麻雀 クリスマスの秘密。
何十年か前のクリスマスイブイブ
雀荘で
「お前らクリスマスまで雀荘かよ?」
と言っていたTというサラリーマンがいた。
私は
「うす…イブイブす…。」
と、むこうぶちのナシナシが得意な力士みたいな答えをした。
「イブイブだろうと関係ないわwww」
「うす…。あなたは予定あんすか?」
「お前…女だよ。そりゃ。」
「なるほど。」
と、まぁそんな事を言われたら雀荘には行きづらくはなる。
クリスマス当日はその街とは離れた雀荘に行くことにした
扉を開けると
Tがいた。
「え?」
と言うと彼は更に気まずそうにしてた。
何本か打つと
「青木君。飲みにいくか。」
と言われてラス半をかけた。
飲み屋で
「あの…今日、クリスマス…。」
「嘘なんだ。」
「…。」
「彼女いるなんて嘘なんだ。見栄を張っていたんだ。黙っててくれ。」
「いや、なんだろ。あなたは誠実すよ。フラレたとか用事ができたとかいくらでも嘘つく事が出来るじゃないすか。それなのにちゃんと謝ってくれた。あなたは誠実な人す。」
「ごめんね。クリスマスに雀荘いるなんて馬鹿にして。」
「忘れます。それ以上は男を下げます。」
そして彼に飲み代をご馳走になった。
で、あれから何十年か経過して
ばったりTとあった。
彼は子供を肩車して、お父さんになっていた。
私は笑顔で声をかけて
「ひひひ。ちゃんとクリスマス楽しんでますね。」
というと
「お、おお。あの時はありがとう!」
と笑っていた。
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