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魅惑の朝鮮陶磁 謎解き奥高麗茶碗

根津美術館で開催中の企画展は現在は「魅惑の朝鮮陶磁」と「謎解き奥高麗茶碗」です。苦手というか、まったくわからないジャンルだなと思います。よくわからないだろうなあと思うトップの茶碗。その茶碗(や器類)のなかでもわからないな、と思っている朝鮮陶器。その大行進の展覧会です。
先頭は古い5世紀頃の壺。その後にわからないオブわからないと思っている青磁。青磁って綺麗だな、素敵だなと思うけれど、良さの差のようなものがよくわかりません。見ていて、今回の中では象嵌や鉄絵(黒っぽいような茶色っぽいような色で絵が描かれている)が可愛い!などと思ったりしますが、でも、なんというか重要性みたいなものやどこがどうというのはさっぱり。ひたすら可愛いとか、これ素敵だなあとかそういう感想しかありません。
青磁って青っぽいものやみどりっぽいものがあって色々ですが、どっちの系統も私は好き、どちらかというとあまり青すぎるというか青の色あいがぺたっとしているものは好きではないなとは思うけれど。そういうのは美術館にはないので全部綺麗だな、と思います。
亡くなった叔父(母の弟)が確か朝鮮陶磁器の研究をしていたはず。こういうのが好きだったのかなあとなんとなく叔父のことを考えながら見ました。亡くなる前に資料だとか韓国の研究者の人に引き取ってもらったりして色々、持っているものの行き先を決めたと聞いている。何かいら資料やらなにやらを集めている人の店じまいというのは大変なものなんだろうなあなど、そのときは思ったな、など叔父を偲びつつ、「でも、よくわかんないよ?」と心のなかで叔父に報告。
茶碗の本なんかも出していたので、茶碗好きだったのか?と思いつつ、白磁やら高麗茶碗やらを見る。こういう茶碗パレードを見ていると、わからないながらもすきな茶碗の一つや二つはできるので不思議。でも、やっぱりうっすらしか興味がでないので、「ごめん叔父さん」と心で思いつつ、謎解き高麗茶碗、奥高麗 茶碗コーナーへ。
びっくり。何がびっくりって茶碗の巨大さに。大きいですよ。これ茶碗なのかなあと思う大きさ。でも巨大で面白い。薄い茶碗なんかは、お皿では?と思うような形だったり。巨大でなんだか面白い。そして中では縁のところを黒くした皮鯨のが良かったです。なんだかいい。形かなあ。輝いているように見えて良かったです。そして、その前の古い形と、最後の展示の定型化されて国内で生産されたものを見ると、国内でこういうもの、と定型化されたものはやっぱり見た目がぱっと整っていてわかりやすいというか、現代人もぱっとみて綺麗に出来上がってるな、とわかるようになっていて、そういうふうに製品化というか、決定版みたいな型ができるものなんだなあと思う。巨大で面白い奥高麗茶碗コーナーは面白かったです。
歴史的な意味はさっぱり理解してませんが。
初期のものはどかーんとした自由さというか軽さ、巨大で重いものだろうけれど、心の軽さみたいなものがある。それが型ができてきちっとしてくると、また違う質感というか、違う世界になっていくんだなあと面白く見る。

2階はお雛様展示と百椿図という華やかな展示。お雛様のお道具は可愛い。私は特に楽器類を見るのが好きなのだけれど、今回は楽器類の展示は無し。お雛様のお道具で楽器というと雅楽や箏、琴などの他、能楽の楽器、三味線なども入っていたりして、その家とうか姫のセットによって色々違うもの。
こういう展覧会で美術館が持っているようなお雛様のお道具は大体宮家だとか大名だとかの姫が持っていたもの、大商人だけれどもやっぱり貴族から姫が嫁いできている人のところのものだとかそういうものが多い。今回は根津美術館なので竹田家、宮家ゆかりのお雛様のお道具ということになる。
日本橋の木屋が納めたものだ。三棚の展示もあったので嬉しい。棚の中では黒棚が格が高いんだっけ?貝桶も出ていて極少の貝覆はすごくかわいい。嫁入り道具では貝桶が格が高いんだっけ。姫が素敵な生活ができるように、生活道具のほとんどがセットされていて面白い。冠台だとか。使わないとは言わないところが姫。
お人形は女雛と男雛が上畳の上に。その横に牛車。この牛車が好きで、今回は牛が轅からとかれていて、牛車の横で牛はおやすみ状態でした。牛もよくできている。ミニチュアだいすきなので、ミニチュアラブを表題にしている近くの紅ミュージアムもいいな、とおもいます。こちらもお雛様展示。

お隣の茶会展示は春の展示。最初の絵は桜。
ここの展示も下の階の企画展とリンクしているものを感じることが多い。高麗茶碗も出ている。茶室展示は釣り釜。めずらしいなと思う。そういうものなのだそうだ。組んでいるお道具も面白い。ふにょーんと大きい茶入れにはびっくり。
春らしい明るさのある組み合わせ。
ここのコーナーの展示、使うように組み合わせてあるので、実は器展示のなかでもかなりわかりやすいというか、見やすいコーナーだなとおもっている。たんに器を展示するだけでなく、こう使う、こういうふうに組み合わせて使うつもりだ、という展示をしてもらうと、器や道具がつかうもの、道具として見得やすくなると思う。
茶杓なんかも、そりゃ詳しい人や審美眼がしっかりしている人は単独でぽかんと置かれていても、すぐわかるのだろうけれど、私はこういう流れで、この色々なものの中で使うよ、と展示される方が見やすい。ストーリーや組み合わせで見やすくなるのだと思う。

今回は苦手ジャンルの茶碗企画展だったけれど、いっぱい見ると、どこかに「これ好き」ができるので、苦手なものも見にいくと楽しい。

写真のお菓子は銘「弥生」。
春ですねえ。うっすらとした色が早い季節の花を感じさせます。

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