家に不審者が入ってきた時のサイト防衛

VAROLANT、縮めてヴァロ。

FPSゲーム群雄割拠の時代である。APEXや荒野行動、COD、フォトナ、最近ではThe Finalなどの人気作が連なる中、ヴァロの面白さは陣取りゲーム的要素が組み合わさるのが特徴。お互い打ち負かすことだけが全てではなく、攻撃側が持っていく時限爆弾を設置してタイムアップまでに手出しさせなければアタック側の勝利、もしくはその爆弾をエリアに設置させられても解除したらディフェンス側の勝利という要素が絡む。FPS特有のエイム(銃の照準)をフィールド移動中敵に出くわしても必ず倒せるかですら難しいわけだが、それに陣取りゲーム要素という思考力も問われるのが醍醐味である。
キャラクター及びフィールド、銃の種類も沢山あって、それぞれ把握しなければならない知識も多い。しかし初心者向け動画を参照に学びながらやっていくと銃そのものについては多分そんなに考える必要はないが、地形の特徴やキャラクターのスキル、立ち回り、ラウンドの勝敗に応じて武器を買う判断力、サイトへのエントリーのタイミング、防衛のポジショニングを把握するのがとても難しく、人を選ぶゲームだと思っている。YouTubeにあるプロのコーチング動画による学習とその実践を1人で黙々と練習して初めて楽しいと思えるゲームなのかもしれない。ただ、かけた時間の分、努力の成果がfpsの中でも見えやすい。それに倒されたらゲーム終了&ニューゲーム、ではなく基本ルールとして先に13勝したら勝利となるため、倒れたらそれっきりとはならない。そのゲームで1敗しても再びチームは復活して同じ敵チームに挑む。前の試合を受けて、どう相手は行動してくるのか、先読みして対策を練って動く。長く向き合うからこそ、大どんでん返しも可能。なので、ひと試合は大体30分前後はかかるだろう。本当に試合のようだ。

じゃあ今回はヴァロのゲームの話かって……?いや、違う。その要素を絡めた、僕の日常から膨らませたお話だ。
この間祖母の家に行った。少々手伝いをして、ぼんやり過ごしてるとヴァロやりたい欲に掻き立てられた。早く家に帰ってやりたい、今すぐやらせてくれ!エリアを制圧、もしくは防衛の練習させてくれ!…そうして衝動に駆られている一方、ふと祖母宅の間取りを想像してみた。
よく見たらリビングはまるでサイトのようだった。そこからキッチンまでのルート、寝室のルート、廊下の階段をつたって2階の物置部屋がふたつ。
ここで、もしこの家に不審者がきてどう防衛するかを想像してみた。玄関という名のメインからか、勝手口からか。加えて庭からだとすぐリビングが見れるので、そこはショートになるだろうか。
これはヴァロのフィールドよりも圧倒的不利な状況だといえる。なぜならリビングのサイトひとつに対して3ルート、しかも裏取りが平気でできる構造となれば我々家族の防衛側は不利だ。ただ玄関は少し高低差があって狭いので、玄関ラッシュなら行動を止めやすい。しかしそういう甘い想定は1番いけない。
もし複数で同時に襲いかかるのなら、挟み撃ちの構図にした方が有利だ(玄関で1人、勝手口に1人など)。守り側は監視する目が増えるし、マンパワーも分散される。防衛側はどうすればいいのか。
まず事前に監視カメラは必要だ。玄関はもちろん、勝手口や庭も。では監視カメラ置けるのがひとつだけなら?そしたら裏口にあたる勝手口か日中カーテン閉めなければ丸見えになってしまう庭回りだろうか。正面突破が無理なら脆弱そうな後方から狙うのは皆様も予測できるでしょう。よって裏取りは相手の攻撃チャンスになる。しかしそこに監視カメラが置かれれば、相手は警戒する。それでも裏から入る人もいるだろうが、基本リスキーである。(不審者にカメラ壊されたら警察に通報が即伝わるシステムが導入されてたらいいのになー。既にあるのかな?)ちなみにヴァロでいうと、僕はキルジョイ好きなので勝手口よりちょっと前にアラームボット、そばにグレネード設置、ボット反応したらすぐ起動させたい。それだけでもエントリーの遅延(無理矢理突入すれば体力消耗)になる。タレットは……感度が良ければ庭と玄関見渡せる屋根の上、または塀の上に置きたい。

それはともかく、万が一家に侵入されたらどうするか。そう、リテイクだ。
まずは相手の様子を伺うのが得策だろう。敵見てすぐ突入はバトルに腕の立つ人が行うべき。それに誰もデュエリストのフェニックスのようなフラッシュやジェットのスモークを軽々と出すスキルもあるまい。ヴァロでもよく不用意に出て1人で相手集団と交戦する人もいるが、あまりよろしくない。そのルートに何人いたか情報を取るだけでも大きく貢献している。そこですぐサインを出すのがいい。「〇人きた!警戒して!」と言ったあと引いてどこかに隠れる。あとは味方の援護をできるだけ待って、バレた瞬間即挑むしかない。しかしたった数秒でも待つことで味方や警察の到着が間に合う可能性が高まる。不審者は外からいくらか偵察してるにせよ、全くの初見である(家に突撃する前の段階で、水道工事を装って中をあれこれ見られるなどのシチュエーションがあったら厳しいが、それは今回除く)。外から見えず、隠れられる場所に潜むことで、遅延に貢献できる。潜んでいれば、どこに人がいるか侵入者は分からないため、忍び足で少しずつ部屋を回ることだろう(わざと足音立ててプレッシャーをかける意味もあるとは思うが、防衛側の方がどの距離に何人いるかが分かるため情報取る点で実は有利。スマホ持ってれば誰かに「〇人は家に乗り込んでる」と連絡できる)。例えば、突撃した玄関から二手にルートが分かれるタイプなら横からかもしれないし、前方にある扉の先の右側に人がアイテムを持って立ってるかもしれない。1人だけなら、一方のルートを一旦無視して進むことになる。そういう時のヴァロで、攻撃側1人VS防衛側3人では、どれだけ恐ろしいか。ミニマップを見れば1人防衛側がやられても敵の居場所がある程度把握され、戦闘の猛者でなければどこかでアシストキルされて大体そのゲームは負ける。我々の家にミニマップ表示はないものの、きっと少し鳴る足音が教えてくれるはず。

さて、我々の世界にはヴァロでいうフラッシュやグレネードといったスキルを持ち合わせていない。でも代替できるものがある。それがそう、防犯グッズ。監視カメラはご存知だろうが、すごく明るく光る懐中電灯、踏むと音がよく聞こえる石……今日多種多様な防犯グッズが、ヴァロのセンチネルやイニシエーター、デュエリストのように我々の守りを固めてくれる。あれらが裏取り警戒も、索敵も、リテイクも、フラッシュもこなしてくれる。

そう思うと、ヴァロで培った知識や戦術は意外と為になるなと思うのである。索敵の大切さ、裏取りへの警戒、すぐに交戦するより引いて様子を伺いながら各方面に連絡して援護を待つ………追い込まれる寸前になったら隙を見て挑む。
この客観的視点は実際にプロのコーチング動画を観まくって、色んな視点を養って実践することで身についたものだ。ただエンジョイするのではなく、どうしてこうなった?このキャラは何をやる?などを突き詰めたヴァロを是非やってみてほしい。その予想が幾らか当たって、エイムも程々に上手くなった時には、きっと不審者侵入への対策も具体的に想定できる……と信じたい(笑)

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