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推しがトップスターになる

はじめに言っておくが、これはソシャゲの話ではない。アニメやドラマや小説、漫画、歌の中の話でもない。創作世界の話ではない。妄想でもない。
現実にこれから起こることである。

「来たか……」とシリアスクールに呟く心の準備をしていたはずなのに、いざニュースが出ると心臓がビョンと跳ねて「マジか……」と口走ってしまった。

現状、日本一推したい女性と言っても過言ではないとあるタカラジェンヌが、雪組の男役トップスターとなる。

宝塚歌劇団は花・月・雪・星・宙の五組と専科(オールマイティに各組の舞台に参加可能)からなる。各組は男役・娘役のトップコンビが頂点としてあり、二番手(実質次期トップ)・三番手などを含めたタカラジェンヌの数十名で構成されている。各組トップとなれるのは5人の男役と5人の娘役のみ。

推しがその一角についに昇りつめる。長く所属した花組の二番手から組替えとなり雪組の二番手へ。そしてトップへ。死ぬ。二番手がトップになるのは自明の理であるのに、やはり死を感じる。はちきれそうである。わかりきった道が見えていても実際そこへ踏み出す宣言をされると頭がばくはつしそうになる。雪組の顔となる興奮はもちろんあるが、トップになるということはいよいよ、宝塚における残り時間を考えさせられるということだ。

二番手はトップへ、トップはどこへ? そう、愛と夢と希望を振りまいての有終の美、退団である。

退団公演のショーは男役トップを送るものであるため名前などからタイトルをつけられるのだが、こうなってはタイトル大喜利与太話もしていられない。現実が目の前にあるからだ。

楽しい話をしよう。トップになったら、いち観客としては何が変わるのか?

これまで通り、宝塚大劇場での公演にはきっちり通う。複数回観劇や東京宝塚劇場公演のための遠征などは特にしない。基本的に一回観れば満足する方だからだ。たまたまチケットが複数とれたらその時は甘えるが。後は公演ブルーレイで好きなだけ見返す。このあたりは平和な感じだ。

大きく変わるのはグッズ展開だ。男役トップは自身がデザインを監修したグッズが出る。これはもうそういうものなのである。グッズ製品の種類は各組共通で、そこにどんなデザインが載るかが違ってくる。とうとうd監修デザイングッズが出る。(※dというのは推しの愛称が「だいもん」なのでそのイニシャルのdである。検索避けとかちゃんと呼ぶのが恐れ多いとかそういう奥ゆかしさからの一文字呼称だ。ニンジャでも同じようなことをしているのでなんとなくわかってもらえると思う。)

グッズはヤバイ。香水とか出たらヤバイ。「推しだから」という理由でついに香水に手を出してしまうかもしれない。それもお出かけの時などではなく部屋にいるくせにちょっとつけて悶絶するかもしれないのだ。ヤバイ。容易に想像できるのがヤバイ。枕につけてもヤバイかもしれない。あっマジでヤバイ。

そしてなんか最近は男役トップのイメージビデオ? ミュージックビデオ? 的な円盤が出る感じになってきている。こっちは鼻血が出そうだ。個人のアルバムとかも出るだろう。dは歌がドッチャクッソに得意なので期待どころじゃ済まない。脳に効く。いずれ過去出演作品まとめ円盤だとかインタビュー掲載記事まとめ本だとかそういうやつが出るだろう。

私はdについてはにわかで花組での最後の公演であるエリザベートから名前を知ったクチなのでそれ以前の作品(一部布教してもらったものもある)まで知ってしまったらしんどい。これはしんどいことになる。円盤より本がしんどいかもしれない。インタビューとか写真とか。正直観劇歴はやたらと長い(小学生の頃から連れていかれていたので多分20年弱だ)が作品以外のことに意識を向け始めたのはそれこそエリザベートからなので雰囲気で憶測を喋っている。ふわふわしている。

dとまあやさんがトップになったらマジでファントム演るんじゃないのかこれブリリアントドリームプラスネクスト公開収録のアレが……home歌っちゃうのかな……大劇場でdが本気でファントム衣装着ちゃうのかな仮面つけちゃうのかなあっファントムというのはオペラ座の怪人のアレですうわあああん

しんどい。私が石油王なら全額自腹で映画館なりを貸し切ってエリザベートとかるろ剣とか上映会するのに。あっるろうに剣心の宝塚版は雪組でやったんですよdはオリジナルキャラで剣心の敵として戦ったんですけど最高でしたねそもそもちぎさん(現トップ)の剣心がすんごい出来だからねさきひさん(現娘トップ)の薫ちゃんもベリベリかわいかったし今の雪組トップほんと素晴らしいんだよ~~も~~~なんで退団してしまうの~~~さみしい~~~~~ありがとう~~~~最後まで見届けるからね~~~~~~~~