忘れた

あんなにずっと覚えていたある人の誕生日をきれいさっぱり忘れていることに気付いた。
時間だけが全てを解決してくれるとはいうけれど
解決してほしかったことが解決した後となっては、時間はすべてを忘却させるものでしかない。
別に全部を失うわけではないにしても
誕生日というのは結構大事なものだと思っているから
その人の存在の記憶を1/3ぐらい失ったように感じる。
そういえば声も顔ももうあまり思い出せないかもしれない。
あの人はどんな顔で笑うのだったかしら。
もう会うことはないとはいえ、記憶の中では生きているものだと思っていました。

(追記)
連絡先を見たら誕生日を登録してあったから日付はわかった。
だからといって何がどうなることはない。
しかし、無くても良いものだろうけど無くて良いというわけでもないようで。
見つけた断片を拾い上げては大事に大事にまた持っておくのだと思う。
私だけが一方的に大事に(しているように)思うことに意味があるのかもわからないけれど
それでもまだ手放しはしないのだと思う。
追いかけはせずとも、目の届くところにいることはなくとも、思いを馳せることは絶えず続くのだろうと思う。
一方的な親愛を。