トゲトゲした仮面

古代仮面部族の歴史に、呪いの仮面についての記述が存在していた。
呪いの仮面は、トゲトゲとした心を投影した表面をしており、つけるものによって異なる表情をみせると書かれている。
「この呪いの仮面が今も存在しているとしたら、僕がつけるとどういう姿になるか気になる」
村瀬は、本を読みながら、独り言を呟いた。
すると、村瀬の独り言を聞いた図書室の先生がやってきて、「そこに書かれている呪いの仮面、この学校から近い美術館で、近々展示されるそうよ」と声をかけてきた。
その後、先生の話を聞いて、その仮面を見に行くことにした。
美術館に、足を踏み入れると、仮面部族の歴史についての、紹介がされていた。
本当の顔を家族以外の人間に知られてはいけない約束を交わしており、秘密裏に活動をしていた部族、一族の長老が晩年病に侵されながら、作ったとされるのが、呪いの仮面である。
そして、ケースに入れられた本物の呪いの仮面を、みることができた。
「この仮面を、欲しているか、さすれば力を与えてやろう。苦しみから逃れ新たなる人生を歩むことが出来るぞぉ」
仮面から、聞こえてくる不思議な声に、誘われて、仮面を盗んでいた。
私は、新たなる人生を歩むこととなったのだ。

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