『緋弾のアリア』38巻所感と忘備録

超ネタバレ&乱文注意!


先んじてある程度その内容を予想していたが、当たったり外れたりという感じだった。
予想
①悠樹菜は母親に係る存在  当たり
②悠樹菜は緋緋色金の関係者 はずれ?
③命に係わる理由は受験関連 当たり
という感じだった。

それにしても今回も謎が解けたと同時に新たな謎が増えたので、全体的には謎の数は変わらないといった感じだ。

明らかになったこと

①スケジュールとアリア襲撃の謎
 少なくとも11月の後半には日本にキンジがいないとおかしいという状態で、西半球でのNの会合に参加しようとしていたことから、スケジュールがどうなるのかということが気になっていた。また、(おそらく)12/1にアリアがアリスベルたちを襲撃していたことから、アリアがそうしなければならない事情が発生する必要があったが、ストーリー上そういう流れがなかったのでどうなるのか気になっていた。今回、帰国方法がポラリスであること、また、キンジを餌にしてアリアが政府に協力することが明らかになった。
 それにしても、アリスベルの記述では、アリアはキンジを返すように要求していたため、パートナーが別の人に変わったのかと思っていたが、単に接近禁止命令が出されただけだとは…。また、アリアの誤解なのかな?ただ、2013年の神戸事件のことを考えると、この時点でもアリアとキンジは完全に協力状態にあるとも思えないので、この接近禁止命令が長引く可能性もありそうだ。

②不知火の依頼の謎
 キンジがサッカーの依頼の対価として、不知火になんでも一件依頼を受けるとしていたが、公安にリクルートを受けたときに、この件は満了としていた。にもかかわらず、アリスベルの中ではキンジがサッカーの依頼の対価として不知火の依頼を受けたとされていたことについて謎があった。
 これは今回の帰国方法の中で、前同条件で依頼を受けたことから、またなんでも一件受けることになったことが分かった。
 まぁ、確かに成立しているけど、こんな複雑なことする必要あった?という気がしないでもない。別にいいけど。。。

③悠樹菜の見た目についての謎
 悠樹菜はキンジの母親の名前や見た目、性格をしていると同時に、赤紫の瞳にピンクブロンドの髪色というアリア由来の性質も持っているということから、緋緋色金の影響を受けているのではないかと予想していた。
 しかし、今作の記述と、悠樹菜=荒脛巾という前提の上で考えてみると、悠樹菜がこのように見えるのは、キンジが愛している人間の性質が混在しているため、このような見た目になっていると考えるのが自然だ。この場合、悠樹菜は色金とは関わりのない存在なのだろう。

新たな謎

①悠樹菜って結局何?
 悠樹菜の苗字は秋庭原だった。読みはあきばはら。まぁ、普通に考えれば、荒脛巾のアナグラムで悠樹菜=荒脛巾と考えるべきなのだろうとは思う。それ以外の記述でも、悠樹菜は荒脛巾のことを様付けせずに呼び捨てにしているし、御神体とされていた遮光器土偶も悠樹菜と同じ体形をしていて、荒脛巾がどのような神なのかにも詳しかった。ただ、流石にわかりやす過ぎてミスリードを誘われているような気もする。深読みしすぎかな…。

②荒脛巾は何の神?
 現実世界では荒脛巾は謎の神として扱われている。出雲由来の神ではなく、東北地方の土着信仰の中で生まれた神であり、何を司っているのかについても複数の説があって、縄文の神説、物部の神説、製鉄の神説、賽の神説、蛇神説など様々だ。
 この中でストーリー上の記述から素直に読むと、賽の神であるように解釈できる。賽の神は、村や部落の境で、その外から侵入するものを防ぐとされている。牛義の排他的な記述から考えると、荒脛巾はこの性質を持っていそうだ。ただ、悠樹菜が言うには、「幸せを司り、人が悪いことをしていないか見張る神」としている。現実世界ではあまり見られない説だ。結局どのような性質を持っているのだろうか。
 荒脛巾の名を出した以上は何らかの形でその能力が示されることにはなるのだろう。悪いことをするとイナツルヒ=雷で焼くという記述があったので、キンジと戦闘する悪い大人=不破あたりが焼かれるとかかな。
 それにしても、荒脛巾は不定形とのことだったが、悠樹菜は周囲の人間から見た場合、どのような見た目になるのだろうか。見た人間それぞれの愛する存在に対応した見た目に変化して見え、また名前も聞いた人間が愛する人間の名前に変化して聞こえるのだろうか。謎だ。

③旧0課は何で来た?
 今作の最初のほうで、アリアが「政府がエージェントを総動員で、力尽くで魔女、半人半妖を徴兵している」と言っていた。エージェントを総動員しているわけだから、旧0課も当然対象のはずだ。そしてその徴兵の目的は「国難の緩和」だった。ここら辺を総合して考えると、悠樹菜を確保しに来たのは、国難の緩和をするため、そして悠樹菜にはそれに対応するための能力がある可能性がある。ただ、荒脛巾って複数存在するんだよね。。。
 また、キンジは旧0課と悠樹菜が敵対関係になることを前提に守ろうとしていたが、よくよく読むと、悠樹菜は攻撃されているわけではない。最初にただの公安職員が来てNBC対応の車(護送用?)に乗ってきたことからも平和的に協力を要請しに来ていたのかもしれない。灘が高いスーツを着てきたことを考えると、そもそも戦闘が発生することを想定していなかった可能性すらある。
 結局、大門が(おそらく)不破から2人を守ろうとしていると発言していたことを考えると、どのような目的で牛義まで来たのか気になるところだ。

以下、細かい謎

①牛義の地名
 牛義を一語に戻すと、犠になる。意味は一語でいけにえになる。なんらかのいけにえが発生するのだろうか?
②牛義山の地形と禁足ルール
 牛義山はプリンとその横に平台形がくっついた形をしているという記述が2回出てきていた。正直、この記述から似通ったものを想像することができないのだが、何を表しているのだろうか?(5/15追記:よくよく考えるとプリンの形はロケットの先端につくカプセルに似てるかもしれない)
 また、その中に立ち寄ると何者かによって殺される可能性があるらしいが、その中には何があり、またストーリーとどう絡むのだろうか?
③歌の謎
 途中で出てきていた歌は訛りのせいで意味がよく分からなかった。「つかうごんだら」ってどこで分割されるのだろうか。つかう/ごんだら?つかう/ご/んだら?つかうご/んだら?よく分からない。
 また、マヨイガ伝説について多少調べたが、どちらかといえば最終的には富を得られる良いものであるようなものが多かった。ただ、出られないということは出たいという意思が存在しているはずだと考えると、マヨイガ=よくないものという前提がある気がする。キンジが悠樹菜に母の幻影を見て離れたいけど離れられないという状態をマヨイガと表現しているとして、この歌が何を表しているのか気になるところだ。
④遮光器土偶について
 荒脛巾の姿として遮光器土偶が使われていた。そして遮光器土偶には、宇宙人説がある。『緋弾のアリア』のスペクタルさを考えるとこの説をとっているのかなという気がする。最初は、牛義山は宇宙船なのかなと思ったが、UFOの形を調べても似たようなものはなかったので違うのかな?
⑤不和と獅堂班との関係
 獅堂班は不和の下についているはずだが、今回悠樹菜の扱いについて姿勢が異なっているように読めた。不和はショットガンと、打刀を持つという超攻撃的な装備で来ていることを考えると、悠樹菜に対して敵対的、獅堂班は攻撃せずに追いかけているから友好的というように見える。これをパンスペルミア規模で考えると、もしかしたら、武装検事と公安は砦と扉といった感じで立場が分かれているのかもしれない。実際のところはどうなのだろうか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?