YCSJのデッキ選択・構築メモ
●前提条件
YCSJが普段のCS等と異なる点は2つ
1.シングル戦である
文字通り
2.参加層
普段のCSは遊戯王を競技的に楽しむコアな層がメインなのに対し、YCSJはCS層~普段公認大会出ない層など様々
●デッキ選択
前提条件から考えてみるデッキ選択
前提条件をデッキ選択に当てはめてみる
1.シングル戦である
=マッチ戦特有のメタカードを考慮しなくてもよい
文字通りなので割愛。代表的なカードでいうと、ドロール・わらし・割りもの・拮抗等
=1回の事故が命取り。
シングル戦でもマッチでもデッキは事故らないのが一番だが、マッチ戦では一概に事故率が低い方が勝つとはいえない。
例えば
デッキA:3回のうち2回は出力が100だが、3回に1回事故って出力が0になる
デッキB:3回のうち3回出力が80である
となるデッキが存在し、3本勝負をする(出力を比べる)場合
100vs80 100vs80 0vs80 となりデッキAが勝利する。
しかしシングル戦のYCSJおいて、デッキAは予選で8回中2、3回負ける可能性があり安定してトーナメントを進むことはできない。
ではデッキBが正解かというと、この条件だけでは正解とは言い切れない。なぜならデッキBを使用して予選中にデッキAと当たり、その出力が100だった場合負けてしまうからだ。個人的な結論はデッキBなのだが、その理由が次項の2.参加層に続く
2.参加層
=デッキタイプが様々
先ほどのデッキを競技環境の立ち位置に例え、デッキAはTier1、デッキBはTier2のポジションとする。
CSでは予選4回中3回当たってもおかしくはないTier1デッキだが、YCSJではどのくらいの割合で遭遇するか。
経験の話になってしまうが例を挙げてみる
2022大阪 ティアラメンツ環境の場合
Tier1:ティアラメンツ
ティアラメンツの強さ・分布:パライゾスやティアクシャ発売で圧倒的Tier1。ティアラメンツを使わないならティアラメンツに強いデッキでないといけないレベルの環境
↓
YCSJの分布:自分の場合6-2予選落ちで8回中3回遭遇。自分が負けた相手はどちらもティアラメンツのためトーナメントでは多い模様
2023名古屋 ポプルス発売直後の場合
Tier1:R-ACE
R-ACEの強さ・分布:圧倒的なTier1ではないが、他のデッキとのパワーの差はあるためマッチ勝率は高い。サイド後の柔軟性も高い。
↓
YCSJの分布:周りの結果を見ると、予選では1,2回遭遇。3回は多い。トーナメントの分布はかなり多かった模様
余談:このメモを書いているのはこのYCSJの直後なので追記するが、環境2番手以降のピュアリィ、炎王、ラビュの予選での遭遇率は平均1回、2回は多い、3回はレアケース の印象
以上のような遭遇率になっていた。
この経験から考えると、"Tierが高いデッキと当たる確率はCSの2分の1回くらい"と考えられる(あいまいだが)
また同時に、参加層が様々≒練度もまちまちとなる
話をデッキAとデッキBの話に戻す。
これらのことから言えるのは、
YCSJの予選では、遭遇率的にデッキAと当たる確率が低く、当たったとしても練度的に出力が100ではない可能性がある ということだ。
なので、デッキBを使い、CSや調整でデッキAに勝ち越せなかったとしてもデッキ選択から外さなくてもよい。 特に先攻ならある程度勝てるような場合は (先攻後攻でも全然勝てない場合は考えなければいけないが)
要するにデッキパワーが低くても安定感があるデッキを選んだほうが良い
以上を踏まえて、良いデッキ・悪いデッキを抽象的な印象で上げてみる
良いデッキ
・このデッキ1本目は先も後もまあまあ強いけど、サイド後入る〇〇がきつくて負けるなあ
・このデッキ安定するけどパワー低いなあ、CSだとTier1にパワー負けするなあ
悪いデッキ
・このデッキTier1だけど、たまにありえん事故おきるなあ。マッチは勝てるけど
経験から感じたデッキ選択・構築
以降はYCSJに何回か出て思ったことを列挙していく
前項と共通するが強みの多さよりも弱みの少なさが大事
1.後攻も強いなら罠デッキが一番良い
イメージ的には真竜、エルドリッチ、神碑、ラビュリンスのようなデッキを指す。
罠デッキの強い点は
事故るゲームが少ないというYCSJにおいて最重要なメリットがあることである。
"事故るゲーム"と称したのは、この"事故"が初動が無い手札事故以外も含むからだ。
以下を事故るゲームとする
1.初動を引かない
2.初動に誘発を食らい動けない
3.次ターン以降に初動を引いたが妨害されて動けない
これらを考えたときに、罠デッキは2と3のパターンが少ない。
真竜はアドバンス召喚、エルドリッチはエルドリクシルや黄金郷を開いて戦線維持、ラビュリンスはウェルカム罠を起動
これらが初動になっているため、手札誘発を食らいづらい。また、罠や永続で相手の動きを封じ込めるため、3の"次ターン以降"のチャンスが多く、誘発が食らいづらいことも相まってトップで引いた初動も生かしやすい。
ここまでは罠デッキの利点を話してきたが、後攻も強いならが満たせない場合は素直にやめた方が良い。
環境に魔法罠無効の妨害がある場合や魔法罠を触るギミックが存在している場合は要注意。
真竜で優勝したYCSJはドラグーン環境だったが、黙示録・スキドレ・魔鐘洞でドラグーンの回答があり、リリーサードラグーンの盤面が簡単に超えられた=環境デッキ相手の後攻でも戦えたのが勝因といえる。
2.G受けが悪いデッキはやめた方がよい
誰がどのタイミングで打っても機能する最強の誘発のため、打つ側に求められる要素が少ない。採用率もほぼ100%
打たれて通ったゲームが著しく苦しいデッキはやめた方が良い(妨害を作るまで特殊召喚回数が多いデッキ等)
個人的にG受けが良いとは、Gを食らって作れる妨害数≧Gのドロー枚数 となることが目安だと考えている。
3.誘発1枚で沈む印象が強いデッキは要検討
ニューロンでお試しドローをし、誘発(うらら、無限等)を1枚打たれたら止まるなぁが頻発するなら要注意。
マッチ戦では次があるがシングル戦では巻き返せない。
4.不要札は少なく
R-ACEでいうラドン展開のジェット・オライオンのポジションを指す。
これまでの話と同様に、リターンよりもリスクを考慮しようという話。
これまで使ってきたデッキパワー・出力という言葉にもデッキ内の不要札の枚数が関わってくることが多く、基本的に不要札は展開のリターンを伸ばすために採用される。
YCSJでは基本的にリターンを伸ばす必要がないので極力不要札を減らすor不要札が無い代わりにパワーが低いデッキを選択しよう。
(マッチ戦ではサイドチェンジでパワーの高い後攻札が採用される可能性も高く、先攻でのリターンを求めなければいけない場合もあるため話は別)
5.1枚初動+誘発+その他 構成は要注意
例えばこのような見た目のデッキ
あくまでデッキ構成の例、十二獣(初動)+誘発+その他(壺や羽根サンボル等)
個人的には好みなデッキ
「初動枚数も多いし、誘発も入っていて後手も強いからYCSJ向けじゃない?」と思うかもしれないが、YCSJには向いてない場合がある。
初動枚数が多い
→これはYCSJとは関係なく、1枚初動デッキ特有の性質の話
1枚初動デッキの強さは、初動の多さではなく初動を重ね引いたときの踏み越え性能に寄る。
例えばで提示した十二獣は悪い例に当てはまり、初動をいくら引いても1ターンに盤面に出せるモンスターは会局を引かない場合1体のみである。
1枚初動デッキを使うならこの会局にあたるカード(妨害を食らったら後にリカバリーが効くカード)がどれだけあるかを重要視するべき。
誘発が多いから後手が強い
→この点がYCSJだと正しくもあり間違いでもある。
例えばこのような手札を引いたとする。
誘発を打って止めて返し展開する理想的なプランを取れそうだが、逆に言ってしまえばこの誘発の上から妨害を構えられた場合どうなるか?
(例えばR-ACEの展開を止めたと思ったら罠を素引きされていた場合や、無限泡影を引かれて伏せられていた場合など)
その想定をすると羽箒以外にライスト等も採用したいが、別の想定として誘発で動きを止めたけど相手の前盤面に妨害が残っていた場合はどうか、などが考えられてしまう。
よって誘発の部分でなく初動の部分に踏み越える能力がある方がYCSJでは高い勝率を出すように思える。
結論、YCSJの1枚初動デッキは
"膨大な誘発や後攻札で相手の展開を止めつつ1枚初動を通せるデッキ"
ではなく
"引いた誘発と後攻札で相手の妨害を無くせなければ1枚初動が通らない可能性があるデッキ"
の側面が強く出てしまう可能性があり、誘発と後攻札の採用が難しくなる。
マッチ戦のサイド後はこの誘発と後攻札を各対面に合わせて強味を生かしやすいが、シングル戦だと様々なデッキの対応をしなければいけないため頭を悩ませることになる。
6.誘発や後攻札はほどほどに。頼るべきは誘発ではなくギミックの踏み越え性能
前述より、YCSJではTier1以外の様々なデッキが存在するため後攻は誘発や後攻札ではなくギミックで踏み越える方が確実である。
誘発や後攻札が多い方がデッキの見た目の安心感があるかもしれないが、偽りの安心感を与えている可能性がある。
優勝者の傾向として誘発+後攻札は11枚程度が良いのではないかと考えている。もっとも後攻札は1強でないかぎり強弱のムラがあるため誘発の方が良い場合の方が多い。
7.超融合入れられるデッキは評価+
これまでと毛色が異なり、プラス評価になる要素。
ガルーラの採用で融合範囲が増えた今、あらゆるデッキの先攻展開を捲る可能性を秘めているといえる。環境によっては採用を検討するべき。
●おわりに
やはり公式のシングル戦は、非公式のマッチ戦とは大きく異なる。
CSの結果や身内間のマッチでの調整の結果は一つの指標にとどめなければならず、多少負けたとしても切り捨てない判断が大事である。
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