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ワークショップデザインとは?

9月に始まった青山学院大学社会学部のワークショップデザイナー育成プログラム(WSD)が、いよいよ今週末で終わる。
http://wsd.si.aoyama.ac.jp/

インプットしたことをアウトプットして自分のものにするために、このnoteでは「ワークショップとは何か?」について軽く触れた上で、主に「ワークショップデザインとは何か?」についてしたためる。

ワークショップとは?

ワークショップとは、「学びの化学反応が生まれる場」だ。
「ファシリテーター」と呼ばれる司会進行役が、参加者に対して何かを指導するのではなく、参加者が自ら参加・体験して共同で学び、化学反応が生まれる場をデザインする。
https://note.com/aprilfool/n/n5587da436cd2

プログラムデザイン

ワークショップを企画・実施する際のキーワードは3つある。
プログラムデザイン」「ファシリテーション」、そして「リフレクション」だ

プログラムデザインでは、まず「コンセプト」(活動目標と学習目標)を、次に余白も意識した全体の「流れ」を決めて、最後「流れ」の中に「仕掛け」を埋め込む。

活動目標を考える際は、学習目標に囚われすぎず、自由に発想する。
最終的には学習目標へつながる流れをつくるが、思考が凝り固まると、ワクワク楽しめる活動目標が生まれないからだ。

流れを考える際は、「参加者との温度差」(場への意欲差)を意識し、適切な「スモールステップ」を踏んでいるかどうか、何より学習目標が適うかを「フォーキャストとバックキャスト」の両方で確認する。

楽しかった!で終わらせないためには、参加者が自らワークと学習目標のつながりに気づき、納得感を得られるかが重要だ。

仕掛けには、安心安全を確保し「参加を保証するための仕掛け」と、参加者の協働性を活性化し「参加を増幅するための仕掛け」がある。

参加者同士の「共通項」を見つけさせたり、ワークの進捗に応じて「難易度」を下げたり、参加者同士で「相互補完」させることが、「参加の保証」につながる。

また、参加者同士で「グループづくり」をさせたり、「制約」を設けたり、「即興性」を取り入れることが、「参加の増幅」につながる。

塩梅が難しいのが、ワークの「自由度」だ。
自由度が高いと参加者の主体性が引き出され、参加の増幅につながるが、自由度が高すぎると参加者は戸惑い、参加の保証が損なわれかねない。

ある程度制約があった方が、発想が広がることもある。
最初にいくつかを練習し習得して、それを組み合わせるところで自由度を担保する、というのもひとつの手だ。

ファシリテーション

ファシリテートとは「促進する」という意味で、ワークショップにおけるファシリテーターの役割は、場をみて、参加者が主体的に活動し学びを得るように促進することだ。

ファシリテーターと参加者の関係性のデザインについて、「F2LOモデル」というものがある。
Fはファシリテーター、Lは学習者(参加者)、Oは対象だ。

https://sd-park.tumblr.com/post/148139774046/sd-salon-vol13/amp

最初は関係性を築くためにFが2人のLに接近したり、ワークにも積極的に参加してLをOに向けてリードするが、次第にL同士やLがOに接近したら、Fは見守りに徹することがポイントだ。

参加者だけでなく、必要に応じて活動自体にも働きかけること、ワークの時間を調整したり、時にはワークの内容を臨機応変に変えることも大切だ。

リフレクション

ワークショップデザインにおける「リフレクション」とは、参加者によるものではなく、実践者としてのリフレクションのこと(参加者によるリフレクションは、プログラムデザインに含まれる)。

参加者にアンケートをとる、ワークショップの様子を録画するなどして、コンセプトを軸にプログラムとファシリテーションを振り返る

リフレクションの方法の1つに、「ギャップモニタリング」がある。
参加者と実践者が感じたギャップ(実践者は感じたが参加者は感じなかったこと、逆も然り)を省察することで、課題を見つけて、改善策を考えることができる。

ワークショップの実践者として改善し熟達していくためには、リフレクションが欠かせない。
うまくいった内容を繰り返したとしても、実施条件や参加者が異なれば、必ずしも同じように事が進むとは限らないからだ。

今後ワークショップを実践していくにあたり、リフレクションまで一連の流れとして行い、引き出しを増やしていきたい。

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