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たい焼きと抱っこ


お気に入りのたい焼き屋さんがある

そこは1匹ずつ焼く昔ながらの作り方でお店に行くと大体2~3人並んでいる

型はおそらく15個程

パカッと開いた型におじちゃんが油を塗り、生地と餡子をのせてぱたんと閉じる

それを隣にいるおばちゃんが受け取り焼き台に入れ、場所を移動させながらじゅんぐりじゅんぐり焼いていき1番右側までたどり着いたら完成







今日も小腹を満たすためにたい焼き屋さんへ

前に2人、気付けば後ろにも3人ほど

10分ほどかかります〜と前の人が言われていたのでスマホも見ずに(珍しい)リズミカルにたい焼きが出来上がる様子を眺めていた


おじちゃんのが少し丁寧でおばちゃんのが大胆ねえなんて思いながら

一連の流れを見ていたら店内で食べたくなってきた

ようやく前の人が買えて次は私の番

一匹ください、と200円


「焼きたてで熱いので気を付けてね。またお願いします。」


そんな一言が妙にうれしい




椅子に座りあちあちのたい焼きを頬張りながら並んでいる人たちを見ると、うちの親より少し年配なご夫婦がお孫さんを抱っこしながらたい焼きを待っている


おばあちゃんが孫を抱っこしながら、何個買って帰ろうか?1人でひとつ食べられるかな?なんて話しかけていて
お店のおばちゃんもその子にこんにちはと声をかける
その子もこんにちは、と返してあらいい子ね〜と




思わず泣きそうになった



うちの親より少し上だけど、その子のパパママはきっと私と同じ位もしくは若いだろう




私は何をしているんだろう
彼はいるけどこの人と結婚していいのかな、とすごく迷いが生じている
でも迷っている時間が残されている年齢ではない
母の友達は孫がいる人達が多い
私に言ってはこないけど父も母も孫が欲しいんだろうなと感じる




きっと当たり前のように経験出来るだろうと思っていたであろうことを経験させてあげられるか分からなくてごめんね



たい焼き食べながらこんな切ない気持ちになるなんて思わなかったや









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