おいしいコーヒーを飲みたい

うとうとしないで。
目を開けて。
コーヒー入れてあげるから。

眩しそうに眉間に皺を寄せてみる。わざとらしく。
両腕を天井に向けて伸ばすと背中の骨が伸びたように感じる。
どうしたら、朝から意気揚々とすがすがしい朝だな! なんて言葉が言えるようになるのだろう。
もう少し、もう少し、せめてこの布団の温もりがなくなるまで。ここにいたい。ここにいたいよ。
誰か手を引いて。足の伸ばして。布団の中で誰かが足を引っ張るから出られないんだ。

苦い香りが鼻をかすめ、君の手が僕の頭をひっぱる。

うとうとしないで。

今日こそは美味しいコーヒーを入れてあげるから。

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