変化だらけの卒業制作でリーダーをしてみた話
毎年、学校が大きな会場を貸し切ってブースを出展する。これが私たちグラフィックデザイン専攻の卒業制作です。
しかし今年はそんな事はできません。「今年の卒業制作はオンラインで開催します」
最初は意味がわかりませんでしたが、2021年1月 無事に作品はオンライン上に掲載されています。ここにたどり着くまでの記録を書き残しておこうと思います。
チーム決定・企画
9月上旬 チームが決まり、私はリーダーというポジションを担うことになりました。私の性格上「リーダーだからどうの‥」などは考えておらず、先生や外部とのやり取りを進めつつ、進捗管理を少し多めにやる。いろんな作業を手伝いながら関わっていこう。そう考えていました。
オンライン開催という条件にフィットさせるため、従来のようなブースを設営するなどは全く考えていませんでしたが、じっくり話し合った結果、我々の作品にはリアル展示会が欠かせない。という方向に決まりました。そして、その展覧会の実績をもって作品にしようと。
会場探し・予算
そうとなれば会場を押さえて予算を捻出しなければならない。しかし、会場探しが想像以上に難航し、2週間ほどかかった記憶があります。予算や立地、会場の広さなどなど、一人あたり1.8万円の負担で今回の卒業制作をやりきれると算出しました。
チーム運用
リーダーとして運用方法を円滑なものに。徹底的に最適化していきたい。面倒なことはテクノロジーでなくしていく。これを念頭に置いていました。
そこで活用したのが、Notion
メンバー全員で使える押入れのようなオンラインツールで、クラウドドライブよりも自由度が高い反面、初期設定や環境構築こそ大変なものの、自分が数日間頑張って設定すれば後が楽になる。ということで導入しました。
ファイル共有やテキストベースのアイデアメモ・素材回収・アンケート・ファイル管理・原稿管理・参考資料・クラウドドライブ共有リンクなどなど、あらゆるものを各パートに分けて管理し、誰でも取り出せるようにしました。
そうすることで、チームのメインのコミュニケーションツールSlackへの負荷が減り、連絡事項とクラウドドライブを良い関係性で繋ぐことができました。
制作
媒体としては印刷物・web・映像・音・空間デザイン・グッズ制作あたりに分かれていました。
印刷物はみんなできるので、タスクを分担してお互いにチェックを繰り返し、精度を高めていく。トンマナのズレも修正しつつ。
webはちょうどweb業界に内定しているメンバーがいたので、その方にwebディレクターを。
映像は私の得意分野なので引き受けました。しかし、オンライン開催に向けて映像への比重が重いことから、一人ではボリュームが大きいので、優秀なアシスタントをつけてもらいました。
音は各自で録音をして、私が音源編集を。オーディオ好きの延長です。
空間は企画段階で鋭い指摘をしてくれたメンバーに。この企画のメッセージを使えるのに最適な空間を依頼しました。
グッズは、普段から自分の作品をオンライン上で販売しているメンバーに引き受けてもらいました。
この構成からわかるように、可能な限りメンバーの趣味や好きなことに寄せてみたつもりです。その方が自ずとクオリティも意欲も向上しますし。
展覧会直前
どんどん作品が仕上がり、12月上旬の会場設営へ向けて追い込みをかけていました。
しかし搬入日前日に大阪府の外出自粛要請が発表。来場者はもちろん、自分たちがこのタイミングで感染症にかかってしまったら、1月の審査にも影響が出るということで順延に。
大幅に予定が変わってしまいました。プレゼンはどうしよう。関係各所に連絡しなければ、告知活動は?会場との話は?などなどキャンセル周りの手続きで1日が終わったことを覚えています。
ほぼチーム全員で作業にあたり、制作も進め、放課後には今後の戦略を話したり。あの日の気持ちは今後も忘れられないものになると思います。
余談ですが、この前日に学校のプリンターが壊れたり、開催日が567でコロナだったり、レンダリングが落ちたり、何か呪われてたんじゃないかと思うくらい。順延させて正解だったのかも
学内展示
なにも持たずにプレゼンはできないということで、急遽学内展示会を開催してその実績をプレゼンへ持ち込むプランになりました。
約4日で学内用にレイアウトを組み直し、コンテンツを調整。
なんとか開催した学内展示会では、在校生をはじめ、先生方にもたくさん見ていただくことができて嬉しかったです。
個人的には、グラフィック専攻で作った映像に対して、映像の先生から褒めていただいたことが記憶に残っています。
プレゼンへ向けて
学内展示が終われば1月の審査へ向けてプレゼンの準備です。
私はプレゼン用の映像を作りつつ、当日のプレゼンターも担当するので、原稿担当と打ち合わせを進めながら準備を進めました。
そんな感じでプレゼンは乗り切りました。ギリギリまで調整してめちゃくちゃ緊張していました
AppleWatchのスクショでも載せておきます笑
※14時半からプレゼンでした
嵐のように過ぎ去った
プレゼンを終えたら、メンバーと話しながら一休み。
他のチームの展示を見に行ったり。久しぶりにゆったりした時間が戻ってきました。あの時間も特別なものですね。
あとは審査結果を待つだけ。
審査結果
緊張の表彰式では、大賞は取れませんでしたが後援企業賞という形で努力を認めて頂けました。
私は作品紹介で舞台に上がっていたのですが、まぁまぁ緊張しましたね。会場とFaceTimeを繋いだMacを片手に話していたのですが、回線が不安定なのが結構ハラハラでした。
実は…
ここからはメンバー向けに、実は心の内で思っていたことを書ける範囲で時系列に書き残しておきます。
まず審査が終わるまでは、できる限りチームに弱音を吐かない。と自分で勝手に決めていました。全てが終わってから、打ち上げの場で話そうかと思っていましたが、このご時世とスケジュール的にも厳しそうなので、ここで供養。タイミングが合えばどこかで語り合える時間が欲しいな。
まずはドラフト。たぶん卒業制作で一番精神的に追い詰められたイベントだったと思います。入学してオリエンで一番最初に話した人、後の同僚とあんな形でぶつかり合いたくありませんでした。
4年間積み上げてきた関係がこれをキッカケに壊れてしまうのではないか。そんなことを思いながらHALで初めて涙を流してしまいました。
眠くなるから昼食食べない。なんて言ってましたが、そんなの半分言い訳で上記の件で彼らに近づくのが怖かったからです。
チームが決まってからは、普段からパワーのあるメンバーに依存しないようにしないと。と思っていましたが、ミーティングを仕切ってもらっているときには「本当は自分が進行しなければ…」と思ってしまっていた時期もありました。
制作面で一番の失敗は、進捗管理だったと思います。メンバーは言わずともわかると思いますが、もっとキッチリ厳しく締め切りを作って進めるべきでした…
逆に映像制作の方では、めちゃくちゃ過酷な撮影になってしまったけど、それに見合う仕上げにできたのではないかと思っています。まだまだ知識の浅いカラグレをいろいろ叩き込みながら、色んな解説を見たりしてなんとか思い通りの色味にもっていけたと思います。
プレゼンに向けての年末年始。年明けから3人が消えてしまって焦りましたね。せめて設営だけでも手伝ってよ。これは本当に強く思っていました、自分は感情の起伏があまり表に出ないのであれなんですけど、あの時はマジで!!ねぇ!
プレゼン直前はアホみたいに心拍数高かったし、少し時間不足でタイマー鳴った時は「やらかした」って思ってたけど、「プレゼン良かったよ」と声をかけてもらえて本当に救われました。ありがとう。
そんなこんなで今日を迎えています。
最高のメンバーで最大限のパフォーマンスを発揮できたと思います。最後にふさわしい取り組みでした。
冷静すぎて頼りないところもあったかもしれんけど、たくさん助けながら付いてきてくれてありがとう。とても居心地の良いチームでした!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?