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愛犬(16歳)が空に旅立った話。

2024年4月22日(月)推定10~13時頃
愛犬の桃ちゃんが空に旅立ちました。

この日記はこの日のことを忘れないためと
気持ちの整理のために書き残しておこうと思います。

2008年2月3日生まれ
柴犬(赤)16歳二ヶ月の女の子
最盛期はふくふくで毛艶の良い11kg
命日は4.1kg

亡くなる日の少し前から下痢が続いていて、私も母も何度もおむつを変えてた。
下痢止めを飲ませて止まったかと思ったけど
20日(土)に今度は真っ黒なうんちが出てきたと母が言って
私はその前日、忙しくて疲れが溜まっていて
土曜日の午後眠くて眠くて、病院で薬もらってくるという母の言葉を眠すぎる頭で聞いていた。

土曜日の夜のことはあまり覚えてない。病院で処方された薬飲んで
うんちが少し止まっていたのかな いつも通りソファでテレビみながら
桃ちゃんを抱っこしていた。最近は抱っこするとすぐうつらうつらと
よく眠ってくれた。
21日の日曜日はで母と札幌に行くことが1ヶ月前から決まっていて、家には兄と、父がいたけど、基本的に桃ちゃんを看ていたのは私と母だったので、早めに切り上げようと、月曜日のお昼に私はそのまま出社して、母だけ先に家に帰る予定だった。
札幌は母の推し活の遠征に付き合う目的で前から計画していて、もうずっと母と私は桃ちゃんの介護生活をしていて土日は基本的にどちらかはいる。を徹底していたので、久しぶりの息抜きにと。それでも次の日の早朝には帰る予定だからいいだろうと思っていた。母も毎日疲れているようで、息抜きになればいいなと。最近は夜鳴きも治まってきていたから、兄と父に任せても大丈夫だろうと。

土曜日の夜は21時前にいつものお薬(精神安定剤)を飲ませて抱っこして背中をぽんぽんして母と私が眠る寝室でいつも通り寝かせた。

日曜日は3時半に起きて4時半に家を出た。
朝のお世話は母がしていたので、私もリビングに行って「ごめんね、すぐ帰ってくるからね」って撫でようと思って やめた。
それをしたらお別れになってしまう気がして怖かった。
月曜日、仕事から帰ったら存分に撫で回して「ただいま」って言えばいいんだ。大丈夫。
下痢をすること自体珍しくはないから、大丈夫。ぶっちゃければ、全然心配してなかった。すぐ治ってまだまだ生きるって信じてた。
そのまま、札幌に行って、母は楽しそうではあったけどずっと桃ちゃんを心配していて、兄にLINEするけど返事がこなくて怒ってた。
逐一報告してこないということは、大人しくしているんだろうと、本当に全然心配していなかった。
今思えばバカすぎる。母の用事が終わったら速攻で飛行機予約して帰るべきだったのに。

月曜日の9時頃、兄から「桃が全然薬飲まない。ご飯もお水も飲み込めてない。オレはもう仕事行くけど、早くかえってあげて」とLINEがきてた。
母は一人で帰って桃の様子を見るのが怖いと言っていたけど、私はその時も全然心配してなかった。だって死ぬわけない。今日は母が休んで一日一緒にいるから、明日は私が在宅勤務して面倒みてあげようぐらいにしか思ってなかった。

羽田空港に着いて、母と別れてそのまま午後一で出社した。
ミーティングしていたら13時半頃に母から「まにあわなかった」とLINEがきた。
心臓がドキドキして周りの音が何も聞こえなくなって なにが?うそ??ちがうよね??とぐちゃぐちゃの感情のまま廊下に出て電話した。「桃、しんじゃった ごめんね ごめんね」と泣いてる声が聞こえた。私は「そっか……急ぎの仕事終わらせたらすぐ帰るね」と言って電話を切った。
ここでようやく事態を軽視しすぎていたことを実感した。

早く帰りたいけど、どうしても今日中にやっておかなければならない仕事があって、PCと向き合いながら
あれだけ一緒にいたのに最期に一緒にいてあげられなかった?呑気に北海道なんか行くべきじゃなかった?どうして土曜日に桃も一緒に病院に連れて行こうって言えなかったんだろう?なんで寝てたんだろう?明日やっぱり行くのやめようという発想すら出来なかった。桃は最期なにを思っただろう。桃がどうしてママと私がいないんだろうって思ってたらどうしよう。私は桃を見殺しにした?日曜日、飛行機予約して今日中に帰ろうってどうして言わなかったんだろう。どうして。

涙が溢れてきたからトイレで拭いて、デスクに戻った。
もう死んじゃってて、急いでも意味が無いのに、一刻も早く会いから仕事を終わらせて早退して、帰りの電車もバスの中もずっと泣いてた。マスクしてて良かった。

バスを降りて走って玄関に入ったら堰を切ったように声が出て、あれが嗚咽ってやつなんだろうな。見たくない。この目で確かめたくない。けど。確かめなくちゃならないんだ。
リビングには、兄と母が泣きながら桃ちゃんを囲んでて、私はそのまま駆け寄って横たわる桃ちゃんに抱きついて「ごめんね ひとりぼっちにしてごめんね ただいま桃」と声をあげて泣いた。

当たり前だけど、生き物が死ぬと驚くほど冷たい。
抱きついた桃の体温がまるで感じられなくて、眠ってるみたいなのに
死んでしまった事実を突きつけられたみたいだった。

母が帰った時には顔が冷えてて、でも兄がお腹にブランケットをかけていってくれたので、そこだけはまだ少し暖かかったらしく、本当に、本当にタッチの差だったんだと思う。
目を閉じていたし寝たままの体勢でもがいていたようでもなく、本当に眠るように逝ったんだと思う。それだけでも本当に良かったと母は言っていた。

でも昨日の夜に帰っていれば、
私はこの先、日曜日の自分を一生恨んでしまうし、一生許せないんだろうな。

兄も、私達がびっくりするほど泣いていて、日曜日は兄が一日面倒を看ていたので責任を感じてるようだった。仕事に行かないで桃を看ていればよかったと泣いていた。辛い役目を負わせてしまったな。

オムツを見るとうんちが出ていたので兄と洗面所で洗った。
抱き上げた桃は軽すぎて、力が入ってないからダランとしていて、死んじゃった。ああ、ほんとに死んじゃったんだということを実感して、また声をあげて泣いた。

いつもは私ひとりで洗面所でお尻を洗ってあげてたけど、私一人だと頭ががっくり落ちてしまうので、兄に頭を支えてもらった。
もう肛門の筋肉も機能していないのか、胃液もダラダラと出てきた。
それも全部洗い流して石鹸で洗って、綺麗にした。
いつもはぬるま湯で洗ってたけど、身体をあっためてしまうのは良くないと思って冷水で洗った。「桃ちゃんごめんね 冷たいよね」って声をかけながら。
綺麗に拭いて、またオムツを履かせて、母が前から用意していた段ボールにいつものふかふかの寝床を置いて、その上にトイレシーツを敷いて保冷剤をたくさん入れてゆっくり寝かせてあげた。その時も、冷たくしてごめんねって謝ってた。

兄は帰りに桃が好きなさつまいもスティックとおやつを買ってきてくれて、それを背中のあたりに置いてあげてた。
私はもう一刻も早く会いたかったからそんな気も回らなかったので関心したな。
その後、スーパーに行って花束をたくさん買ってきた。仏花はまさにすぎて嫌なので可愛いピンクの花で桃を飾った。

しばらく眺めていたら兄が、「こんなに綺麗に飾ってもらって申し訳ないんだけど、抱っこしたい。いい?」って聞いてきて、私も抱っこしたかったので頷いた。

本当に眠ってるみたい。信じられない。
それからもうずっと桃を囲んで泣いてた。泣きすぎると眼球が痛くなって頭まで痛くなるんだね。目が取れるかと思った。痛み止め飲んで、これからについて家族で話あった。

次の日、4月23日(火)全員仕事を休んで桃を見送ることになった。
ジャパン動物メモリアル社というペット専門の葬儀屋さんに10時すぎに来てもらい、供養と火葬をお願いした。一番上の兄も遠くから駆けつけてくれた。

明日、朝10時に火葬したら、本当にこの世から桃ちゃんという存在が無くなっちゃうんだと思って、
この触り心地の良い頭の丸みも、肉球も、耳の柔らかさも、背中のちょっと硬い毛も、鼻のぐにぐにした感触も全部覚えていたい。忘れたくない。
だからずっと触っていたかった。

寝る時、桃ちゃんを母と私の寝室に移動してもらった。
最期の夜だからいつも通り一緒に寝てあげたかった。一緒に寝てほしかった。1時に寝て、朝5時に起きた。その日は肌寒くて1日中どんよりとした曇り空だった。

目が覚めた時、全部夢だったんじゃないかと思った。嫌な夢をみた。すごいリアルな。でも、起きて見た桃は、やっぱり段ボールの中で冷たくなって花に囲まれていた。
現実、容赦なさ過ぎる。ああ、現実、いやだいやだ どうして どうしてしんじゃったの?横にへたり込んでまた声をあげて泣いてしまった。

兄も8時頃起きてきて、前に座り込んで桃を撫でながら静かに泣いていた。私が顔を洗おうと思って洗面所に行ったら、一人になって気が抜けたのか声を押し殺して泣いてるのが聞こえた。

それからリビングに桃を移動させて葬儀屋さんがくる時間まで、撫でたり、(あんまり動かすの良くないんだろうけど)抱っこしたりしてた。

10時すぎにインターホンが鳴って、ああ、きてしまった。と依頼しておいてそう思った。
葬儀屋さんは男性一人で、以前獣医さんをしていたそう。すごく丁寧な方だった。
一任個別葬というプランで、供養から火葬をしてくれ、お骨を返してくれる。(お骨も、そのままか、パウダー状にするか選べる) 愛犬の写真を渡すと、そこに名前、誕生日、命日、49日まで入ったネームプレートを希望枚数作ってくれる。
小さな遺骨を入れたカプセルキーホルダーも作ってくれるので家族分、作ってもらった。これでもどこへでも一緒に行けるね。

供養はお水を大きい綿棒に湿らせて、家族一人一人が、焼香のように綿棒の先をお口に入れて湿らせてあげるものだった。天国に逝っても喉が渇かないように願いを込めて。
次にシートでまた、順番に体を拭いて上げる。晩年はほとんど歩けなかったから、天国でいっぱい走り回ってほしいと思い、お顔とお手手を拭いてあげた。

それから、葬儀屋さんは「火葬車を外に駐めてますので、準備が出来ましたら桃ちゃんを連れてきてください」と言って先に出ていった。
私達はもう一度、一人ずつ桃を抱っこして抱きしめた。
母が抱っこした時に「もうお母さん、北海道へ行けないよ 桃ちゃん ごめんね」って言ったので母ごと抱きしめてわんわん泣いた。

毛布にくるんで抱っこして火葬車に向かう。
桃をゆっくりと置いてから、左向きで寝るの嫌いだったなと思い、右向きで寝るのが好きなので直してもらえますかと葬儀屋さんに頼んだ。

お花と、おやつは一緒に燃やしても大丈夫らしく、
囲むようにお花を飾って、おやつはティッシュに丸めて口元の近くに置いてあげた。
お花に囲まれた桃は きれいで、 可愛いかった。

「桃ちゃん一人ぼっちにして本当にごめんね」
「しんどかったのに今日まで頑張ってくれてありがとう」
「いっぱいいっぱいお世話させてくれてありがとう」
「ずっと大好きだよ 桃ちゃん」

火葬の扉が閉まった。
火葬車の上部が熱の熱さでモヤモヤと揺らめいていた。
煙も、匂いもない。
時折、煤が舞い上がったけど、オムツやお花らしい。
しばらくその様子を眺めていた。

お骨になるまでに1時間ほどかかるとのことで家に戻って待機になった。
しばらくして葬儀屋さんがお骨を届けにきてくれた。お骨を拾うプランもあったけど、最後に目に焼き付ける桃ちゃんの姿は、私達が知る可愛いふかふかの桃ちゃんであって欲しかったからやめた。
葬儀屋さんは「骨壺は4kgの子だともう少し小さい壺にいれるんですが、桃ちゃんは骨が上部でみっちりでしたので一つ大きいサイズにしてます。遺骨カプセルは鈎爪と、尻尾の先の骨が入っています。尻尾の先の骨は星の形をしててとても綺麗なんですよ」と教えてくれた。

待っている間は、みんなで集めた桃の写真や動画をテレビで見てた。そうして、ああ、桃ってこんな犬だったんだなって久しぶりに思い出した。

晩年の桃は少しずつ、今まで出来たことが出来なくなって、最期は歩けなくなってた。寝るか、ご飯食べるか、歩きたいと鳴くか。本当にそれだけだった。
寝返りもうてないからクッションでフセの体勢になるようにしたり、抱っこしたり、日向ぼっこさせたり。お水飲ませたり、ワンチュールあげたり、ミルクあげたり。たまにルームツアーしたり。

ハイカロリーミルクや高齢犬ご飯を食べさせて
なんなら元気だった時よりも今のがいっぱい食べてるのに全然栄養にならなくて骨の形が分かるくらいガリガリになっていってた。
毎日消えかけの灯火に必死で燃料をくべて、ギリギリで繋ぎ止めてる気がしてた。食べられなくなったら死ぬ。それでも、ご飯をあげればガツガツ食べてくれるから生きようと桃も思ってくれてると信じてた。

動画の中で元気にボールを拾ってくる桃を見たのは随分久しぶりだった。最近の桃を見てると可哀想で、元気だった桃を見る気にもなれなかった。

写真はたくさんあったけど、全然足りなかった。
だってもう更新されない。これがすべてだ。いくらあっても足りない。

母は、桃は私と母にいっぱい面倒を見てもらったから最後はどうにも出来ないところで死に目に合わせないようにしてくれたんだと、そういう桃の優しさと思うようにしよう。兄だって目の前で死んだらきっと悲しむ、だから兄が玄関を開けて行ったと思ったから、安心して旅立ったんだよ。だってあんなに気持ちよさそうな寝顔で逝ってたんだもの。と。そう言ってくれた。というかそう言い聞かせてた。

ご飯もろくに食べられない身体でそれでも生きていて欲しいと願うのは完全に私達のエゴだ。やっと楽になって家中好きに走れ回れるようになったんだ。寂しくて辛くて、しんどくてしんどくて仕方ないけど、桃にとっては良かったはずなんだ。

去年12月を過ぎたあたりから歩けなくなり、立ちたいのに立ち上がれない切なさから昼夜問わず鳴くようになって、発作で心臓がドキドキして息切れもすごかった。夜中に悲鳴のような鳴き声で何度も起こされて母も私も参っていた。
柴犬は認知症にかかりやすく、治療薬はまだ出来ていないから、精神安定剤兼睡眠剤で落ち着かせるしかなくて、(それも効き目にはムラがある)
一晩中抱っこしてる夜もあった。バック歩行が出来なくてアシストしながら歩くのをずっと見守る夜もあった。
毎日寝不足で、日に日に弱っていく姿を見るのはしんどい。
それでも、早く死んでほしいなんて思ったことは一度も無かった。

桃ちゃん、ずっとお世話したかったよ。でも桃ちゃんは生きるのが辛かったよね。目も耳も、嗅覚もほとんど効かなくて、毎日が長く感じたよね。
それでも抱っこすると安心したように寝る貴方が愛しくてたまらなかったよ。

桃ちゃんは
散歩が好きで
日向ぼっこが好きで
こたつに潜るのが好きで
ボールで遊ぶのが好きで
ベランダに出るのが好きで
毛が生えたふわふわの葉っぱが好きで
ご飯は好き嫌いが多くて
ドックフードよりも人間が食べてるものに興味津々で
さつまいもが好きで
たまご焼きが好きで
砂肝のおやつが好きで
氷をかじるのが好きで
チーズが好きで
抱っこが好きで
水風船が好きで
水遊びが好きでシャンプーは嫌いなのに
しょっちゅうお風呂に入ってきて水を飛ばして遊んだね
スリッパを噛むのが好きで
人の鼻かんだティッシュが好きで
食卓の椅子に座るのが好きで
車に乗るのが好きで
いつもお留守番だからたまの旅行に連れてくと、とても楽しそうだった。
寝る時は自分から私と母の寝室にきて一緒に寝るのが好きで
普段全然言うこと聞かないのに母がいない時は玄関でずっと待ってたね。ママのことが大好きだったね。

風が強い日はどこからともなく音がするから嫌いで
雷も嫌いで
高いところも嫌い
人混みも嫌いで
シャンプーが嫌いで
病院も大嫌い
そっちの散歩ルートになるとしっぽが下がって歩みが止まっちゃってたね


桃ちゃん、うちの子になってくれてありがとう。
いっぱい遊んでくれてありがとう。
いっぱい幸せにしてくれてありがとう。
犬を飼うという意味を1から100まで全部教えてくれてありがとう。
私達と家族になって幸せだったと 少しでも思ってくれていたらいいな。

こんなに毎日辛くて涙が出るのに、もう犬を飼いたくない なんて思わないのは悲しい気持ちよりも、桃ちゃんに与えてもらった幸せがその何倍も、何億万倍も大きいからなんだね。

私がそっちに行くのはまだ先かもしれないけど、その時は、いっぱい散歩してボールでたくさん遊ぼう。

いたずら好きで  甘えたで
可愛くて  愛しい  愛しい  桃ちゃん
私の大切な 16歳 の可愛い妹よ 
ずっと ずっと 大好きだよ。
ばいばい、またね。

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