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あるべき姿を追求する技術者Tc氏


Tc氏の技術を追求する姿は尊敬に値する。いいかげんなものを世に出してはならないという技術者としての想いが静かなTc氏の言葉の中からも溢れる熱い想いとして伝わってくる。
技術論議があまり好きではない人にとっては苦手な人もいるかもしれない。
「なぜなぜおじさん」と思われてしまうこともあるかもしれない。
生産性のない「なぜなぜおじさん」と大きく違うところは議論のゴールがあり、良いものを生み出すにはどうしたらいいか?それに対する疑問を提示するだけでなく解決策や提案をセットで導いてくれるところである。
延々とただ「なぜなぜ」するわけではない。
技術論議によって若手を育てようという気持ちが伝わってくる。やり方を一方的に押し付けることもなく、代案を提示しつつも完全に間違いでなければ若手自身で方針を選ばせる。大抵は提示された代案の方が効率的にも効果的にも優れていることが多いのだが、間違っていなければ認めてくれるそんな技術者だ。
そうは言っても簡単にはOKなど出ない。
論理的に説明し、背反事象の検討、バックアップ案などもしっかりと提示しなければ納得してくれない。1回でOKが出たことなど数える程だが、OKされたときの達成感は絶大だ。こうして磨いた提案は実際のモノ作りに入っても失敗は少なく効率的に開発が進む。今風に言うとフロントローディングというやつかもしれない。
何もシミュレーションとか高尚なことをしなくても、最初のうちにしっかりと考えて考えて考え抜き、長所・短所、代替案を考えておくことで後工程での停滞ややり直しをかなり削減できるようになる。
形式だけ大層な流行りのことをしていても決して良い製品が生み出されることも、開発効率が向上することもないのだ。

こういった昔ながらの技術者のおじさんを苦手にする人もいるだろう。
しかし、私はともて好意を持っているし、育ててもらえたと思う。技術自体のスキルアップ以上にモノの考え方、仕事への取り組み姿勢など、生きていく上で必要なことを学べたと思う。
最近ではこういう昔ながらの技術者のおじさんは減ってきたように感じる。
会社が大きくなるにつれて技術を磨くよりも外から買ってしまおうという流れがあるからかもしれない。
せっかくの技術を伝承できるチャンスなのにとても勿体無いことだと思う。

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