七海うららの楽曲『glitter』から学ぶ人生の岐路


1.はじめに


・概要

今回取り扱う『glitter』という楽曲は、七海うららの持ち歌の一つである。
彼女はYouTube上で歌手として活動しており、
所謂バーチャルシンガーと呼ばれる人物である。

この楽曲について、本人はX(旧Twitter)にて
「仕事帰りに沁みる歌です」と述べている。


MVではOL姿で電車に乗っていたり、歌詞を見て推測するに、
これは新卒の社会人にスポットライトを当てた楽曲なのではないかと私は考えた。

また、私はこの楽曲をKEI氏が作曲した『Hello, Worker』の
後日談だと勝手に思っている。


なんとか就職活動が終わり、唯一内定を貰った企業に就職したその後の話を『glitter』が受け継いでいるような気がした。
尤も『Hello, Worker』では就職活動中の描写しか無いので
これは完全に私の妄想である。

自分の想像していた業務内容と実際の業務とのギャップに驚いたり
「このままこの会社で働き続けて良いのだろうか」と
現状の社会人生活を鑑みてモヤモヤしたり、会社に対して言語化できない違和感など、様々な感情が綯い交ぜになりながらも働いている人は多いのではないだろうか。

このままじゃ駄目だと自分の中で叫び続けている。
そういった感情がこの『glitter』という楽曲から感じられた。

また、七海うららは就職してOLをしていたが、
身体の不調を感じたため病院で検査したところ、癌が見つかり生死を彷徨う恐怖を味わったそうだ。
そこで彼女は初めて時間が有限だと実感し
「このまま普通のOLのままで良いのだろうか」
と思い始め、そこからYouTubeでカバーソングの投稿を始めたとのこと。

時間が有限であることを実感し、自分の好きなことや得意なことを
世界に発信するという選択肢を彼女は取ったのだ。
それを追求し続けた結果、今の彼女がいる。
この出来事を知り、彼女の思い切った行動を尊敬すると同時に
人間には決断力が必要であることを学んだ。

そこで私は、そんな彼女が歌うこの楽曲を通して決断力の重要性について考えてみようと思い、この記事を書き始めた。

・前提

本題に入る前に、まず「決断力」について。

「決断力」の意味は、自分自身の判断、責任で決断する能力。
ちなみに「判断力」の意味は、物事を正しく認識し、評価する能力。

決断力は、自分が見聞きした情報を元に自分自身で決断するということに対し、判断力は数字等のデータから情報を読み取り、評価をするということである。

何かを決断するという行為には、必ずリスクが潜んでいる。
自分自身の判断や責任で決断するというのは、言い換えれば
主観で全てを判断するということなので、この時点で間違っていれば
決断力があったとしてもうまくいかないだろう。

また、決断力が無いと考えすぎてしまって行動に移せなかったり、
行動が慎重になってしまう。

決断力を磨くことは大切だが、それと同時に
観察力分析力判断力の3つの能力も高める必要があると私は考えた。
その中でも特に分析力が大事だと感じた。

・テーマの設定

人間は元来、新しいことに挑戦するときや
決断を下すことに対して不安や恐怖を感じる人種である。
入試や就職活動など、この世の中にはありとあらゆる決断が存在する。
幸か不幸か、その結果に依って優劣が簡単についてしまう。

その人生の分岐点でうまくいかなかった人は皆
『失敗』という枠に当てはめてしてしまう者が後を絶たない。
しかしそれは本当に失敗なのか、私は疑問に思う。

決断が必要なポイントはいくつかあるが、今回は
社会人生活で違和感を覚えた際に行うべき分析と決断
という部分にフォーカスを当てて考えてみようと思う。

仕事を辞める、転職活動を行うという行為は、多くの人にとって初めて
何かを得るために何かを手放す行為である。
退職や転職に抵抗のある人間は
この事象に対して恐れているのだろうと私は思う。

時間が有限であることは私も常々感じており、このまま何も成し遂げられず一生を終えるのは嫌だと、焦燥感に駆られながらも日々働き続けている。
次第に私は、この会社で働き続けるべきか
ということについても考えるようになった。

私はつい先日、今働いている職場を
7月いっぱいで退職するという旨を上司に伝えた。
残業や休日出勤が多く、私が好きな
「絵を描く」という行為を我慢してずっと働いてきた。

絵を描く仕事が出来れば良いのだが、私にはそんな技量も才能も無いので
仕方なくやりたくない仕事を無心でやり通した。
だけれど、やはり精神的にも肉体的にも限界を迎えたのだった。

私は不変を好む人間である。
しかし、何故そのような人間が退職という選択を決断できたのか。
それはこの楽曲の支えがあったからである。

それでは、今回のテーマである
社会人生活で違和感を覚えた際に行うべき分析と決断」
ということについて、歌詞を交えながら考えていこうと思う。

2.本題


・歌詞について

『glitter』は曲調が明るく、とても前向きになれる楽曲となっている。
歌詞を読んでいると心が揺れてしまう、良い詩である。
その中でも特に好きなフレーズを抜粋する。

可能性は無限でも
タイムリミットがきっとあるから
今度こそ 自分を信じてみてもいいかな?

誰もが胸の奥に持ってる一粒のダイヤモンド
それは簡単には見つからないし
磨かなければ光らない

体の中じゃ抑えきれない
高鳴りを感じたのなら
踏み出す時 それは今かもね

『Spotify』の歌詞から引用


人はそれぞれ好きなこと得意なことを必ず持っている。
しかし、それをそのまま仕事に結びつけることは難しい。
よく「好きを仕事に」とは言うが、それが出来たらどんなに幸せなことか。
否、好きを仕事にしても幸せになれるとは限らないが。
好きなことや得意なことがあっても、それを見て見ぬ振りをして
私は我慢して働き続けていた。可能性に蓋をして生きてきた。

私は本当はこれからも絵を描き続けたい。
しかし、それは今の会社に勤めていたら実現できない。
残業や休日出勤をしていると変にストレスが溜まる原因は
本当は絵を描き続けたい。
・クリエイティブなことをしたい。

上記の2点があるのではないかという結論に私は至った。

この『タイムリミット』という単語は
今しか出来ないことを示唆しているように私は感じた。
現在の環境下でも生きていく分には問題は無いが、
果たしてそれは本当に幸せと呼べるのかと私は感じた。
やりたいことがあるならばそれができるうちに
迷わずやるべきではないかと考えた。

時間は有限だと実感した彼女が歌うこの詩はとても説得力がある。

『一粒のダイヤモンド』
私はこれを自分でも知らない好きなこと、得意なことなのではないかと推測した。
人は、どんなに凄いことでも
自分では凄いと思わずに当たり前のように行っている。
例えば勉強が苦ではなかったり、文書作成がストレスに感じなかったり。
そういったものは他人から言われて初めて得意分野であることに気付く。
簡単には見つからない、その通りだと思う。
見つけたとしても、それは磨けば光るかどうかわからない。

この抜粋したフレーズからは彼女らしさが如実に表れていて、私は好きだ。

・個人的解釈

上記で述べたことを抜粋したフレーズに当てはめてみると

好きなことを突き詰めること
それは今しか出来ないから
もう一度、自分を信じてみてはどうだろうか

自分でも知らない好きなこと、得意なこと
それは誰もが持っているけれど、簡単には見つからない
見つけたとしても、追い求めなければ実らない

やりたいことがあるのにそれを我慢して
心が悲鳴を上げているのならば
今が人生の分岐点なのかもしれない


私はこう解釈した。

・分析する

「このまま今の職場で働き続けていて良いのだろうか」
といったような漠然とした不安を覚えた際は、
決断力を磨く前に、まず現状の不満を洗い出して
分析してみると良いと私は考えた。

私は『Google ドキュメント』を使用して
思いついたことを箇条書きで羅列している。
以下は会社に対する不平不満を羅列したものである。

箇条書きで羅列したら、次はその事象に対して
「何故そう思ったのか」「改善できるとしたら何か」「それに対して思うこと、喜怒哀楽で表すとどれに該当するか」
といった問いに答えるように深く掘り下げていく。

私はスマートフォン等で逐一確認し、それが本当に
会社を辞める判断に値するかどうかを考えている。
羅列してみると、今自分が何を考えているのか視覚的に判断でき、
何に対して不安を感じているのか、何故不安に感じているのか
といった要素がある程度表面化してくる。

漠然とした不安はその正体について何も知らないから怖いと思うのである。
その正体について少しずつ理解を深める必要がある。

・決断する

分析が十分に出来たら、次は決断を行う。
上記で述べたように、決断するということには必ずリスクが伴う。

一人で考え、決断することは少しリスキーなので、
知人や家族に一度相談するのが賢明だと私は感じた。

身近に相談できるような相手がいなければ
ネット上で相談してみるのも一つの手かもしれない。
しかし、批判的な意見をもらったり、真偽が不明な情報が
載っていたりするので、自分自身で情報の選別をする必要がある。
あくまでも参考程度に活用する方が良い。

私は定期的に、会社の同期や学生時代の友人と
会社に対しての不平不満を共有し合っているが、
やはり思うことや感じることは十人十色で、
人間関係であったり、給与面であったりと、様々な回答が返ってくる。

他人はどのようなことを考えているのか
ということを知る意味でも訊いてみるのは面白いかもしれない。

3.最後に


何か変わろうと行動に移すということは、
それだけ自分の人生に対して考えている証拠なのではないかと私は思う。
人が動き出すのに必要なことは決断力だけではないと
記事を書いていて私は感じた。

『体の中じゃ抑えきれない 高鳴りを感じたのなら』
彼女はそう歌っており、自分自身の感情や思いが原動力となっている。

いくら頭の中で考えてみても、
自分の想像している範囲内でしか答えは出ない。
結局動き出してみないことには何もわからないから、
自分の気持ちに素直になるのが大事だと感じた。
行動しないで後悔するよりも、行動して後悔するほうが何倍も良い。
そう思うと、人生は思ったよりも面白いものなのかもしれない。

『踏み出す時 それは今かもね』
私はこの言葉に勇気を貰った。
生きている以上、これからも幾度となく選択を迫られる。
その度に私はこの楽曲に助けられるのだろう。

この記事を読んでくれた人の心が少しでも軽くなることを願って、
今回はここで終わりにしようと思う。

参考文献


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