それでも高校へ行きたい

時は流れ、私が最も行けなかったのは、

中学校だった。

公立だったので、1年、2年と経つうちに、

受験が近づいてくる。

学生のほぼ100%は、定時制高校も含めて進学をする。

私が父が亡くなってから、仕事に就くことに苦労していた母と、

親類からずっと言われてきたことは、

「一人っ子なのだし、いずれ一人になるのだから、

手に職をつけなさい、

歩いて通える商業高校へ進学して、就職しなさい」だった。

高卒で就職するには、商業科に行かないといけないのだろう、と

知識がなかった私は、

数学も嫌いだし、簿記なんてできそうな気もしなかったし、

何よりもOLになることに興味がなかった。

料理が好きだったので、調理師か栄養士になりたかった。

でも、栄養士になるには、高卒の資格が必要なのだ。

様々な職業ガイドを自分で調べて、

ほとんどの専門学校にいく条件に、

高卒資格が必要と知り、

資格をとるため、

そして、私が楽しんでこられなかった青春が、

楽しい学生生活があるかもしれないと、

ほのかな期待と共に、

なんとか、私立の商業科のある女子校に滑り込んだ。

母子家庭には大変な出費だったが、

学校にいきたいという娘に、

母はお金を支払ってくれた。



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