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読書レポート『物語思考』

高校で進路に関する授業を行うにあたり、大学生や社会人になってから「やりたいこと」が見つからなくて悩む高校生に対するヒントを見つけたいと思い、『物語思考』を読むことにした。

どんな本なのか?

やりたいことがわからない人が「物語思考」を通じて思考・行動できるようになることを後押ししている。

「物語思考」とは

・自分を「主人公」として、「物語を進めるように」人生を送る思考法。

・「主人公」のなりたい姿を決め、「キャラ」を設定する。キャラが活きる環境をつくって、物語を転がしていく。

・自分を物語のキャラとして扱うことで、客観的に見ていくことができる。

「Fake it till you become it」と話したAmyのTEDトークに通ずるものがある。

"自分の枠"を超えた挑戦を促すマインドセットであるだけでなく、具体的な手法についても述べている。

物語思考の5つのステップ

1:頭の枷を外しながら、なりたい姿を考える
2:キャラをつくる
3:キャラに行動させる
4:キャラが活きる環境を作る
5:物語を転がす

notionアンバサダーの方が著者に確認のうえ、noteの有料記事でワークシートを配布している。

ステップ1:頭の枷を外しながら、なりたい姿を考える

・10年後に「なりたい姿」を100個考える
・「解像度」を上げる

高校生の頃を思い返すと、以下の"枷"があった。
・大学の学部を決めると、職業が決まる
・資格職(医師、弁護士等)以外は安定しない
・なりたい姿は1つに決めて、変えてはいけない

ステップ2:キャラをつくる

・なりたい姿を体現している「実在の人物」を想像する
・「性格」を書き出す
・「なりたい姿」リストを更新する

高校生の時に「物語思考」を知っていたらひとりで実践できたかでいうと、なりたい姿を考えるための経験やインプットが足りず、解像度の質も低かっただろう。

社会人の講演会は多くの高校で設けられていると思うが、様々な人の話を主体的に聴いたり、本を読んで追体験し、自分はどうしたいのかをアウトプットしたうえで、解像度を上げるためのサポートが必要だ。

ステップ3:キャラに行動させる

自分の生活の中で出てきそうなシーンで、キャラがどういう行動をするかをシミュレーションする

周りからの見え方や失敗を懸念して行動を躊躇しがちなところ、「このキャラだったらどうする?」とある意味他人事として考えることで、挑戦しやすくなる。

ステップ4:キャラが活きる環境を作る

キャラが活きる環境をつくるために、
・なりたい状態の人がいるコミュニティに入る
・応援してくれる人を増やす(SNS発信等

関わるコミュニティは自分の行動や性格に大きく影響する。
平野啓一郎さんの「分人」という考え方にも通ずるものがある。

ステップ5:物語を転がす

・人生における「名場面」(短期目標)を設定する。
・「行動計画」(戦略、作戦、戦術)を立てる

失敗を怖がらずに挑戦したり、むしろ失敗してから挽回する方が「物語」として面白くなる。

授業で高校生に伝えるとともに、自分自身の人生においても「物語」を楽しんでいきたい。

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