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あれのお陰でプリキュア愛が深まった話

※だいぶこじらせたオタクの散文、好きなものでも容赦なく問題提議しがち※

「あれ」とは朝ドラ『カムカムエヴリバディ』です。(以下カムカムと省略)

今カムカムでは3代目の主人公、大月ひなたが時代劇が好きな父親の影響と様々な縁が重なり、実在の東映太秦映画村をオマージュした「条映太秦映画村」で働いています。

私は映画村エアプ過ぎて存在を全然知らないどころか、東映が昔時代劇を沢山作っていた事すらカムカムで知りました(無知の極み)

作中の1992年位にはめっきり時代劇は作られなくなったなぁと一緒に見ている母も言っていたので、生きてきた中で時代劇の歴史を知らないのも無理はないですよね(無知を棚に上げていく)

カムカムには架空の表現もありつつ、多くの時代を代表する実在のカルチャー(およげたい焼き君や母をたずねて三千里、ガラスの仮面等)が登場し、1992年には美少女戦士セーラームーンの「ムーンライト伝説」がひなたの職場の休憩室に設置されたラジオから話題の曲(?)として流れました。

カムカムという作品は、100年を半年で描くハイスピード弾丸歴史ドラマなので無駄な描写を描く余裕なんて無いと思っているのですが、自分のよく知る「セーラームーン」が100年の歴史の中に登場したのには言葉にして語られない意味が沢山ある……………と、深読みオタクムーブをしました。

幼少期はおバカでズボラなTheちびまる子ちゃんだったひなたは、高3で大部屋俳優の五十嵐文四郎君に出会い憎まれ口を叩き合いながらも親交を深めていきます。約2年の交流をする中で徐々に五十嵐君の態度も軟化し、とあるすれ違いから会えない時間が愛を育てついに2人は結ばれます。結ばれてからはそれまでの五十嵐君のプライドを敢えてズタズタにしていくひなたの言葉のジャックナイフがなりを潜め、五十嵐君のことを「文ちゃん💗」と呼ぶくらいにメロメロになっていました。

そう、私の大好きなセーラームーンもそうだった。会えば必ず喧嘩ばかりしていた月野うさぎと地場衛は結ばれてからはうさぎ側は「まもちゃん💗」とデレンデレンになってしまう。男性(文ちゃん/まもちゃん)側がイマイチ女性側(ひなた/うさぎ)のことを好きなのかどうか視聴者の目に映りにくいのも共通していますね(大切にしてるんですよ、わかりにくいだけで…)ちびまる子ちゃんだと思っていたひなたは、いつの間にか月野うさぎにシフトしていた…思えばひなたの友人の気が強い一恵と聡明な小夜はセラムンのレイちゃんと亜美ちゃんに性質が似ています。そしてひなたが恋心に覚えを抱き始めた時、空には大きな月が浮かんでいた…………(今週は彼氏が闇堕ちして大変なことになるところも踏襲しそうですね)

恋愛模様の他にも、ずっと「侍になりたい」とヘンテコな夢を見ていたひなたが報われていくのが1992年の「女の子のサムライ(?)であるセーラームーン」に乗せて映画村で仕事をしていく中で現実になって行くのが暗示されているんじゃないかなぁと思いました。戦えひなた​、愛する世界(映画村)を救う為に​───────

--------キリトリ線--------

映画村エアプなのでこの後ひなたがどう映画村を救うのか、ラジオ英会話の物語だしインバウンドに頼っていくのかなーというくらいしか予想できないのですが、リアル映画村ではそれこそ同じ東映のスーパー戦隊シリーズや前述のセーラームーンのキャラクターショーをやったり、今はプリキュアのショーをやっているそうですね。エヴァンゲリオンやしまじろうも来たり。


映画村が俗物に染まっていく…!(とはいえ1984年のバイオマンは映画村でショーをやった映像記録が存在する)と時代劇原理主義の文ちゃんなら絶望しそうですが、ひなたや文ちゃんの愛した時代劇のDNAを受け継いでいるのはきっとそれらなんですよね。1話完結、恒常やラスト10分弱の大立ち回り……番組構成はいかにもそれであり、スーパー戦隊は歌舞伎の「白浪五人男」という演目をオマージュしていると聞いているので、源流のようなものが一緒なんじゃないのかなと私は目星をつけています。歌舞伎→(中略→)時代劇→(中略)→スーパー戦隊→セーラームーン→プリキュアと受け継がれていく歴史…(※スーパー戦隊は現役です)

ひなたが幼少期に父親の横で時代劇を見て好きになり、その気持ちを大人になっても忘れないのは、私もセーラームーンにハマっていた母親の横でアニメを見て普通の人より濃ゆく好きになった自負があるのでひなたに似た覚えがあります。

…私は武内直子先生がセーラームーンを自分たちのものにしようとした東映の偉い人と仲が悪いとか、プリキュアがセーラームーンに対抗するように作られた東映自社IPとしての矜恃があるとかバカクソどうでもいい話なのでゴシップは全部蹴り飛ばしてどっちも好きなんですけど。

ただ、私はセーラームーンが己の血肉であるくらい大好きである事は事実なのですが、25年前に既に完結した作品であり、原作者の意向でもう単行本にある以上のことはできないようなので、いくら国内外で愛されていても今の私の中では物足りなかったり、中には令和の私が受け付けられない描写も存在します。華やかなトキメキを与えてくれつつも、子供向けの品性を保ちながらどんどん新しい表現にチャレンジし続ける18年現役で突っ走るプリキュアシリーズの存在が有難いです。というか、セーラームーンだけ追求しているといくら当時前衛的な内容でも30年前の世界に取り残されていくような気がして、私は数年前から後継作品やセーラームーン世代の人達のDNAを感じる作品にも目を向けるようになりました(Wikipediaを見るに、時代劇も歌舞伎から影響を受けつつも身分差別や女性差別といった時勢にそぐわない表現は時代背景に合わずとも当時の現代人に違和感がないように脚色されていったようですね)特に最新作デリシャスパーティプリキュアは「飯戦隊」という、ごはんに人智を超えたパワーが宿るという呑気かつ根源的な発想がいろんな意味で日本でしかできないなというクリエイティブを育む日本の土壌が愛おしいなと感じたり。

そんな感じでカムカムのお陰で自分の好きなものに対する歴史トリップ旅をさせてもらった様な心地がしました。なので今は時代劇専門チャンネルとか観て時代劇のこともっと知りたいなぁとか、カムカム系イベントがあるみたいなので近い内に映画村へ行きたいなぁって思ってます。関西住みのフォロワーさんで映画村に詳しい人が居たら是非面白いところを教えてくださいね。

プリキュアが今の私のOn the sunny side of the streetなんだなぁ☀️(はみだしたのがひなたであるなら、私もはみだしていくぞ)



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