誕生日には新鮮なイカを。丁々発止の動物大乱闘!~第2期Σリーグ『ANC PURPLE BATS』第3節第2試合コータ選手視点



試合開始前

卓組


東家 『Luna de esperanza』銀貨先生選手🦎
南家 『Emperor Peng Inc. Σbranch』ゆうれいいか選手🦑
西家 『てんぱねすくりゅ~』うめちゃん選手🏑
北家 『ANC PURPLE BATS』コータ選手🐖

試合当日(11月8日)がなんとお誕生日。かつては動物園の園長、今は組の首領。技術面でもリーグを支える大黒柱、銀貨先生選手。
急発進急ブレーキ麻雀で見るものすべてを魅了する、みんなのアイドルゆうれいいか選手。
実はアイスホッケー経験者、玉の間平着2.254というとんでもない成績で魂天に到達してみせた元プロうめちゃん選手。

第2試合は、雀聖3のゆうれいいか選手と魂天3人という、卓の見た目からして派手な卓となった。もちろん段位を問わず精鋭ぞろいのΣリーグではあるが、そうはいっても段位の色というものは目につくものである。
……ところで、名前そのものに「ちゃん」とか「さん」とか「先生」がついてると呼び方に悩むのは私だけでしょうか?

🐖「すごいメンツに囲まれてね、厳しい試合にはなるかと思うんですが。楽しんでやることやってトップ持って帰れればと思います」
🐖三「いってきまーす」

(コータ選手離席後)

🖋「こういうフェーズ(待ち時間)のためにクイズ考えてたんですけどコータさんいなくなるとクイズ出す相手がいないな」
はたしてどんな内容なのか気になるところである。
🦇「今日じゃなかったねw」

🦇「ここまですごい、いい感じですよね」
🍵「ね、めっちゃいい感じ。矢絣さんとお話したんですけどAPBが最初好調なの珍しいみたいな(こと仰ってて)」
🦇「珍しいよ。というかそもそも安定してるのが珍しい。順位が上がってるか下降してるかギザギザになるチームだから。こんなずっと上位に張り付いてるっていうのはなんか不思議ですね」
🍵「おぉ~なるほど~」
🐳「いやいいことじゃないですか」
🍵「いいこといいこと」
🖋「前回プレーオフだったかな、最初2節で(エンデ1ー甲森2ー拝田1ー武則2)一気にっていうのも劇的なチームだったので」
🦇「レギュラー終盤一気に下がっちゃってね、ボーダーぎりぎりで通過だったのよ。そこから浮上してだから本当にギザギザでした」

🖋「これまでのAPB、コウモリではあるんですけどすごい主人公というか王道をいくチームだなってのがありますね。厳しいところからどんどん這い上がっていく、一丸となって戦っていく主人公という印象でした」

APBお披露目配信より

劇的な勝利にはピンチもつきものというのが定番ではあろうが、たしかに今期のAPBはここまで非常に順調な結果を残している。長いシーズン、まだ喜ぶには早いが、勝てるときに勝っておくに越したことはないだろう。

この勢い、風はどこまで続くのか。APBの重戦車、今期2戦目に挑む。

前回のコータ選手

前回登板では、『Luna de esperanza』ぶる選手との壮絶な和了合戦を制しての初登板初トップ。特に東2局の南単騎立直は、コータ選手の鋭い読みが光った会心の和了であった。
今回も持ち味のインファイターぶりを発揮することはできるか。

対局ハイライト

東1局~気vs気

🖋「ああ123が完成」
🐳「え、もう?」
🍵「もう完成?」
🐳「え~ずるずるずる」

東1局、うめちゃん選手が早々と123三色を完成させる。ダブドラの赤5mか6sにくっつけば聴牌。盤石の構えである。

一方のコータ選手はタンヤオの両面チーから発進。

🐳「しっぶ」
ヽ(゚∀゚ )ノ「ナイスチー!!勝ったな」
🐳「まだ何も勝ってないよ、聴牌すら入ってないよ」

これについてはご本人からお話をうかがう機会があったので追記しておこう。この巡目から両面チー発進したことについては、
🐖「うめちゃんが123完成してるとかは知る由もなかったけど、發鳴いている🦑がドラ1~2枚持ってるかなと思って速度を合わせようかなと思った」
とのこと。
実際このときゆうれいいか選手はドラと赤を1枚ずつ持っていた。さすがの読みである。

8pもポンして聴牌。ドラ単騎に受ける。
🐳「いや〜強気だな」

しかしなんでもかんでもでたらめにツッパるわけではない。この4p引きでいったん手を崩す。

終盤に親の銀貨先生から立直。ダマテンを入れていたうめちゃん選手のもとに7sがやってくる。

🐳「役無しケイテンにはしたくないけど……」

2mを切れば安全に聴牌できるが、この大物手を形式聴牌にはしたくない。123三色はキープしたい。だが放銃もしたくない。うめちゃん選手の選択は……

4m。2mがノーチャンスになって14待ちが否定されており、自分で7mを通したこともあって通しやすかったとはいえ、安全策に甘えず役有りで聴牌を取り切った。

🐳「いや~強い」
🍵「強い……」

実際7sは親の当たり牌だった。繊細かつ大胆な、見事な選択である。
🍵「ギリギリの選択、すごい」

続く1本場は、うめちゃん選手とコータ選手から立直が入るも……

一足先に聴牌を入れていた銀貨先生選手が連荘に成功。

🍵「リー棒回収されていく~」
🐳「うまうまですね」

そして迎えた2本場

🐳「ああー切る!強い、これは躱し手にするという強い意志」
🖋「だいぶ皆さんをリスペクトしてる感じですかね」

ホンイツ変化も見ず、ドラに未練も残さず、まっすぐ1000点での和了を目指す。他家のレベル、速度感をしっかりと判断しているからこそだろう。

そして持ってくる3m。うめちゃん選手に対しては萬子の下が何も通っていない。とはいえチャンタならあっても2000点に見えるが……

ここは冷静に迂回。

🍵「さすが」
🦇「見てますね~」
🐳「(うめちゃん選手に打っても安そうだが)こっちも1000点なんでこれで失点のリスクを負うのはねってことでしょうか」

結局この局はゆうれいいか選手の立直にうめちゃん選手が捕まり満貫の放銃となった。

🐳「いいあがりですね」
🍵「お見事~」
🖋「ナイス立直でした」

東2局~広報部ここだけの話

ヽ(゚∀゚ )ノ「この卓こえーぺこ」
🖋「じゃあ僕がマル秘エピソード出していきますか。銀貨先生とゆうれいいかさんは僕と同じΣリーグの広報部にいて、第1節の方も書いていただいているんですけど」

🖋「僕がこういう麻雀の界隈に来たことがなかったので、この副露どうなんすかーとか聞いてみるわけですよ。そうしたら銀貨先生がですね、これは人の痛みがないタイプしか鳴けないよねーっていうことを言って、その時ゆうれいいかさんはなんでも鳴いてしまいましょうって言ってくれるんですよ。鳴いて立直に打つとつらいじゃないですか。でもそういうのは全然関係なく鳴けるところは鳴きましょうみたいな感じでゆうれいいかさんけっこう言ってくれる」
🐳「さっき何でも鳴いてたうめちゃん選手に立直お見舞いしてましたけど
もしかして:撒き餌

そんな心温まる(?)エピソードトークの傍ら、うめちゃん選手の立直が入る。その一方でコータ選手にも聴牌が入るが……

🐳「これは……いかないんじゃないかな」

役無しカン7p。先制だったとしてもテンションの上がらなさそうな聴牌だ。追っかけとなるとなおさらしんどいか……

🍵「うわ、行ったー!」
🐳「つんよ」

そしてこの時、実は銀貨先生選手もホンイツの聴牌にたどり着いていた。待ちは西とドラ北のシャンポン。

🖋「(山の残り枚数)🦎1🏑0🐖1」
🐳「意外とあるんだな、この……言葉はアレだけどゴミみたいな立直
🖋「立派な立直ですよw」

あがって躱せる可能性もあるが、打点にはあまりにも差がある。緊張の時間が続く。

そんな中、事態はさらに変化を見せる。

銀貨先生から出た4mを見たゆうれいいか選手が……

これに食いつく。中筋5sをぶった切ってタンヤオのみのカン5pでツッパる。
🐳「う~わいくいくいくいく」
🖋「かっこいい~」

しかし4sでさすがに撤退。毎度おなじみ急加速急ブレーキである。

お互いぎりぎりの攻防が続く。これを制したのは……

「ツモ!」

銀貨先生だった。最後の西を掘り当てて満貫のツモ和了。
🍵「お見事~強すぎる」

🖋「🦑のチーなかったら(西は)僕らのツモ山だった」
🐳「助かった」
🦇「救世主🦑」

東3局~バースデーとはたくじら

この局も銀貨先生選手の配牌が不穏な気配。

🐳「やめてよードラ1m重ねてゴニョゴニョとか🚩」

これは誕生日補正

🖋「あーあーあーあーあー」
🐳「言うから!w」
🖋「フラグを建ててしまった……」
🍵「言っちゃったから……w」
【悲報】超アルティメットフラグ職人、爆誕。

しかしこちらにも活きのいい選手がいた。ゆうれいいか選手から立直。

🐳「え~ちょっと🦎と🦑絶好調ですね」

しかし銀貨先生選手も自分の手牌価値的に黙って見ているわけにはいかない。

即座に追いついて立直。

🍵「おぉ~行った~」
🐳「強気に行くぅ」

前期は『るなすぺ』で苦楽を共にした盟友。しかし、今は別チームの強敵同士。お互い譲れないめくりあいを制したのは……

またしても銀貨先生選手だった。裏も乗せて跳満。

🍵「うわ~ツモっていく~」
🦇「つっよ」
🖋「ちょっと誕生日登板禁止しないと
🐳「レギュレーションないんすかちょっとぉ~」

怒涛の勢いで加点してゆく銀貨先生選手。この勢いに待ったをかけることはできるのか。

東4局~もう1人のハタ芸人

ここまでは忍耐の展開だったコータ選手だが、この局ついに先制立直に到達。

ダブ東トイトイも見えていたところだが七対子で聴牌したなら悪い話ではない。

🦇「9pは……いっぱいいる(3山)」
🍵「いっぱいいますね」
🖋「じゃあ一発ツモか🚩」
🐳「100枚いてほしい」

ところが、話はそこまで簡単ではなかった。

うめちゃん選手からすぐに追っかけ立直が入る。

親のコータ選手の現物にあったことも影響してか、うめちゃん選手が銀貨先生選手から2pを打ち取る。

🖋「まあでも立直のみ🚩」

と思いきや中打点に早変わり。これが立直の強さである。

🍵「うわっ裏裏~」
🐳「そういうこともあるよね~」
🖋「やっぱ親の現物って強いですね」

Lusyaba選手のあまりにもきれいなフラグ回収が決まり、コータ選手は3着目で南入となった。

南1局~世界の均衡

南1局、親の銀貨先生選手の配牌がまたしても危険な香り。

3sがネックなこと以外は文句なしといった感じの配牌である。

そしてコータ選手から3sが余る。これを銀貨先生選手がチー……

と思いきやゆうれいいか選手からポンの声。
🐳「うぇーーーい」
🖋「救世主救世主」

東2局の西に続き、またしてもAPBの救世主となるか。

🐳「うぉえ~い」
しかし、誕生日補正はこの程度では抑えきれなかった。銀貨先生選手からまたも立直が入る。このまま無双されっぱなしではさすがにしんどいが……

ここはコータ選手の食い仕掛けがぎりぎり上回った。うめちゃん選手の聴牌打牌6mを仕留めてロン和了。

🍵「ナイス~」
🐳「これはでかい」
🦇「ナイスナイス~」
🐳「世の中のバランスとしてあれをあがらせてはいけない
いくら誕生日とはいえ無双されっぱなしで終わるわけにはいかない。まだ局数も残っている。勝負はまだまだここからだ。

南3局~頂上決戦

南2局は銀貨先生が1300点のダマテンで軽くゆうれいいか選手の親を流して南3局へ。

ところで、個人的にゆうれいいか選手について抱いている印象について少し語らせていただきたい。
一般的なイカは夜行性であるが、ゆうれいいか選手に関しては例外である。深夜に動いている姿も時折観測されるが、日付が変わる前に寝ていることも少なくない。
夜遅い時間になってゆうれいいか選手のパフォーマンスが落ちていないかというのが、この試合で個人的に最も気になっていたところだった。実際、前期Σリーグでも2試合目に登板したときはろくでもない目に遭っていた。

↑ろくでもない目の一例


しかし、今回の彼には秘策があった。

事前に仮眠をとることによって深夜帯の活動に備えたのである!!!
(……これそんなに文字数割いて書くことだったか?)

それはそれとして牌譜に戻ろう。点数状況としては上と下が離れた形。

🐳「銀貨先生に鳴かせてもいい」
トップ目の銀貨先生選手はコータ選手の下家。局を進めるために協力できるものならお願いしたいところだが……

今日の銀貨先生選手はとにかく手が入る入る。
🖋「おいおいおい」
🍵「ひえ~っ」
🐳「逆に鳴いてくれるかわからない、立直ある」

そのまま施しなど要らんとばかりに自力で役有り聴牌に到達。
🦇「やーっば」

しかも、この手にはさらに化ける余地があった。

🖋「あっ四暗刻!
🐳「ま、じ、で?」
🍵「あーっ」
🐳「ダメだって、ダーメだって」
🦇「いくら誕生日でもそれは……

4455566。多面待ちの例題のような形で高目四暗刻の聴牌。待ちは4p、5p、6pの三種類である。4pか6pなら四暗刻。ここで成就するのか、リーグ初役満。

ゆうれいいか選手から立直が入るが知ったことか。ツモ抽選を増やすためにカン。
ところが、このカンがさらに事件を呼ぶこととなる。

🖋「おいおいおいおいおい」
🍵「8pドラ乗ってるやばい!
🐳「やーべべべべべべべ」

ゆうれいいか選手の立直に新ドラがもろ乗り。ただでさえ高かった打点が倍増してしまった。

2着目の立直に対してさほど躊躇せずにカンをしたトップ目。明らかに異様な光景である。
しかし、親番のうめちゃん選手は現在ラス目。これを黙って見ているわけにはいかなかった。

危険地帯をかいくぐって執念の聴牌。
🐳「いや~ぎりぎりを打ってきますね、すごい」

極限の鍔迫り合い。実力者同士の息詰まる攻防である。
雀卓が最後に勝者として選んだのは……

ゆうれいいか選手。倍満ツモで一気に銀貨先生選手の背中に迫る。

🐳「まあ四暗刻よりは……」
🖋「四暗刻みたいな打点してるけど

オーラス~地に堕とされようとも

あまりにも痛すぎる倍満親被りを喰らったうめちゃん選手。持ち点はわずか1100点まで減ってしまった。

そしてこの配牌である。投げ出してしまいたくなるような牌姿だ。

🖋「ホンイツあるけど……」
🐳「満貫ツモ届かないもんなあ」

しかし、ここからうめちゃん選手の技術が光る。

あの配牌からホンイツ聴牌に到達。そしてここから東をカン。

🐳「あーそのルートがあった」

新ドラが乗っていればツモで逆転まであったがここは乗らず。しかし、意地であの配牌を満貫に仕上げてみせた。

うめちゃん選手への直撃が許されないのはもちろん、ゆうれいいか選手からも立直が入っている状態ではリスクも大きかった。これを見たコータ選手は手を崩す。
🖋「ああもう預けましたね」

最後は逆転トップを狙ったゆうれいいか選手の立直に競り勝ち、うめちゃん選手の素点回復で激闘は幕を閉じた。

🍵「よかった~。いやーすごかった……」
🐳「🦎がゴジラみたいになってた」
🦇「私1試合目でよかった~」

技と力がぶつかり合った、あまりにも熾烈な戦いであった。

試合後

🐖「いやー力でねじ伏せられた感」
🦇「かなり銀貨先生にバフかかってたね」
🖋「南3局のカンなんですけど、あれツモり四暗刻です」
🐖「やめてくれよもう……私が絡むところでそういうの」

🐖「銀貨先生良さそうだと思ったからガラクタ立直も打ったけど返り討ちにされたなって思って。素直に今日は力負け。すみませんでした!」
🍵「いやいや耐えての3着お見事!」
🐖「ああなると打っちゃダメってなるからもう耐えるしかなかったですね。ラスもあったから3着で耐えただけいいかなって展開でした」

結果は3着であったが、コータ選手だからこそ持ち帰れた3着ともいえる。
何度でも見返したくなるような、あまりにも濃密な半荘だった。

ANC PURPLE BATS +96.9pt 
現在、暫定2位。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?