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スプラトゥーン経験者がフォームスターズを評価する記事

1.はじめに

タイトルの通りスプラトゥーン経験者がフォームスターズを評価する記事です。わりと好意的に書いています。

私のスプラトゥーン歴
・初代~スプラトゥーン3までプレイ
・ほぼナワバリ専門でカジュアルに遊ぶ
・好きなブキ:スプラスピナー

2.スプラトゥーンとの比較

まず最初に言及しますが、以下の記事よりプロデューサーの岡谷浩介氏はフォームスターズがスプラトゥーンと比較されることに飽き飽きしているそうです。

ですが、フォームスターズを評価するにはスプラトゥーンとの比較を避けては通れません。なぜなら、フォームスターズの「良い所」はほとんどがスプラトゥーンを模倣した部分だからです。

“First of all, yes,” laughs producer Kosuke Okatani, when asked if he’s bored of comparisons to Nintendo’s arena-painting blaster Splatoon.

"SQUARE ENIX WANTS YOU TO STOP COMPARING FOAMSTARS TO SPLATOON"
https://www.videogameschronicle.com/features/square-enix-wants-you-to-stop-comparing-foamstars-to-splatoon/

「キル/デス」という血なまぐさい言葉は(公式用語としては)使わない。殺し合いのないカジュアルに楽しめるTPSゲームであること。

チームが色分けされている。「弾丸」も同様であり、着弾された床や壁は着色される。その色により比較的安全な場所、危険な場所が視覚的にわかりやすくなっていること。

敵を倒すだけが全てではない。敵を倒せなくても床や壁を撃ち自分チームの色を増やすことで味方を助け、それによって勝利に貢献できること。

結局のところ良い要素のほとんどがスプラトゥーンに依存しており、フォームスターズの良い所を言おうとしても「それってスプラをパクっただけだよね?」となってしまうのです。なので、この記事では思いっきりスプラトゥーンと比べていきます。ご了承ください。

スプラトゥーンの良い所を語る参考記事より:

プラトゥーンではAIMが苦手な人でもそこそこ楽しめる上、敵に撃たれて再スタートしたとしても「今度は、敵のいないところを塗りつぶそう」と、対人戦闘を避けながら勝利に貢献することもできる。

前作は販売500万本超え、『スプラトゥーン3』は敗者のメンタルケアまでを徹底した対戦ゲーム
https://diamond.jp/articles/-/333846

3.フォームスターズの良い所

このゲームの良い所とは

スプラトゥーン3という世界で1000万本近くを売り上げた最高のTPSゲーム(過言ではないと思う)でも救いきれなかった人たちを救っていること。

だと思っています。

①地形の変化

スプラ3についての情報を追っている時、以下のような批判が多く見受けられました。「新ステージが縦長ばかりでつまらない」

これは私も少なからず感じていた所です。
参考:「ヤガラ市場」のステージ情報

ナワバリバトル中、ずっと同じような状況下で戦っているような感覚……と言えば良いでしょうか。縦長のステージで押し引きはありつつも、長射程の人が陣取る場所はだいたい決まっている。近射程の人はそれに睨まれながら前線同士がぶつかる中央付近で戦う。押した場所で同じ状況、引いた場所で同じ状況。前述の記事にあった「今度は、敵のいないところを塗りつぶそう」という要素が少なくなり、敵と戦わなければならない状況が生まれているとも言えます。

対してフォームスターズは泡が着弾された場所が盛り上がり、地形がどんどん変化していきます。

こちらは私のプレイ風景ですが、ステージを動き回りながら敵チームのスタープレイヤー(チームの主役)を追い詰め、最後には味方チームの一人が能動的に地形を泡で変化させて道を塞ぎ、勝利したのがわかるでしょうか。

「今度は、敵のいないところを塗りつぶそう」

これって「わるだくみ」的な面白さも含んでいると思うんです。フォームスターズでは「自分で高台を作っちゃおう」とか「壁を作って道を塞いじゃおう」とか「相手の作った高台をこっちの泡で消しちゃおう」とか……

地形を自分で作り出す、あるいは敵の地形を崩す。フォームスターズはスプラ3とは少し異なるわるだくみの快感をもたらしてくれるゲームだと思います。

②理不尽なデスの少なさ

スプラトゥーンでは「キル」あるいは「デス」が唐突に訪れます。※便宜上、キル・デスという用語を使います。

スナイパーライフル的な武器が高台から常に見下ろし、少しでも敵チームの色が残っていればそこに敵が潜んでいる可能性があります。通常の短射程のシューターであっても敵を溶かすのは一瞬です。スプラトゥーンは数多のFPS/TPSゲームの派生という側面もあるため、キルが一瞬というのは当然と言えば当然です。

このようなゲーム性のため、「逆転しようとしても味方が溶ける(一瞬でキルされていく)からどうしようもない」という話は初代スプラトゥーンから何度も見てきました。

逆転のために少しリスクの高い動きをしようとして自分がデスしてしまう、あるいは逆転のために一度引いて準備を整えようとしている間に味方がデスしてしまう。スプラトゥーンあるあるだと思います。

これはそれが「悪」という話ではなく、高台から撃ち抜いたり潜伏して不意をつくのはかなり気持ち良いですし、敵チームを溶かしていくことはもはや快感と言って良いでしょう。もちろんキルを取られた側に不快感はあるでしょうが……対してフォームスターズはどうでしょうか。

こちらの動画を見るとかなり遠くの敵も視認できることがわかるでしょう。潜伏は基本的にはできず、スナイパーライフル的な武器種は現状存在せず、弾丸は目で追える程度のスピードです。よって、理不尽にデスを与えられることがほとんどないのです。

また、「キル」や「デス」の前にフォームアップという泡で包まれた状態が存在することも特徴です。

「味方が溶ける」ことを防止し、スプラトゥーンと比較してキルを取る以外のより具体的な味方を助ける手段が追加されたことでチームプレイの価値も上がる。

これはフォームスターズの良い所と言えるでしょう。

③ラグ・同期ズレの少なさ

スプラトゥーン3において同期ズレが発生することは日常茶飯事です。たとえばこちらの動画、段差の下で「サメライド」というスペシャル技が発動したように見えますが、効果処理が崖上で発動し、安全圏にいたはずの敵をキルしています。

スプラ3をやっていたら「あるある」だと思います。敵が崖の下にいたと思ったら実際には上にいて逃してしまった、とか。自分は壁の後ろにいると思っていたのに敵のスナイパーライフルに撃ち抜かれた、とか。前述した「理不尽なデス」を生む要因の一つとなっています。

PvEモードでも時々発生し、眼の前に敵のボスがワープしてきて倒されてしまう、などもありました。これはスプラ3の通信方式の問題だと思われますが、詳細は割愛。

さて、フォームスターズではどうなのかという話になりますが、フォームスターズをやっていて今のところ同期ズレを感じたことはありません。「崖際だけど相手が崖上へワープしないか?」という警戒は不要で安心してプレイできます。

ただし、フォームスターズは私が何度かプレイしていてリザルト画面中に通信エラーが発生したことがあり、そこは改善してほしいところですね。(私の回線の問題だとしたら申し訳ない……)


④ナワバリとSTSの違い

スプラトゥーンの基本的な対戦システムである「ナワバリバトル」は、最終的な「色」の陣地の広さで勝敗が決まります。

対してフォームスターズでの基本的な対戦システムは「STS(SMASH THE STAR)」となっており、以下のようなルールとなっています。

1.相手チームのプレイヤーを計7回倒す
2.相手チームで最も活躍していたプレイヤーがスタープレイヤーに選ばれる
3.相手チームのスタープレイヤーを倒すと勝利

ここからは好みの話になりますが、スプラ3の縦長ステージで戦うナワバリバトルよりはフォームスターズのSTSの方が面白いと感じる人も多いのではないかな、と思います。


「スタープレイヤー」は通常のプレイヤーよりも強化されるため、簡単に倒されることはありません。以下の動画を見ると、スプラで言うなら「スーパーチャクチ直撃、スプボム直撃、数人がかりで数秒間射撃」でようやくスタープレイヤーが泡で包まれたフォームアップ状態となっています。

たとえば……1人がトッププレイヤーで他3人が初心者のチームがあったとしましょう。フォームスターズでは倒されかけた味方を助ける要素もありますが、やはり初心者から先に倒されてしまうことでしょう。

するとトッププレイヤーがスタープレイヤーとなり強化され、敵を倒すチャンスが生まれます。スタープレイヤーを中心に戦っていき、敵を計7人倒すことができれば逆に相手にスタープレイヤーが出現し、あとはチーム同士の戦いです。

逆にこの状況を敵チームから見れば、いくらトッププレイヤーといえどスタープレイヤー1人さえ倒せれば良いわけですから状況次第でどうとでもなります。このようにいくらでもお互いに逆転が生まれるシステムとなっているのです。

スタープレイヤーは囲まれないように動き回りたいため、必然的にステージを広く使う形となり、同じような場所で戦い続けている感覚になり辛いです。もちろん、一つの場所でステージの地形+泡で有利を作るのも一つの手でしょう。対戦毎に変化する状況を楽しむことができる、メインの対戦システムがSTSとなっているフォームスターズの魅力だと思います。

4.フォームスターズの悪い所

さて、では最後にフォームスターズの悪い所を書いて終わりたいと思います。ただ、ゲームの悪い所って上げればキリがないと思うんですね。「悪い」と言っても好みの問題もありますし、たとえばスプラ3の同期ズレの問題にしたってより多くの回線状況に対応するため致し方ない部分もあると思います。

なので私はただ1つ、
最も致命的な明確に悪い所をここに書きます。

それは
スプラトゥーンと比較して人口が少ないことです。
やはりスプラトゥーンとフォームスターズを比較するならこの要素を書かないのはフェアではないかな、と。対戦ゲームとしては少し先が心配になってしまいます。

ただ、私としてはこれまで書いてきた通り良い所もあるゲームだと思っています。PS4/PS5を持っていてしかもPS Plusに加入している方……という限られた範囲にはなりますが現在フリープレイ期間中ですのでぜひダウンロードしてみてください。

ではでは。


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