思い出を超えて、飛んで行け~第2期Σリーグ『ANC PURPLE BATS』第5節第1試合甲森あん選手視点
当日の控室配信はこちら↓
対局前
配信開始
🐳「えー第5節応援配信やっていきたいと思います。既に、我らANC PURPLE ヴぁっ……大事なチーム名で嚙んだ……」
🐳「……まあ皆さんご存知かと思いますがリーダーのあんさんから自己紹介お願いします」
🦇「はい、えーえんしー、私も噛んどいた!ANC PURPLE BATS リーダーの甲森あんです!今日トップバッターで登板するので皆さん応援よろしくお願いしまーす」
🍵「ANC PURPLE BATS の育成枠、幸運を呼ぶ茶柱系Vtuberの日菜むいです。今日はあんさんとLusyabaさんを全力で、みんなで応援していきたいと思います。よろしくお願いします!」
🦇「噛まなかったね~」
🍵「セーフw」
🖋「ANC PURPLE BATS 所属、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンと契約しましたLusyabaと申します、よろしくお願いします」
🦇「噛まないアピールすごっ」
🐖「えーえにゅしーぴゃーぴゅるびゃっちゅの……はい、コータでございます。ガチャの方は絶好調だったので刺されないようにしたいと思います。よろしくお願いしまーす」
🖋「🔪🔪」
チームが現状上位につけているということもあってだろうか、今日も例にもれずAPBの控室は開幕から軽やかな笑いを交えながら進んでいく。
卓組
東家 『ANC PURPLE BATS』甲森あん選手🦇
南家 『風林火にゃん』エンデ選手⚽
西家 『LogicArt』Cr7選🥘
北家 『縁』稚児選手👞
『風林火にゃん』からはかつての盟友エンデマン再び。前回登板では古巣APB相手に熱い恩返しトップ。このときは日菜選手の初登板でした。
『LogicArt』からは実力は誰もが認めるCr7選手。前回登板では麻以麻い同窓会を夢見エルノ選手に粉砕され4着。サッカーボールだとエンデ選手と被ってしまうので今回はクリロナ→ポルトガル→パエリアという方向性の連想ゲームで着地させていただきました。(ポルトガル国旗の絵文字はPCだとうまく表示されなかったという裏話もある)
『縁』からは初代双聖位稚児選手。前回登板は犬カルビ選手の大暴れにひげくじら選手と共に巻き込まれ3着。
🐳「まあ強いメンバーが揃っているわけですが率直にどうですかこの組み合わせ」
🦇「まぁ~よくこんなに強い人ばっか集めたなって感じの卓になっちゃいましたね。たぶん、けっこう私の手の打ちもバレてる相手だと思うので、小細工せずにそのままぶつかっていこうかなって感じですね」
🐖「うちは上位ってことでマークされるかもしれませんけどきっとあんさんなら強者(つわもの)たちをなぎ倒してくれると期待しております」
🦇「ひげくじらさんにアーカイブ非公開にされないように頑張ります」
🍵「いやいやいやw」
🐖「どんな放送事故起こるんよ」
🦇「俺のチャンネルにふさわしくないわ!とか言って」
🐳「まあ某Mリーガーじゃないですけどあんさんが天衣無縫な打牌をして吹き飛ばしてくれると期待しています」
🖋「あんさんのコウモリーチに今日も期待していきたいと思います」
🦇「今日こそは曲げますよ!」
前回の甲森選手
前回は結果だけ見ればトップに肉薄する2着と上々だったものの、南1局で平和ドラ3をダマにしてしまったことを悔いていた甲森選手。今日こそ思い切って腕を振ることができるか。
対局ハイライト
東1局〜重い出だし
東1局、親番スタートとなった甲森選手だったが……
🐳「なんか対子が多い感じで」
なんとも評価に困る牌姿である。甲森選手はここから打8pとした。3対子あるので1個ほぐしたいところ。
しかし次巡で持ってきたのは意地悪なことに8p。
🖋「裏目りちょっときつい」
🐳「痛いですね」
そして前回登板で絶好調だったエンデ選手から今回も立直が飛んでくる。ここは親番といえど冷静に撤退を選択。
東1局は流局スタートとなった。
一方で、控室ではもう1つの戦いが始まっていた。
ヽ(゚∀゚ )ノ「配信カクカクにゃあ」
🐳「うーん僕のPCの問題かもしれない、ちゃんと配信向けって感じのやつ使ってるわけではないんですよね。なんかいい方法ないか」
🍵「私が雀魂の画面共有してそれをOBSに映すとかでやってみます?」
🐖「バイパス手術が行われようとしている」
ヽ(゚∀゚ )ノ「よくわからないけどすごいことをしている気がする!」
手牌も配信も重い東1局であった。
🖋「ところでさっき気づかなかったんですけど稚児さん聴牌取りきってた」
🍵「ですね、聴牌でしたね」
🐳「あ~~~ちゃんと見れてなかった、そういうのを味わいたかった」
👞「誠に遺憾である」
東2局〜衝突
続く東2局は全員楽しみがある手が入り、かなりぶつかりそうな雰囲気に。
🍵「稚児さんとあんさん染め手っぽい」
🐖「ホンイツ……もしくはチンイツまでいけそうですね」
🐖「🥘はドラの中持ってて⚽は567三色見える。みんなぶつかる」
🐳「ドッカンバトル」
🐖「ドラゴンボールだなあ」
自分の手牌価値を信じてまっすぐ進みすぎると大やけどに繋がりかねない、リスキーな局面でもあるが……
甲森選手は途中から手を崩した。自身の和了は諦めて受けに回る。
🐖「あ~だいぶ引き気味に打ってるのかなこれ」
🐳「まあ悪くないバランスですね」
稚児選手に萬子を切りたくないというのもあるし、何よりドラの中が行方不明。対して自分の手は仕上がれば清一色だがそこに至るまでに切らなければいけないものが危なすぎる。ここは冷静な判断が光った。
ほどなくして横移動で決着。
この局は自力でドラ中を暗刻にしたクリロナ選手の和了となった。
🍵「あぁ~これは痛い……」
🐳「目に見えて中がね、鳴かれてるわけではないですからねー」
🐖「まだわからないですからねこれ」
ドラは鳴かれても怖いが、見えていないのもまた怖い。甲森選手の冷静な守備判断が光った1局だった。
東3局~会心のコウモリーチ!
続く東3局は親のクリロナ選手が2600オールをサクッとツモあがってからの1本場。
かなり整った配牌がきた。
🐖「おぉぉぉ~いい」
🍵「いいですね」
🖋「打点こそないけど形は圧倒してる」
🐖「メンタンピンで裏乗せちゃえばもう8000ですから」
雀頭がどこになるかという問題点はあったがこの赤5pで解決した。456三色こそ消えるが258s待ち。
🖋「ナイッスゥ!」
🐳「行きましょう」
🍵「頑張れっ」
🐳「腕振り回してのコウモリーチ!」
是が非でもあがりたいチャンス手に仕上がった。この半荘1回目のコウモリーチの結果は……
見事満貫のツモ和了となった。これで2着目に浮上。
🖋「いや~でかいでかいでかい」
🐖「いいっすね」
🍵「大きい~」
東4局~白い罠
東4局は稚児選手が力強く4000オールをツモりあがってからの1本場。
手牌が淀みなく進むエンデ選手。生牌のドラの白を切ってもうすぐ立直しますよといった感じの様子。
そしてこの白は誰も鳴かずに通過。
鳴かれなかったのなら今のうちに。甲森選手も次巡で白に手をかける。
🖋「放しどきっぽいんですよね、ここで多分出す」
🍵「そうですね」
しかしここしかないという巡目で白が重なった人がいた。クリロナ選手からポンの声。
🐖「ポンが入る~」
🖋「ちょっと厳しくなっちゃいましたね」
このあと他3選手は受けに回る。
🖋「けっこう対戦相手へのリスペクトを感じる打牌してますね」
🐖「あんさん手の内知られてる~って言ってたけど逆に言えばあんさんも他の選手の手の内知ってると思うんで」
相手をしっかりと評価した冷静な判断。あとはきちんとオリきるだけ、のはずだったのだが……
🐳「手詰まり」
この巡目さえしのげば流局で耐える。のだが、確実に通る牌がない。
🐖「まあ目を瞑って1s」
🖋「1p選んじゃうことも」
🐳「ありそう」
🐖「ワンチャンス」
4sのスジの1sを切ればいいではないか、という単純な話ではない。というのも1sが甲森選手視点1枚も見えていない。シャンポンや単騎待ちに当たる可能性がある。
最後の最後に突き付けられた恐怖の選択。甲森選手の選択は……
ワンチャンスの1p。
しかしこれが刺さってしまった。痛恨の満貫放銃。
🐖「ん~~~~ワンチャンスか」
🐳「いや切り替えていきましょう」
🍵「切り替えて、まだまだ!」
悔いの残る選択になってしまったが、まだ終わったわけではない。
勝負の、2度目の親番。
南1局~逆襲のコウモリーチ!
なんとしても頑張りたい親番、配牌は……
🐖「あっ悪くはないですね」
🖋「形は良い」
まっすぐに進めて1m7sのシャンポン待ち。打点も悪くない。
🍵「立直~」
🐖「おっけい」
🐳「ナイスー!」
ところがわずか1巡で最強の手替わりの種を引いてしまった。
🍵「あぁ」
🐳「お前が先に来いよ~~~」
🖋「来るなら先に言って」
こういうツモを見るとなんとなく嫌な雰囲気を感じるものだが、このシャンポン待ちは強かった。立直時点でなんと全山。
このあと3mが4枚見えてノーチャンスとなり、1mを掴んだ稚児選手から出あがることに成功。
🍵「ナイス」
🐖「ナイス~」
🖋「裏乗らず」
🐳「いや~でもじゅうぶん」
続く1本場。まだまだ加点したいところ。
🐖「あぁ~いい!123三色が見える!」
🖋「エンデさんの發は見なかったことにして」
現状ラス目のエンデマン。この人がそう簡単に終わってくれるわけがなかった。配牌時点でドラ対子。
🐳「王牌がブロックしてくれ」
🍵「山深くに沈めておいて」
🐳「周りが進まないうちに、エンデさんの發が鳴かれないうちに」
🐖「速く聴牌って立直をかけるんだ!」
控室の願いもむなしく發がきてしまう。
🍵「ああ~これは出ちゃう」
手が悪ければ抱え落ちする選択肢もあったかもしれないが、親番のこの手で止まれというのは無理な話である。これでエンデ選手にドラポンが入る。
さらに稚児選手にも3副露。そんな中で持ってきたのがこの5mである。
🐳「切りづれえ~」
🐖「これは厳しい」
甲森選手はここで打1sとし迂回を選択。
このあとも丁寧にリスクを避けていく。稚児選手が通した8mを合わせ打ち。
🐖「今切れたんで」
🐳「助かった、これはだいぶ助かった」
次巡は悩ましいところだったがエンデ選手の現物の8pで回避。
「「「ふぅぅぅぅぅぅ~~~」」」
🍵「ナイス~」
ほどなくして、この戦いには決着がついた。
「ロン!」
エンデ選手が3sを掴んだ稚児選手から出あがり。
🐖「縁きついな~」
🐳「きついっすねこれ」
これで稚児選手が1人沈んだ格好となった。しかし、混戦はまだまだ続く。
南2局~劇的ビフォーアフター
南2局の配牌がこちら。テンションの上がらない配牌である。
🐳「まあ配牌は苦しい」
🖋「うちが極端に悪くて他がどっこいみたいな」
ところが、こういう手でもまっすぐ打ってみるとたまにはいいこともある。
🐳「意外とうちが一番乗り?」
🍵「あれっ、意外と速いかもしれない、あれっ」
🐖「追いつき追い越しちゃった」
あの配牌がまさかこうなるとは。一盃口の役有り聴牌。
さすがに和了とまではいかなかったが十分すぎる聴牌料獲得である。
🐖「ナイス聴牌」
🐳「ナイス聴牌」
🍵「ナイスッ」
🐳「あんさんとエンデさんが競ってるのもおつなもんですね」
エンデ選手との差はあってないようなもの。クリロナ選手の背中も遠いが見えなくはない程度の距離。あとは上との勝負かと思いきや、続く1本場で待ったがかかる。
この選手がこのまま終わるわけがなかった。苦しい放銃が続きラス目に落ちた稚児選手から、逆襲の立直が入る。
🐳「おおおーっとぉ」
しかも巡目が速いだけにこれといったヒントがない。
🐳「これクリロナさんが打つと大混戦になるよ」
🐖「全員集合ですね」
各選手懸命に受けに回ったが、稚児選手が手詰まったクリロナ選手から高目9mを仕留める。
🍵「いや~すごい」
🐳「ただじゃ終わらんねぇシグマリーグは」
🍵「トップわからなくなってきましたね」
🐖「嬉しいけど下も近づいてきちゃった」
南3局~迷わずに飛べ
トップから4着まで見える点数状況。
しびれる状況で迎えた南3局、まずは親のクリロナ選手が甲森選手から三色のみの1500点を軽くあがる。
🐳「まあまあまあ」
🐖「うん」
🖋「いいでしょう」
🐖「稚児さんが危なかったんでね」
気を取り直して頑張っていきたい1本場。
🖋「おっ西いいですね」
🍵「うん」
ありがたいことに自風の西がすでに対子。あがるだけなら簡単そうだが……
1枚目の西を迷いなくスルー。
🐳「おっ?」
🍵「おおおおおお」
🐖「鳴かず」
🐳「いや、いいと思います、めちゃくちゃいい」
これだけ手が整っているなら面前で仕上げたい。おそらくは最初から鳴き無しを押していたのだろうという速度でスルーを選択。
🐖「2枚目は渋で鳴くくらいじゃないですか」
🐳「いや2枚目鳴く前に聴牌してほしい」
🍵「聴牌、聴牌」
面前で仕上げればトップも見えてくる。あとは一刻も早く聴牌したい。
その願いは卓に届き、2枚目の西が出る前に立直にたどり着いた!
エンデ選手が。
🐳「あぁ~っはははぁ~」
🖋「なんでやねん!」
🐳「もっと速い人いた」
しかし甲森選手も負けじと即座に追いつく。
🍵「あっ」
🐖「おっ」
🍵「追っかけっ」
🐳「いけいけー!」
ここでエンデ選手に振ると一発がつくが……
そんなことを言っている場合ではない。ここは力強く立直を宣言。
🍵「ナイスー」
🐳「ナイスッ!」
かつての盟友、今は宿敵。
お互い譲れないめくり合いの結末は……
エンデ選手のツモ和了だった。
「「「「ああああああああああああああ」」」」
🍵「強い~」
🐳「いやーでもナイスファイト」
しかもこの時裏にいたのは南。西であがれていれば裏3。何とも皮肉な結果であった。
🐳「ああ~西」
🍵「うわあ」
🐖「バカタレ~」
🖋「裏3チャンスが」
🐳「これでエンデさん個人2連勝に王手」
🖋「優勝請負人は伊達じゃない」
🐳「ね、強いっすね」
🍵「すごい」
オーラス~スピード勝負!
オーラス、甲森選手はトップまではやや遠いが2着はじゅうぶん見えるという状況。
🐳「けっこうクリロナさんとあんさんのスピード勝負」
🖋「クリロナさんも(トップ目から)捲られるのはやってないので前に来てくれると思う」
🐳「うちに放銃してもラスらないんでね、稚児さんが来たら話は別だけど」
🐖「おっ」
🍵「良い良い良い」
🐳「めっちゃいい」
打点も形も悪くない1シャンテン。鳴いて仕掛けるルートもありそうだ。
しかし先手を取ったのはクリロナ選手。
甲森選手も1シャンテンで追いすがるがわずかに及ばず。
🍵「わあツモったあ」
🐳「う~~~ん強い」
裏が1枚乗っていれば逆転だったが届かず。エンデ選手の逃げ切りで決着となった。
🐳「いや~あんさんも耐えの3着ですよ」
🍵「お見事でした」
🐖「いやナイス3着」
試合後
🦇「やらかして帰ってきました~」
🍵「いやいやいや、ナイスでした」
🦇「ちょっとね、1p放銃は反省します」
🍵「いやいやいや、あれは厳しかったですよ」
🐳「いやまあでも課題はそれくらい、かな?」
🐖「まあそうですね」
🦇「まあラスじゃなかったのは不幸中の幸いということで」
🍵「いやいやいや、耐えて耐えてでナイスでした」
🦇「ありがとうございます」
文字に起こしてみて改めて思ったが、日菜選手が何度も甲森選手に対して「いやいやいや」と言っていたのが印象的であった。
悔いの残る場面もあった。しかし、それでも力強く腕を振ったからこそ、傷を負いながらも帰還してみせた。その戦いぶりを責められるものなど誰もいない。そういった思いを感じ取られた一幕であった。
かつて苦楽をともにしたエンデ選手との再会はほろ苦い結末となったが、甲森選手ならきっと、この経験を糧にして再び飛びあがってくれることだろう。喜びも悔しさも力に変えて、きっとまた羽ばたける。
ANC PURPLE BATS 153.4pt
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