しかった。でも僕のリクエストではなかったけどね、笑。彼女のに対する想いを共有している人がその場に居合わせたことが嬉しかった。友人の今は亡きお母さんに捧げた曲や彼女の17歳当時に作った曲などが続き本編最後で代表曲の「今日に決めてよかった」が振り絞る力の限りの歌声が歌詞と相まってこれまでの彼女の人生を物語っているが如く聞こえた。そしてアンコールで倍賞千恵子バージョンの「ムーンリバー」で終了。力の限りを尽くし、晴れやかな笑顔の城領明子がそこに居た。鳴り止まぬ拍手と共にステージは幕を閉じた。

彼女が手書きで綴った観客への感謝のメッセージには「私はずっと同じじゃないし、変わっていきたいので、自分のイメージに正直に進んでいこうと思います。」との一節があった。この日の最高のステージの賞賛とこれからの彼女の歌い手としてのライフが喜びに溢れたものになりますように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?