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ゴンドウトモヒコさんのソロアルバム以外も好き(ライブ映像編)

 最近、ゴンドウトモヒコさんのソロ名義のアルバムの感想を書いているが、勿論ソロ以外も色々と好きなので、そういう感想も少し書いてみる。活動が多岐に渡る為あまり多くは追えてはおらず、とは言え書き出せば長くなりそうな気もするので、「Youtubeでオフィシャルに公開されているライブ映像」に限定して幾つかピックアップします。


ファンになったのは…【METAFIVE】

 私はゴンドウさんのファンになって日が浅いが、きっかけは2020年頃に聴き始めたMETAFIVEだ。ゴンドウさんの事は以前から存じ上げていて(後述)、METAFIVE自体も2015年の音泉魂で観ている。ただ、当時はそれほど惹かれず、様々なリスニング体験を経て2020年頃から聴き始めた。
 先日、他のファンの方から「好みからは離れていそうなのに何故METAFIVEが好きなのか」というような事を聞かれたが、ジャンルや作風云々というよりも、この音楽と編成の中にたった1人の金管奏者が居ること、が理由なのだと思う。勿論、他のバンドやプロジェクトやサポート活動と同様に、METAFIVEでのゴンドウさんの仕事は金管楽器だけではない。だが、"ホーンセクション"では無く、電子楽器主体でテクノやロックを奏でるバンドの中で金管1本で立ち回る姿は、面白く見えたのだった。そして、この感想は言うまでもなく21世紀のYMOにも当てはまる。

Don’t Move -Studio Live Version-

 ドンムーは【WINTER LIVE 2016】の映像もあるのだが、スタジオライブ版を。1:55過ぎからの8小節間、16分の連符を休符無しで連続で吹き続けているのが凄くて、ここばかり何度も見てしまう。練習すれば吹けるようになるのか、気付かないところでブレスしているのか、循環呼吸なのかよく分からない。
 あと、スタジオライブ版は中盤のボーンがpBoneなのが面白い。これぐらいエフェクトをかけるなら金管じゃなくてpBoneでも問題無し、とか技術的な理由もあるのかもしれないが、映像主体のスタジオライブだと、とにかく"映える"よなあ、と思う。ベルにステッカーが貼られているのもポップで、それもなんだかMETAFIVEっぽい。

The Paramedics (Live at METALIVE 2021)

 アルバム【METAATEM】のクレジットにはボーンは無いので、本ライブの配信時にはこのアレンジに驚いた。こちらはエフェクト無しの伸びの良い音が印象的だ。リスナーとしては、一度ボーンありきのアレンジを聴いてしまうと、原曲が少し物足りなく思えてしまう。


METAFIVEだけじゃなくて…【pupa】

 METAFIVEが始動した頃にぼんやりと考えていたのは、「これって、pupa、とはまた別のバンドだよね…?」という事だった。どっちがどっちだと迷っていたpupaを聴き始めたのも、結局その数年後、METAFIVEを聴いたことがきっかけである。こちらも同じく1ホーンだが、METAFIVEについてはその異色っぷりを面白がって聴いているのに対して、pupaはむしろサウンドとホーンの親和性に聴き惚れていると言えば良いだろうか。
 どちらが好きかと聞かれれば…pupaの方が好きかもしれない(どちらか選ぶ必要なんて無いのだが)。

Anywhere (Live) [2008年11月30日@渋谷CC LEMON HALL]

 pupaこそ、リアルタイムで追いたかった。pupaでもMETAFIVEと同様にフリューゲル、トロンボーン、ユーフォと使い分けられているが、この曲はユーフォの穏やかで大らかな響きが心地良い。直管楽器奏者であれば悔しがるのではないかと思う程に、ユーフォにしか出来ない、出せない音色だと思う。


ライブに行きたい①【蓮沼執太フィル】

 前述の通り、ファンになって日が浅いのでライブは数えるほどしか観た事が無いのだが、そのうち半分は蓮沼執太フィルだ。東京にも観に行ったが、味園ユニバースやビルボードでの公演は大阪でも観れる数少ない機会だった。
 特に、一昨年(2021年)12月のユニバース公演では、円形に並んだバンドを観客が囲んで観る全方位型のライブで、ホーン隊を後ろから観るという滅多にない機会を得た。至近距離とまではいかないので細かくは見えなかったのだが、ユーフォの譜面なんてあまり見たことが無かったので、五線譜から上に飛び出したような音符ばかり並んでいて驚いたのを覚えている。あと、手書きのメモのようなものが見えたことも(変拍子もので拍数が書かれていたように見えたけど、違うかもしれない)。
 蓮沼フィルのライブを観るといつも、人の手による生の演奏というものに圧倒されるが、譜面に細かく書かれたメモ書きなどは、その"生っぽさ"の構成要素を垣間見るようでもあった。

蓮沼執太フィル・オンライン公演 #フィルAPIスパイラル

 譜面の話を書いたが、この映像を見ていたら、蓮沼フィルは殆どの方が紙の譜面派なんだなあ、などとぼんやり思う。あと、人数が多くてライブだと全パートを隈なく見る事が難しく、ユニバースの時はホーン隊ばかり、ビルボードの時はリズム隊ばかりを見ていたのだが、映像だと全員を万遍なく見れるのが良い。
 五線譜から上に飛び出した音符ばかり、というのはユーフォの譜面と音域にあまり詳しくないからそう思うだけなのかもしれないけれど、やっぱり高音域は多い気がする。ユーフォの高音域は独特で、ホルンと似てるようで少し違うのだけど、蓮沼フィルに必要なのはこの音なのだろう。


ライブに行きたい②【ベーソンズ】

 大阪で観たゴンドウさんのライブのうち、もう一つはベーソンズ。ベーソンズのライブは都内や地方のイベント等であれば多そうなのだが、何故か関西で観れる機会は少ない。というか全然無い。あまりにも観れなさ過ぎるので、今年は中州ジャズに行くことにした。ジャズフェスでのベーソンズ、どんなライブセットになるのか見当もつかないが、面白そうである。

うなぎ 【ビート漫談】/ ダースレイダー & ベーソンズ

 直近ではジャズフェスに行こうと企んでいるが、本当はいま一番観たいのはこの形式だ。生配信で観ていた時は、30分超えの演奏(漫談)が体感5分ぐらいだった。リズムを崩さないダースさんの語りと、あの手この手で語りを彩るベーソンズの演奏で、途中からオチが見え始めても全く飽きる事なく最後まで笑い続け、最後の着地点で拍手喝采。


一番好きなのは…【anonymass】

 anonymassを知ったのはMETAFIVEを聴き始めた時期と近いが、ゴンドウさんの活動を調べていたからではなく、小林賢太郎さんの過去作品を追っていたから。賢太郎さんの演劇作品の音楽(*1)が気になって調べたら、ゴンドウさんのバンドだった。
 調べてみても、もう活動してなさそうだし、ライブ音源もYoutubeにアンオフィシャルにアップロードされているもの(もう削除されているが)ぐらいしか無い。リアルタイムでは追えないがせめて…と泣く泣くCDを買って聴いていたら、2022年4月に1st【opus01】と2nd【harusame】のアナログ盤が発売され、さらにそのリリースに合わせて過去のライブ映像が公開された。アナログ化も嬉しいが、ライブをしている姿など幻かと思っていたので、まさか観られるとは。
 今の一連のソロワークスでも、Vol.8【anonymous lounge】は勿論のこと、それ以外のアルバムにもanonymassの作風に近い曲は幾つかある。また、ソロアルバムには収録されたりされなかったりだとは思うが、pal'las palaceの店内BGMにも近いものが幾つかあり、[The Left Arm of Buddha]の別バージョンも使われていたはずだ。作者が同じなのだから当然ではあるのだが、こうやってanonymassの音楽の面影に今でもリアルタイムで出会えるのは嬉しい。

「Twenty-Five」live at CAY 2003.04.26

 MIDIのチャンネルで公開されたのは2003年のライブ映像。もっとラウンジっぽい様子を想像していたら、予想以上にアグレッシブで、バンドサウンドだった。
 メンバーも、こんな方々が一堂に会する場があったのか、と改めて驚く。今でいうところの、(30代~40歳ぐらいの何名かの音楽家を思い浮かべながら)あの人の周辺とかあのバンドの周辺のコミュニティのような雰囲気に近いのだろうな、などと想像してみたりもするが、anonymassのメンバーと同世代で当時リアルタイムでライブを観ていた方々を羨ましく思う。

*1…賢太郎さんの演劇作品で使われているanonymass楽曲は、KKP #1【good day house】に【opus01】収録曲の幾つか、KKP #2【Sweet7】に[Twenty-Five](9幕全ての冒頭でこの曲が流れる)、なのだけど…。【good day house】の3rd floor(第3幕)の冒頭で流れている曲だけが【opus01】に収録されていなくて分からない。その曲の青弦さんのチェロの部分がムジカ・ピッコリーノの[My Name is Bruno]という楽曲で使われているところまでは特定したので、ゴンドウさんの曲だとは思うのだが。


顔と名前が一致したのは…【道との遭遇】

 音泉魂でMETAFIVEを観るよりもさらに1年前の2014年頃、高野さんやU-zhaanのことを知りたくてYoutubeで色々と観ていたところ見つけたのが、イベント【道との遭遇】のライブ映像だった。
 どの演奏にも登場するユーフォとフリューゲルの人。ポップスにおいてユーフォを吹く人など滅多に居ないので見覚えはあった。「そっか、この人、権藤さんっていうんだ…」と顔と名前が一致したのが、この一連の映像だった。因みに、何故どの演奏にも登場するのかを知ったのは此処から数えて7年後の話。

高野寛×権藤知彦 with くもりなバンド×田中佑司×中島ノブユキ -夢の中で会えるでしょう

 同イベントの映像は幾つもアップされているが、やはり、このセッションを推したい。この曲にはユーフォが合うのかな、と何となく思いながら見てみたら、フリューゲルだった。高野さんの優しい歌声に沿う、軽やかなフリューゲルのフレーズが聴きどころだ。


そもそもの出会いは…【LOVE PSYCHEDELICO】

 【道との遭遇】の映像を観た時、真っ先に思ったのが「デリコのユーフォの人や!」という事だった。
 2007年頃、当時高校生で吹奏楽部員だった私はYoutubeで見つけた[Last Smile]のライブ映像を観て衝撃を受けていた。同曲のスタジオ音源にはいない筈のユーフォ奏者がいたからである。若い吹奏楽部員というのは、他の音楽をやる人たち(バンドマンやトラックメイカー等)に比べると、自分の担当楽器に近いものや吹奏楽で使われる楽器を扱う奏者には異常なほどに親近感を覚えるものだ。私は当時はホルン吹きだったが、ユーフォがいる!と嬉しくなったと同時に、こういった編成の中にユーフォがいても良い、という新たな気付きを得たことも覚えている。だが、高校生の興味は浅いもので、結局そのユーフォ奏者の名前すら調べないまま時間は経過した。
 名も知らぬユーフォ奏者の居るその映像、その後も高校在学中は繰り返し観ていたのだが、理由は親近感だけでは無かった。何度観ても聴いても、吹いているはずのユーフォの音がどこで鳴っているのか分からなかったからである。運指を追えば何を吹いているかの見当はつくが、肝心の音は分からない。当時のYoutubeや映像そのものの音質、再生環境などの問題もあるだろうが、最終的に私は「上手い人の音が、周りのサウンドに溶けて響くというのは、こういう事なのか…」などと無理やり納得していた。
 ところが、ゴンドウさんのファンになって以降、2007年当時と全く同じ映像では無かったが同曲のライブ映像を観て再び衝撃を受ける。「ユーフォ、聴こえるやん!」と。昔観ていた映像の音質と再生環境の問題だったと片付けるか。それとも、多くのリスニング経験(と少しの演奏経験)の結果、自分の耳が育ったとでも勝手に思い込んでみるか。いずれにしても、分からなかったものが分かることは嬉しい。

Last Smile (15th ANNIVERSARY TOUR -THE BEST- LIVE)

 前段が自分の思い出話(しかも長文)だけになった事に自ら引いているが、同曲におけるユーフォの音が「周りのサウンドに溶けて響く」というのはあながち間違いでも無かったというか、確かに聴こえるのだけど、はっきりと突出してはおらず少しシンセっぽい立ち回りをしているようにも思う。
 ゼロ年代当時の映像がオフィシャル公開されていれば良いのだが無さそうで、当時観た(恐らくアンオフィシャルな)映像もどうやら残っていない。代わりに、2015年のツアーの映像を。ゴンドウさんはあまりアップでは映らないのだが、せっかくなので本ツアーに参加している幸宏さんに注目したい。



 本当はもっとコアな映像とかライブ演奏もあると思うのだけど、如何せん追い切れていなくて、代表的なバンドや作品に終始してしまった…。そのうちまた、これは書き残しておきたいなあと思うものがあれば、書きます。

記: 2023/9/11