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workAtion.2 〜長崎編〜


「旅の準備は出発の朝に」

「やば!もう朝!?(泣)」
出発の朝。バックの中は空っぽ。

PC、カメラ、スケッチブック・・・
仕事道具を大急ぎでカバンに放り込み、家を飛び出した。

そんなドタバタで始まった第二回目のワーケーション。
担当はナカジマです。
3泊4日、どうぞお付き合いください。

今回ナカジマが向かうのは、
長崎県は「波佐見町」の「HIROPPA(ヒロッパ)」

この芳しいカルチャー臭!
楽しみすぎるじゃあないか!

詳しいことは後日お話しすることにして、
ワーケーション1日目は、福岡からリポートをお届けします!

1日目 「忘れもの」

早速だが、忘れ物である。
3泊4日分の着替えを持って来ていない。(←どゆこと!?)

想定外の着替えを調達するというミッションが増えたが、
お腹も減ってきた。

「せっかくの福岡。やっぱ博多ラーメンっしょ!」

着替えを調達するために駆け込んだお店の方に
オススメを聞き、そこへ向かうことにした。


ちなみに、今回私が設定した旅のテーマは、
「アイディアを広げる、スローな旅体験」である。
この旅には3つのミッションがある。

1:その土地の暮らしを体験してみる
2:速度を落としてよく観察し、新たな発見をキャッチする
3:プランニングは最小限に、思いがけない出会いを楽しむ

タクシー・公共交通機関の利用も最低限に。
いつもとは違う土地・文化・人との出会いを通じて得たコトを持ち帰る、
3泊4日放浪の旅である。



腹ごしらえも済み、1時間ほど街中を散策したところで、
ふと新しい本を読みたくなった。

旅にはいつも、本を一冊持ってくるのだが、
今回持参した本は、勢い余って上空で読み終えてしまった。

旅を共にする本を新調すべく「福岡 本屋」で検索。
ヒットした面白そうな本屋を目指し歩みを進め、
辿り着いたのは・・

「本屋青旗」

instagram:@aohatabooks

突如現れた青にいざなわれ、恐る恐るドアを開けると、
そこはまさに、垂涎必至の空間であった。

入口の丸窓から覗くワクワクの空間


店内は世界中の魅力的なアートブックで賑わい、目移りが止まらない。

気になる本を一通り見たところで、
「デザイナーさんですか?」と店主の川崎さん。
「そうですけど・・(なぜわかった。怪しい・・)」

「この本、好きだと思いますよ」
「うわ!めっちゃ好き!」
「こっちの本はね、ドイツのアーティストで・・・」

川崎さんの観察眼と本の知識たるや。
ナカジマの好みを見抜き、
仕事に役立ちそうな本を紹介してくれた。

中でも気に入ったこちらを購入。

(左)韓国のデザイン誌
(中)アムステルダムを拠点に活動するアーティスト、ウタ・アイゼンライヒの作品集
(右)福岡県八女市を拠点に活動するクリエイターたちによって定期的に発行されているマガジン


世界中の本と本の間を渡り歩き、
まるで地球を一周、旅したかのような充実感。

「川崎さん!また来ます!」

ワーケーション1日目、気持ちはほくほく。満足の結果であった。


2日目「本編はここからである」

すでに満足の内容で終えた1日目であるが、
本編は2日目から始まる。

朝食もそこそこに、ホテルから福岡バスターミナルへ。
高速バスに揺られ、約1時間半で波佐見町に到着!

この日は旅のメイン「ヒロッパ」に潜入予定である(ワクワク)。

バスを降り、観光協会で電動自転車をレンタルし、
ひとまず本日の宿泊先へ。

「(民宿)美のり窯」

築100年の古民家。修復しながら大事に住んでいるのだという。

ということで、急遽予定変更。
ヒロッパ行きを明日にリスケし、事前にお願いしていた陶芸体験を
させてもらうことに。

その前に!
「お父さん、、お腹減りました、、」

長崎に来たなら「ちゃんぽん」は外せない!
「あそこは美味しいですよぉ〜」と
お父さんが勧めてくれたお食事処「藤茶屋」へ向かった。

店名にもある通り、藤の花が枝垂れていた。
お昼時ということもあって、ひっきりなしにお客さんが入れ変わる。


「ちゃんぽん並み盛りお願いします!」
と、意気揚々と注文したが・・・

ちなみに、選択肢は「小盛り」or「並盛り」の2択であった。


「で、デカい。。。」
頼んだの、並み盛りだよな、?と伝票を確認したが、
どうやらこれが、正真正銘の並盛りであった。

「13時までには戻ってきてくださいねぇ〜」と
お父さんの声が脳内で再生される。

タイムリミット40分

突如火蓋が切られたフードファイト。
「いけるか、自分。戦えるか、!?」

器に比例してこれまたデカいレンゲを握りしめ、
ノンストップで食べ進め、制限時間内に完食・完飲。
「勝利っ、、、!(汗)」


陶芸体験
お父さんに助けてもらいながら、なんとか形に。
出来上がりは10月。待ちきれない!
お父さんの工房を見せてもらった
あ、落書きみっけ!
1週間後に控えた「波佐見陶器祭り」に向けて、窯入れの準備中。
この日はお父さんのお友達がお手伝いに。
窯の温度を管理するグラフ。
何時間で目標の温度に到達するかの目処を立てているそう。


陶芸体験を終え、少々ブレイクタイム。

見渡す限り、緑と瓦屋根。
街の騒音とは程遠く、聞こえるのは虫の羽音や鳥の鳴く声。
静かで澄んだ夕暮れ時。

時間に追われる忙しない都会での暮らしを離れ、
こうやってただボーっとしていると、
心身ともにデトックスされるような気分。
そんな時間も必要である。だって、人間だもの。

エモーショナルな気持ちがそうさせたのか、
私の中の「みつを」が詩をしたためそうになっていた頃、

「武雄温泉、行ってみます?」とお父さん。

美のり窯から30分ほど車を走らせると、佐賀県に入る。
そこに、1300年の歴史がある温泉武雄温泉があるのだ。
ナカジマ、実は温泉Loverである。
(温泉のお仕事来ないかな〜)

「そこにお湯があるならば!行くしかない!」

油屋、、?(「千と千尋の神隠し」ネタ)
「あつ湯」と「ぬる湯」があり、前者はの温度は45.5度。
「何事も経験だ!」と挑戦してみたものの、熱すぎてぬる湯に避難。


武雄温泉を後にし、
夕飯は、息子さんの営むフランス料理のお店へ。

instagram @cafedemontee
フランス家庭郷土料理を提供する、カフェビストロ。
ほんのり甘い、新玉ねぎのスープ
コースのメイン!ボリューミーに見えるけど、重たくない。
「うーーまい!!もう一皿持ってきて!」
デザートのチーズケーキ!
甘酸っぱいイチゴのジェラートとの相性抜群!


お腹いっぱいになった頃、
店の外は、もう真っ暗。

カフェ・モンティ。

まるで、遠くフランスの片田舎のレストラン。
辺りは街灯も少なく、お店の明かりとハーブの香りが人々を誘う。

またいつか、食べにきたい。
次は冬でも良いかもしれない。
きっと、寒い季節にぴったりな、暖かなお料理が出てくるはず。



寝るまでの間、三人でテーブルを囲み、
お父さんとお母さんの若かりし頃の話に花を咲かせた。

2人で二人三脚、作品を作り続けてきたこれまでの道のりや、
まだまだ衰えることのない作ることへの熱意、想い。

歳を重ねても、
「まだまだ自分はできるはず」と技術や感性を磨き続けるお二人に刺激をもらった。

今回お世話になった、久美さんと、康則さん。
2人とも本当にありがとう。また来るね。


3日目「ヒロッパに潜入!」

お父さんとお母さんと、別れの時。

「また遊びにおいでね」

涙を拭い、名残惜しい気持ちを振り払って、
いざ、旅の目的地ヒロッパへ!!

例にもよって観光協会で自転車を借り、
もう夏に近い、ぬる〜い風を受けながら
自転車を走らせること10分。

「地図だとこの辺りのはずだけど〜・・・あった!」

「HIROPPA」
2021年に地元の陶磁器メーカー・マルヒロがオープンした公園。

旅の下調べで何度も目にしていたこの外観!

「これだこれぇ〜!!」

入口からナカジマ、テンションが爆上がりである。

ショップスペースには国内外のアート作品がアクセントに加えられ、
1つ1つの商品が引き立つよう、緻密な計算が行き届いている。
見て楽しい、選んで楽しい、
波佐見焼きのファンにならざるを得ない、プレゼンテーションである。
(メモメモ。。!)

中庭に続くカフェスペースで、スケッチブックを開いて作品のアイディア出し。
(なんだかワーケーションっぽい、!?)
広場に点在するアート作品は、子供たちの遊具になったり、憩いのスペースにもなったり。

一見、波佐見焼きのフラッグショップ的な施設かと思いきや、
ここではさまざまなジャンルの若いクリエイターを積極的に誘致し、
クリエイティブな取り組みがされている。

波佐見焼きの伝統を生かしつつも、
若い世代が外に向けてクリエイティブを発信していく。
そんな取り組みを目の当たりにし、
自分のことのようにワクワクした。

こんな素敵な環境に暮らすこの町のキッズたち、、
将来有望なんじゃないの!

うぅ〜んっ羨ましい、、!

ヒロッパを後にし、町を散策しながら本日の宿へ。
無人の小さな祠があるだけの稲荷神社。
あまりにも雰囲気がありすぎたので、恐る恐るお参りし、そそくさと退散、!
昼間でもとっても静かな町。道を聞こうにも人がいない。。


観光協会から上り坂を進むこと約1時間。
本日の宿「oniwa」のある鬼木にイーン!

「(民宿)oniwa」

鬼木の棚田は重要文化的景観に指定されている。

「はぁ〜!やっとここまで来たぁあああ!(汗)」

永遠と続く上り坂。
鬼木に入るとさらに傾斜がキツくなり、
ほぼ45度の坂を進むその姿は、
紛れもなくマイケル・ジャクソンである。

そこに、怪訝な顔でこちらを伺うお散歩中のおばあちゃん。
「どうしてここにマイケルが、、!?」と怪しんでいるに違いないが、
「河内さん家(oniwa)を探している」と伝えると、
親切に道順を教えてくれた。

どうやらもう少しで着くようだ。

oniwaに到着!
古民家をご夫婦2人で改修し、2021年にオープンした民泊宿。
宿泊は1日1組限定(予約取れてよかった、、)。
河内ファミリーの一員、羊たちがお出迎え。
棚田を一望できる大きな窓は引き戸になっており、
外のウッドデッキに繋がる。
夕飯までの時間、ウッドデッキに寝そべりながらPCを広げてお仕事。
なんたる開放感、、、

ここoniwaでは、この旅のミッションの一つ、
「その土地の暮らし」を体験させていただく。

ホテルや旅館のような至れり尽くせりのサービスではなく、
河内さんたちの実際の生活にお邪魔させていただく、そんな宿なのだ。

お米の釜炊きをお手伝い。
炭を減らしたり、風を送って火力を調整したり、目が離せない!

お米、山菜、野菜、卵、そしてジビエ肉。
食卓に並んだ品々のほとんどは地元で採れた食材。
「これは〇〇さんのとこのお米。」
「これはここでしか手に入らないお茶っぱでね・・・」

決して多くを採りすぎず、
来年もまた、地元のみんなで食べられるように、大事にいただく。
まるで、地域全体で台所を共有しているかのような暮らしだ。

自分たちで耕し、育て、収穫し、料理する。
この一連の工程に、クリエイティブの真髄があるようにも思えた。

河内ファミリーありがとうございました!

まとめ

帰りの飛行機。
今回の旅で出会った人たちが恋しくなった。

「帰りたいなぁ」

そう思える場所が、遠く長崎で得られたのは、
かけがえのない経験だと思う。

自分の足で、実際に見聞きした体験が、
思い出と充実感を持って自身の蓄えになった。

スマホ一つあれば世界中の
ありとあらゆるアイディアに出会える時代だけど、
今後、私の制作の糧になるのは、今回のような体験なのだろう。

旅こそ、アイディアの源なのだね!

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