見出し画像

サウナブームを探る

タピオカ、脱毛ときて、今サウナブームが頂点を極めています。

その背景に何があるのか探りたいと思います。

◎ 今求められるのはクローズドなユースカルチャー

少し前までは数千、万の人が集まるイベントだったり、海外から来た話題のクラブやフェスなど、とにかく大きな規模のイベントばかりがフィーチャーされていました。

イベントに行く事やパーティをしているということそのものが目的、煌びやかな世界で遊ぶのが都会の若者、そんな印象があったと思いませんか?

でもここ最近、もっとクローズドなカルチャーが深掘りされているんですよね。例えばスナックや銭湯、サウナとか、色々な人と知り合うというより、ある程度似た思考を持った人たちと肩肘貼らずにのんびりと繋がれる場所。そんな空間に魅力を感じる若者が多いようです。

なるべく省エネ。でもなんかお兄ちゃんツウだね!って感じで格好良い。今の時代にあっている。

その一方、今はデジタル全盛期でもあります。オンラインは四六時中連絡が取れるので便利ですが、その一方で『気が休まらない』という側面も。
そんなオンラインにお疲れ気味の若者が、アナログな繋がりに興味を持ち始めている……という側面も。 不思議なことに、アナログでの繋がりって、オンラインに比べてなんとなく『落ち着く』んですよね。

引用
https://www.global-produce.jp/gpjournal/trend/youth-trend/

◎ サウナ人気はいつから始まったのか

ここからはサウナ人気はいつから始まったのかを考えます。以下はgoogleで「サウナ」と検索された回数を示したグラフですが、2019年に大きく回数が上昇していることがわかります。

したがって、直接的なサウナ人気は2019年に始まったといえそうです。

ここからはサウナが人気になるまでの道のりをわかりやすく解説します。

① 2009年 SNSで「サウナー」が繋がった。
「サウナー」とはサウナ愛好家のことです。今まで隠れていたサウナー達が繋がり、独自のサウナに対する見解を共有し始めたのが2009年頃のSNS上での動きでした。後述するタナカカツキ氏のエッセイが生まれたのも、こうしたSNS上でのサウナ愛好家たちのやりとりがきっかけだったのです。

② 2009年の「サ道」が幕開け
SNSブームを受け、タナカカツキ氏が手掛けたエッセイ「サ道」が始まったのは2009年。当時はまだ「ととのう」という言葉が出てはいませんでしたが「サ道」が人気になり始めました。

③ 2018年サウナイキタイの誕生
2018年にはWEBサイト『サウナイキタイ』が誕生しました。サウナーにとって痒いところに手が届くデータベースともいえる『サウナイキタイ』では、さまざまなサウナの情報を検索することができます。こうしたサービスが展開されたことで、サウナ通じゃない人であってもサウナ情報を調べることができるようになりました。

④ 2019年のドラマ「サ道」がブームのきっかけ
2019年、タナカカツキ氏の漫画がついにドラマ化されました。ドラマ化により人々のサウナへの認知度は上昇し、サウナブームのきっかけとなりました。

そして、ドラマの中で紹介された「ととのう」という言葉がその後のサウナブームを牽引することになります。既に漫画の時期から「ととのう」という言葉は出ていましたが、以下の表をとると「ととのう」の検索が大きく増加したのは2019年ごろです。

「ととのう」とはサウナ室から出た後に水風呂に入り、その後イスなどで休憩することで得られる至福の瞬間のことです。「ととのう」という言葉が流行ったことで、サウナ店でも「ととのう」を宣伝文句にする企業が増えました。

⑤ 2021年「サ道」が再度ドラマ化
そして2021年2月には特別版スペシャル番組として、「東京の空の下、少し離れてととのう」が放映されました。「豊島園 庭の湯」を紹介した「サ道」の続編です。また、2021年7月からは再度「サ道」スタート。再度サウナは盛り上がっています。

引用
https://news.yahoo.co.jp/articles/dccd4b100b868c1749ac2f9f4f1601e08da87d00


◎ ととのう とは何か

ととのうメカニズムは以下です。

「ととのう」ためにはサウナ、水風呂、外気浴をしていきます。

暑いサウナの中では、サウナ以前にブームだった『瞑想』状態になります。携帯電話も持ち込めませんので、手ぶらでひたすら『無』になります。暑いので、ひたすら耐えるように思考が停止、または集中します。この状態は、催眠状態とも似ていて、自動的にリラックスがもたらされます。

そして、心拍数が通常の2倍程度になります。心拍数の増加により、交感神経が活発になります。

その後、水風呂に入った瞬間は、交感神経がさらに優位に働きますが、その後、外気浴の瞬間は安らぎと低心拍となり、副交感神経が優位に働きます。

外気浴をする際、収縮していた血管が急に広がることで血流もよくじんわりとした弛緩状態なります。

これが、『ととのう』です。


◎ コロナ禍や不景気も影響

マッサージよりもお金をかけず、オシャレに手軽にできることや、先のクローズドカルチャー人気、健康志向が追い風となりました。

サウナでの密を気にする人用にソロサウナも増加の傾向です。旅行者が減り売り上げの落ちたホテルがどんどんソロサウナを併設したり新規オープンさせています。

また、パーソナルトレーニングブームの時のように、ソロサウナの会員になることで一般サウナーよりも優越感を感じることができたり、プチ贅沢のトレンドにも合致しています。

こうして、2022年も、現在までのところサウナ人気は上昇し続けています。

パーソナル行って、脱毛行って、ソロサウナを楽しむ、そういう方も多いのでは、と感じます。

また、瞑想のできるサウナ等、新しいユニゾンもどんどん生まれています。


いずれもマッサージと競合する分野であり、特にサウナはマッサージと全く同じ原理で ととのう をもたらします。マッサージも交感神経と副交感神経、そして血流の改善で弛緩状態をつくりだしリラックスするものだからです。

サウナはマッサージより安く、ソロサウナに至っては人と会うリスクもなくなります。

こうしたトレンドの中で、マッサージのどんなところがサウナにない特別なことなのかを考えつつ、皆様それぞれの施術をみつけていただければと考えております。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?