人生で初めて前髪ができた話
いつからかはっきり覚えていないけどわたしには前髪がない。
前髪の生え際にクセがあるので下ろせなかった。割れてしまうのだ。
今まで何度も美容院で相談もしたが、わたしが不器用で自分でスタイリングもできないのでなかなか難しいとの事だった。
挑戦してくれた美容師さんもいたが、美容院から出てすぐ風に吹かれれば割れてしまっていたのだ。
ここ数年。いつからかな。
もともと「でこっぱち」と言われるほど広いおでこが加齢でさらに後退し、おでこのしわも目立つようになった。
学生時代同じ前髪だった友人が、加齢による髪型チェンジ特集のようなファッション雑誌に載った。
わたしにもできる?本気で考えるようになっていた。
美容院でカウンセリングの時におでこ隠したいですか?って言われることもあり、割れてしまうなりに少しでも隠せる方法を取っていた。
割れてしまう左寄りの前髪を長めにして流す。
それがその方法。
この方法に対して夫から
「それさ、バーコードの頭の人と同じ考え方じゃん」
と言われた。
あー。今ならめちゃくちゃその髪型の方の気持ちわかるわ。
そして今日。
美容院でのカウンセリング。
「前髪どうします?」
いつもとおなじやり取り。
‥‥すると、
「前髪いけると思うんですけど。
割れちゃう可能性もないとは言いきれないですけどやりたいなら試してみる価値はあると思います」
‥‥え?いけるの?
「お願いします!もしダメでもクレーム入れたりしないんで!!」
仕上がり。
これはわたし?
とりあえず店を出て風に吹かれても大丈夫。
子どもたちが帰宅。
「前髪できてるー!おめでとう!嬉しい?」
夫はいつもどれだけ髪を切っても気付かないのに「あー!前髪ーー!」
人生初なのか?
と、アルバムを見返してみた。
幼稚園の卒園アルバムは前髪があった!
人生初ではなかった。
小学校の卒業アルバムは割れた前髪。
中学校の卒業アルバムはおでこ全開。
それからずっと前髪はない。
さて、この前髪。いつまで維持できるのか。
伸びたら難しいのかな。
「とりあえず今日はデビューなんで。これからあるのとないのどちらがいいのか決めていけばいいですね~」
と美容師さん。
とりあえず明日仕事に行くのが恥ずかしい。
どうでもいいわたしの前髪話にお付き合い頂いてありがとうございました。
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