美大生の杞憂

最近、若者の貴重な時間を表面的な面白さしかない動画を作ってお金に変えて儲けてるインフルエンサーが多すぎる。
もっと時間をかけたら本質的に面白いものがあるのに、その方向に目を向ける隙すらないくらい浅いSNSと情報で埋め尽くされている気がする。何が悪いのか。たぶんこれは広告と資本主義の弊害。

もっと恐れているのは、この表面的な面白さに慣れ親しんだ今の若者の世代が、世間の大衆になった時。
本質的に面白いものを追及してる人達が一定の成果を出し始めた時。
それを評価する側の大衆はまともな評価ができるのか。

もし、過去の偉大な芸術家がこの時代に生まれて同じくらい深い作品を作り上げても、その良さを理解出来たり、理解しようと努力をする者はどれくらいいるだろうか。歴史に名を残すほど注目されるのだろうか。

ヒカキンなんて、なにもすごくない。本質的に面白いものはなにも作り出していない。ヒカキン自身はここ数年でなにか成長したことがあるのか聞きたい。あるとしてもあれほどの評価されるほどなのか。誰か誰かの表面的な興味をかき集めたあの登録者数。みんなの浅い関心が積み重なっても深い面白さにはならないよ。子ども達が励まされるくらい。これは良いことだけどね

ヒカキンやしょうもないインフルエンサー、アイドルが評価されて金儲けするくらいなら、どこかの国の誰かが、ひたすら考え抜いて時間と頭を使って作り抜いた作品が評価されてほしい。

本当に面白いものや、考え抜かれ洗練されたもの、人にとって必要なものを作った人が評価されてほしい。そして未来のそういう人たちの努力をサポートする環境がほしい。今はただ、広告収入というシステムのせいか、人々の瞬間的な興味を引き付ける方向で頑張ってるやつが多すぎる。その方向ではどれだけ頑張っても数年後には忘れられていて、ただ、承認欲求とお財布が満たされるだけ。

どれだけ科学技術が発達しても、その技術を享受している大半の人間自身は発達していない気がする。目に見えやすい技術の発達はすさまじいけれど、目に見えにくい精神的な発達はほとんど見えない。戦争が悪とされるようになったことくらい。広告に揉まれて金儲けの道具にされ、常に他人を意識していて、趨向的な成長のない人間が溢れかえる現代社会に、不意に嫌気が差す。

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