とか

実家にお土産で買っていったバウムクーヘンをボロ屋の台所に集まってパクパク食べている時のこととか

「あたしゃいらんよ」と遠慮がちだったばあちゃんが結局1番ケンタッキーを食ってたこととか

ある日突然抜け落ちた前歯が物凄くヤニで汚れていたことにショックを受けて親父が禁煙しだしたこととか

3つ下の妹と取っ組み合いの喧嘩になった時お互いの膂力があまりにも互角で自分に失望したときのこととか

畑仕事してたら近所のちょっと変わったおばちゃんが近寄ってきて親子3人謎のおまじないを掛けられたこととか

バイト先のスーパーにイタリア旅行のお土産でチョコを買っていったらそれと全く同じものがそのスーパーに置いてあったこととか

嫁姑問題に揺れていたウチのオカンが「じいちゃんは優しかけん何の不満もない、ただ強いて挙げるならじいちゃんが風呂入ったあと浴室がめちゃくちゃチ○カス臭い」と言ってたこととか

放課後教室に誰もいなかったから「屁でもこくか」と思ってぶっ放したらちょうど担任の先生が通りかかって、思わず発してしまった「すみません」の声色とか

「サンタより」の文字のクセがあまりにもオカン過ぎてこの世にサンタが居ないことを悟った時のこととか

眼科でたまたま流れていた番組で黒人のバンドリーダーが放った「life goes on」とか

初任給のプレゼント何がいいと聞いたら、ピョン吉Tシャツと言われたのでネットで買って送ったものの、サイズが小さくてパツンパツンになっていたピョン吉の顔とか

じいちゃんが撮った姉貴の運動会の写真が実は全然他人のクラスメイトの子だったこととか

親父がブチギレて開いた壁の穴とか

オカンがブチギレて開いた壁の穴とか

結構ちゃんとしたピアノコンクールで1人だけ1オクターブ間違えて弾いていたこととか

誰よりも活発だった姉貴がいつの間にか誰よりも笑わなくなっていたこととか

飼ってた猫が冷たくなって動かなくなっていた時のこととか

じいちゃんが死んだ直後に大叔母ちゃんが言った「あんたよう頑張った」とか

叔母ちゃんが自殺した時のこととか

オカンの声が出なくなった時のこととか

「お前は性格を変えないとやっていけない」とまで言われて結局何も性格が変わらないまま今までのうのうと生きてる自分のこととか

海の匂いが嫌いだったこととか

山の上から見る自分の街の景色が好きやったこととか

タンスの奥のアルバムにあったちっさい頃の姉貴の笑った顔がめちゃくちゃ良いこととか

爺ちゃんと行ったカブトムシ取りがハードボイルド過ぎたこととか

心を許せる人が今1人もいないこととか

夏が嫌いなこととか

腹が減ることとか

平日だけ朝来るなと思ってることとか

誰も知らない曲を1人で聞いてる時の気持ちとか

もう終わったこととか

今から帰ることとか

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