読書高等学校(入江貴文編)①

入江貴文が、自殺するニ年前、長嶋篠一年生、恵美 先輩2年生、入江貴文2年生、の3人が在籍してた年の物語である。
この頃はまだ、音読部が存在していないため、読書部に、長嶋篠が入部してきた。
恵美先輩「正式に部員になったって聞いたけど、よろしくね」
長嶋篠「よろしくお願いします。あのう体験入部の時にいたあの男の人は、お休みですか。」
恵美先輩「貴文くんね、どうせバスケ部に茶化しに行ってるんでしょ、ちょっとしたらくると思う」
長嶋篠「そうですか」
恵美先輩「本棚から好きな本を取って読んでていいからね」
長嶋篠「ありがとうございます」
篠は愛の方舟という官能小説を、手に取って読み始めた。
恵美先輩「へぇーそういうのが好きなの」
長嶋篠「はい、いっつもエロい描写多めのやつを読んで、行為に及んでるんですけど、今回は期待はずれでしたね。」
恵美先輩「へぇーそんなんだ。例えば官能小説で好きな表現とかある」
長嶋篠「そら、もちろん、私は彼のざーめんをあびたとかね」
恵美先輩「わかる、無駄におしゃれにするやつでしょ」
その時、入江貴文が読書部に、到着した。
恵美先輩「おい、貴文新入部員が来てるっていうのに、遅刻かぁ」
入江貴文「悪い悪い、今執筆中のスポーツ小説の参考に、バスケ部に行っててごめん」
長嶋篠「バスケ部」
入江貴文「そうバスケ、もしかして興味あるの」
長嶋篠「まったくない」
恵美先輩「そっか、女の子だもんね」
長嶋篠「別に、そういうことじゃなくて、単純に興味がない」
しらけた空気に耐えかねた貴文は、「そういえばさぁ、恵美お前また身だしなみチェック引っかかたらしいなぁ」と言ってみた。
すると恵美はむすっとした顔をして、「うん化粧してるのバレちゃって、さぁほんとだるかったわぁ、強制的にすっぴんにさせられたしほんと最悪」と言った。
貴文は、「やっぱりなんか雰囲気違うなと思ってた」とぼそっと呟くと、篠を呼びつけた。
篠は急によびだされて、唖然としていると、「あぁ言うことを女の子に言うのは、やっぱり無神経かなぁ」と貴文が聞いてきた。
篠ははっきりとそうですね無神経ですと、言うべきか悩みながらも、化粧するのが嫌いな自分からしてみたら、どっちでもいいやと思い「無神経じゃないと思いますよ。化粧してる人って、本当の自分を隠そうとしている人なんじゃないかなと思いますし、」と言ってしまった。
貴文は、感慨深い顔をしながら、納得したように相槌をして、「やっぱりそうなんだ。篠ちゃんは、化粧とかしたりしないの」と聞いた。        この質問をきいた篠は、あそこまで言っているのに、化粧をするのが嫌いだと察してくれない鈍感さに少し呆れながら、「そうですね普段はしないです。邪魔くさいので、先輩は化粧をするような活発な子が、好みなんですか。」と攻め入った質問をしてみた。
貴文は、少し返答に迷いながら、「うん、そんな子の方が好きかな」と呟いた。
すると、廊下で二人がひそひそとおしゃべりしているのを、教室の中で見ていた恵美は「新入部員をナンパするなんて、ほんとやることが早いわね入江貴文くん」と二人に聞こえる大きな声で言った。
貴文は、「ナンパじゃなくて、ただ単に、好きな小説について語ってただけです。」とすっとぼけると、話を合わせて欲しいと顔で篠に訴えかけた。
恵美は、「だったら、篠ちゃんの好きな官能小説の一節を答えてみなさいよ」と嘘を見破ってやろうという心意気で質問した。
貴文は困惑しながら、「1ヶ月に出せる薬の量が決まっているので、もう薬を出せませんと言われた時に、この皮膚科を燃やしてしまえと思ったが、私は女の子の体を堪能するまでは、犯罪者になりたくないので、グッと我慢した。いっそうこの皮膚科医の膣の中に、いちもつを突っ込んでやろうという気にもなるが、私の好みではないため、悩んでいる」と適当なことを語り出すと、恵美が「なにその官能小説、ちょっと即興で作らないでくれる」と少し引き気味で、突っ込んだ。
篠はすごいという眼差しをむけて、「私も読書部に入部して、小説を書きたいです」とたからかに宣言した。
恵美がすかさず「どんな小説を書くの」と聞くと、「恋愛スポーツ小説です」と返答した。
恵美「恋愛ものだったら、私が得意だから、色々と教えてあげる」
恵美先輩の指導のもと、篠は小説を書くことを決心しました。
一方入江貴文は、担当顧問の国岡先生に呼び出されて、前に応募していた閻魔の星が落選したことを知らされました。
国岡「落選したんだけど、優秀な作品だから、本にすることになったんだよ。普通はありえないんだけどね」
入江貴文「ありがとうございます」
国岡「次回作のバスケの話も期待してるからね」
入江貴文「はい」



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