いつかステージに立つ君が

麦藁帽子を被り

キャラメルを舌で転がす君の

ファン第一号は僕だった

その涙に何度だまされたのか

おろおろとする僕を君は

頬に粒を流しながらふふふと笑ったので


腹が減れば飯と泣き

外に出たければ靴と叫び

乳が飲めない苛立ちに

僕の妻を何度も殴る

君をどうしても愛さずには居られない


つきたての餅のような手で

僕の膝にまとわりついて

キャラメル頂戴と見上げた君に

僕の顔はどんな風に見えていたのか

逆光でどうか隠れていることを願う


妻にしか分からない君の言葉を

どうか僕にテレパシーで

涙を流し続ける君を腕に

僕はおろおろするしかないのか


キャラメルを両頬につめた君は

僕をふふふと笑うから

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