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ホットミルクは精神安定剤


春が近づいてくる!と心躍っていたわたしを諭すように窓の外には雪が積もっている。

そんなときはまろみを帯びた香りに包まれたくなる。

火にかけた小鍋がコトコトと音を立てる。ゆっくりと張る膜が厚くならぬよう、その一瞬を見極めて火を止める。

ふわふわのブランケットにくるまれたように優しい香りが辺りいっぱいに立ち込める。

まだひとくちも味わっていないのにほっとひと息ついてしまうのは魔法だろうか。

静かに注いだマグカップから伝わる熱ですっかり暖まったわたし。

あんなに待ち遠しく思っていた春の訪れももう少し先延ばしでもいいかもしれない、なんて思ってしまう。

これも魔法かな。


最近ははちみつ入りのホットミルクがお気に入り。はちみつをゆっくりじっくり溶かす時間のおかげでせっかちなわたしの体内時計を人並みのはやさに戻してくれる。というのが理由ではないのだが。いつもうんと頑張っている自分に甘々なちょっとしたご褒美。

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