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The Kinks

★ポップロック90%
★ガレージロック10%

 キンクスはビートルズやストーンズと同じ時代のバンドだがそのあたりのバンドとは少しベクトルが違う。デイヴィス兄弟を中心に結成されたバンドで兄のレイ・デイヴィスが作る曲はどこか不思議で唯一無二のものがある。キンクスがバリバリ活動してる頃、流行っていた音楽はロックンロールとかだと思うんだけどレイが作る曲のリフは時としてガレージロックのそれのようである。個人的にはビートルズやストーンズがロックンロールの火付け役なのに対してガレージロックの始祖鳥って感じのバンド。

■おすすめ曲

All Day and All of the Time (1965年)
 今でこそシンプルすぎるリフだがこのノリをオリジナルで作ったのがレイ・デイヴィスだと言えばすごさが伝わってくるだろうか。パワーコードの循環リフは大昔のロックンロールが流行っていた時代にはやっぱり新しかったりしたのかな。40年後くらいにハイヴスが'Hate to Say I Told You So'という曲をやっているがこの曲のノリの大元をたどっていけば'All Day and All of the Night'にぶつかりそう。そんな曲。日本でいうとパブロックフリークのチバユウスケもカバーしている。(↓)

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Victoria (Arthur: Or The Decline And Fall Of The British Empire/1969年)
 キンクスを聞いていて感服したのはコンセプトアルバムの完成度だ。この'ヴィクトリア'という曲を一曲目に始まる「アーサー、もしくは大英帝国の衰退ならびに滅亡」というものものしいタイトルのアルバムは、アーサーという主人公が生きた19世紀の生活を、その情景が浮かんでくるかのようなリアリティとストーリー性で描いている。楽曲に対して'描いている'という表現はおかしな気もするがこのアルバムを通して聴くとまるで映画を丸々一本見たかのような錯覚に陥る。レイ・デイヴィスが作り出したまさにロックオペラとでもいうべきアルバムなのだ。

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I Need You(Kinks Kingdom/1965年)
 このリフから派生したリフがどれだけあるんだろうってくらい、ロックの古典の教科書って感じの曲。キンクスを聞かずにロックバンドやろうとするなんていうのは教科書読まないで受験するようなもんだ、、、とまでは言わないが、他のロックバンドを聞いても、「あ、これキンクスっぽいな」とかロックのルーツをより深く感じられるような聴き方ができるようになるかもしれない。まあそんなことより何よりシンプルにめちゃくちゃかっこいいからおすすめ。

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■まとめ
 ビートルズやストーンズと比べるとあんまり有名じゃないかもしれないけど、もしかしたらストーンズより日常で聞いたことある馴染みの曲を多く作っているのはキンクスかもしれないってくらい大御所のバンド。コンセプトアルバムを通して(しかも英語の歌詞を見ながら)聞くのは敷居が高いかもしれないけど、間違いなくロック史上における最高にかっこいい芸術作品の一つであるので一聴の価値は絶対にある。(ここまで読んでくれた方は絶対相当な骨太ロックンローラーだと思う笑)

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■どうでもいい話
・現クロマニヨンズのマーシーがソロライブでやる曲に'I Need You'のオマージュ「うな重」って曲がある。「うな重〜」じゃねえよwっていいたくなるナイスなカバー(映像↓)
・レイ・デイヴィスはイギリス、チャールズ皇太子よりロック界における活動功績を讃えられてナイトの爵位を与えられている。(ロック界でナイトの爵位が与えられているのは他にポール・マッカートニー、ミック・ジャガー、ロッド・スチュワートなどがいる)


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