吾輩は無知である。

「君は知るべき立場に無い」
という台詞を耳にした。

世界は広く深く、
自分の見える景色や
手の届く範囲、
足を向けられる先などは高が知れている。

以前、私から見たら事業に成功して裕福だと思う紳士と話をした際に、
「自分の様な貧乏人は…」とか
「私は大きな成功していないから」など、
自分を卑下する発言を度々口にしていて、
当時は本心ではなく皮肉か謙遜を込めて言っているのかと思ったが、
きっと本当にそう思っているのだろう。

世界には大富豪から貧しい人まで本当に沢山の人が生きている。
自分の身の回りでとんでもなく稼いで贅沢を極めている様に見える人であっても、
世界レベルで見たら鼻の先にも掛からない様な存在だったりする。

要は上には上がいるのだ。

そしてその上の人間は下の人間などはなから相手にしていない。
それもそうだ。
上に行けば行く程、仕組みや関係は複雑になる。
それを理解出来ないからそれ以上は上がれないのだ。
そんな人間に理解を求めた所でわかるはずがない。
文句を言うのは簡単だと思う。
自分の立場から意見を言うのは簡単だ。
でも、君が描く意見の先にはまだ考えもしなかった壮大な世界が待っている。
それを踏まえて、意見が言えるだろうか。

「無知の知」という言葉がある。
あのソクラテスの哲学概念だ。
知らない事を知らないと認識する事。
そこから知への探求を始める事が大切なのだと思う。
新しい事を始める時、
常に探求と勉強に明け暮れる。
本を貪り読み、経験者から沢山の話を聞く。
そうやって世界を広げて行くのだ。
少しでも遠くを見られる様に。
あと少し手が伸ばせる様に。
次の一歩が踏み出せる様に。

自分が知るべき立場になる時、
きっとそれ以前の自分と同じ意見を持つ者に

「君は知るべき立場に無い」

と言い放つだろう。

知らない事を知る。

その先の行動と意識次第で、
同じフィールドに立てる人になるのだ。

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