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VJ現場デビューから1年。辿り着いたスタイルや考えを公開スペシャル。

あおお/A-ZERO (@AOO_A_ZERO) です。

以前は映像制作をちまちまやってたのですが、突如VJに興味を持ち始め、現場デビューして1年になりました。ありがたいことにこれまで様々な現場に立つことができ、今後もいくつかオファーをいただいております。

過去と今後のVJ予定(練習会などは除く)

まだまだ駆け出しでイマイチうまくいってない所も多々あるのですが、VJをこれから始める人への何かヒントになることと、他VJさんへの情報とお悩み共有、そして2年目以降の自分への見返し資料として、1年間で自分がたどり着いた今のスタイルや考えについてずらーっと書き留めておきます。

ちなみに自分はプリレンダリング系VJで、ジェネレート系VJはやったことがないため触れないです。

環境

PC

Appleに生かされてるのでMacBook Proです。AppleSilicon (M1チップ) の特盛スペックを使っており、多少無茶しても大丈夫やろという安心感があります。iPhoneとの連携もかなり強く、iPhoneでコピーした内容をそのままMacでペーストできたり、Appleユーザーから素材の受け渡しも楽だったり、今後もMacしか勝たん感じです。

「Macは高けーんだよ」というのは、それはそうなのですが、いざ売るときにわりとフリマアプリなどで高値で売れるのもポイントです。でも、今は円安で辛い時期ではありますね。。

VJアプリ

resolumeをメインとして使っていますが、VDMXも同時起動しパワープレイをしています。

異常VJ画面

映像制作をしてきた自分にとって、視覚的にレイヤー構造が理解できるresolumeは非常にわかりやすく、すぐに馴染めてめちゃくちゃ入門しやすかったです。
が、以下の致命的な弱点があると思っています。

  • 横に無限に素材が並ぶので、大量の素材を管理しにくい

  • (Finderでサムネイルが出ない)DMXコーデックへの変換が前提で、
    mp4をスムーズに再生できない

  • ウィンドウキャプチャができない

VDMXならばHAPにしなくてもmp4でもわりとスムーズに動いてくれますし、MediaBinで大量の素材も管理できます。そして、ウィンドウキャプチャも備わってていざという時に柔軟に対応できるのもポイントです。

しかし、どうしてもVDMXのUIのフリーダムさには馴染めず、素材管理だけVDMXとし、レイヤー単位でSyphonを飛ばしresolumeに集約しています。MIDIコントローラーのアサインやミックスやエフェクトもresolume側に寄せています。

とはいえ、2つアプリを使うのはリスクがあるので、今後はVDMXで完結できればいいなとは思っているのですが。。理解できる日は来るんだろうか。。

素材管理アプリ

自分は映像制作に素材を活用をすることも視野に入れ、素材管理しやすくなる「Eagle」という非常に素晴らしいアプリを利用しています。(デザイナーが画像収集目的で利用するソフトなのですが、動画も対応しています)

このソフトを使い、フォルダ分けで「どこから手に入れたか」、さらにタグ付けで「どんなジャンルの素材か」を把握できるようにしています。

Eagle で映像素材管理

サムネイルをマウスオーバーすると、mp4動画ならば即時再生も可能です。
なので、一旦すべての素材は高ビットレートなmp4で保存するようにしています。(アルファチャンネルありでの管理は割り切りで諦めてます)
あとはサムネイルからの色情報から絞り込みも可能です。

青色に近い紫色で絞り込み

MIDIコントローラー

最初は nanoKONTROL2 + LaunchPad X を使い、
その後に APC40 MKII を使ってましたが…

持ってると「すげー!」と言われがちな APC40 mkII
  • デカすぎて持ち運び辛い

  • アサインが使いこなせず(特に右側)無駄なスペースを取る

  • ボタンがパッドではなく押し込む必要があるのでリズムよく押せない

という課題から、nanoKONTROL2 + LaunchPad X に戻しました。
特に LaunchPad X がリズム合わせてポンポン切り替えるプレイに最適で、自分のスタイルにあってる気がしたので、しばらくはこのままになりそうです。

nanoKONTROL2 + LaunchPad X

映像

VJ素材を探す

(ここで言うVJ素材とは、商用利用可能な映像素材です)

BeepleとかBOOTHで購入するあたりまでは、まずは誰もが通る道かなと思いますが、その先のハードルが高すぎる気がしています。

とりあえず現状は各種動画定額ダウンロードし放題サイトを転々としています。"VJ素材"とかで検索するとパーティクルやトンネル系素材はいくらでも手に入りますが、重ねて映える素材だったり、素材自体にカッコよさを求めだすと、あまり良いのが見つからずで、これもそろそろ限界が近いかなと思い始めてます。

やっぱりVJ Loopsなりresolume footageとかの販売素材を買っていくしかないか?でもめちゃ高いんすよね。。ブラックフライデーに期待するしかないかな。

あとは、何でもかんでも収集してしまうのではなく、厳選することも大事ということにも最近気づきました。プレイ中「あ〜この素材、ダサい…」と思ってしまうとテンションがダダ下がりになるので、いつ出力しても恥ずかしくない素材だけを手元に置くようにしています。

自作する

自作でVJ素材を作ることは、正直キリがないと思っているので現状はあまりやってないのですが、(ロゴやイラストが共有されている場合のみ)パパッと作れるレベルでイベント専用VJ素材は作るようにしてます。DJ交代などの転換時やトラブルがあった時のふた絵、そして締めのシーンでも使えてイベントにも流れのメリハリが出ると思うので。

とはいえ、息をするように自作で素材を作っているっぽい人のVJはやっぱり個性がありインパクトがすごいなと思うので、憧れです。今後は素材を探す時間を削ってでも自作するチャレンジはしてみたいですね。

エフェクトで頑張る

用意する素材の数も限界があるので、飽きないVJのためにはエフェクトを駆使するのも大事です。自分はレイヤーごとに「色相変更」「左右対称ミラー」「フラッシュ」あたりはできるようにはしていて、それにプラスして全レイヤーに対してエフェクトを足せるような構成にしています。

resolumeには結構デフォルトでエフェクトがたくさん用意されていて、それをLaunchPad Xから発動できるようにしていますが、エフェクトを複数組み合わせたり、BPMシンクで自動で切り替えたり…みたいなこともちょいちょい試しています。まだまだ奥が深そうです。

現場で感じた課題

アニソンVJできますとは言えない

アニソンVJはリップシンク技術はもちろんエンタメ知識がないとなかなか厳しく、かつ、映像集めもシェアできる仲間やコミュニティがいないとまあ無理かなと思います。(YouTubeのPinPでなんとかなるやろ〜と思ったら大間違いでした)
なので、自分は軽率に「できます」とは言わず、事前のセットリスト共有が無い場合は基本断ることにしています。

といいつつ、「絶対アニソンVJはやらねぇぞ!」と決めるのではなく、イベントの空気や気分、自分の好きな曲が流れたときだけ出すようにしてます。DJからもお客さんからも「エラい!」と褒められるので、楽しい。楽しいのが一番。

ワンオペVJは無理

安定性を求めるなら、絶対に1フロアに複数人VJは必要だと思っています。1人で6時間以上立ってPC操作できますか?っていうといい歳のおじさんにはなかなか厳しいです。

「自動で映像を出すだけでいいんで!」と言われても、DJネームを差し替えたり、何か起きた際の作業は必要で、結局ずっとPC前に貼り付けになってしまいます。

自分は腰をすぐ悪くする上に膀胱極小頻尿男なので、何かあったときに交代してもらうためのも、1人は絶対につけてもらうようにお願いしています。
(それが無理なら、特定のDJで短時間での出演とさせてもらったりしてます)

リスクを取るか、取らないか

その場のアドリブで「音楽に合わせたタイミングでレイヤーやエフェクトを切り替える」とか「多重にかけまくる」などして、カッコいい映像を出すのはVJの醍醐味だとは思うのですが、複雑な操作はミスが出やすく、リスクになってしまうシーンもあります。

パニクりやすい自分の性格上(特にクソデカ現場や商業になると)予測できない映像が出力されてしまうリスクを避け、レイヤーを重ねすぎたりエフェクトを掛けすぎないようにしてしまうこともあるのですが、それはそれでクラブ向けではない飽きるVJで、ただの映像素材ポン出しマンになりがちなのが悩みです。遊び心、思い切りや腹をくくる度胸とかメンタル的なものも大事な気がします。

シンプルに自分がビビリなだけなのかもしれないですが、凄腕クラブVJさん達はどのように多レイヤーの映像をコントロールをしてるのかは未だに謎が多い部分ではあります。現場経験の違いはもちろん、コンポジションの作りの違いもきっとあるのでしょうが。

1年間の総括

素材集め、機材費用、拘束時間、リスク、メンタルなどなど考えると、あまり真面目に向き合いすぎるとしんどさが勝ってしまうな、と思います。正直、「本当にお前はVJに向いてない性格だな!」と自分自身で思いながらやってます。

それなのに1年間VJを続けられた理由は、本業(エンジニア)や日常生活では体感できない緊張感、バッチリ音楽やイベントにマッチした映像を出せた時の感動、オーガナイザーや出演陣やお客さんから感謝される言葉、そもそもクラブ自体が楽しい、他人のお金でお酒飲みたいなど、オンラインで作品を公開するだけでは得られなかった体験や栄養はめちゃくちゃあるからなので、なんだかんだでぼちぼち続けていきたいなとは思います。


先輩達からするとツッコミ所も満載って感じになってそうで恐縮なのですが、何か発見があれば幸いです。VJを続けてたら、2周年でまた記事を書くかもしれないです。

あおお/A-ZERO (@AOO_A_ZERO)


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