ダンジョンを超えて自然居士
セルリアンタワーの地下の能楽堂で上演された渋谷能に行った。「渋谷能」という企画のシリーズらしい。ふと、お能見に行こうと直前に思って行ける日行ける場所ということでチケットを取った。
出演者に発表会でお世話になる先生のお名前もあるし、ちょうどいいと出かける。
どうも、渋谷能シリーズは第一夜、第二夜とシリーズになっているようで、この日は第一夜。番組は自然居士のみ。こういう風に一番だけというのも、気軽に見に行けて良いものだなと思う。現に私も仕事帰りだし。仕事帰りにぱっと寄って見てもまだ8時台で帰れる。
こんな風に気楽に見られる機会が増えると嬉しい。平日夜のさらっと見られる催しはとてもいい。
自然居士もまた、さらっと見られる話かもしれない。話も登場人物もはっきりしているし、みんな生きてるし(当たり前じゃないのだ。「みんな生きてる」)。お能に馴染みがなくても分かりやすいストーリー。会話も多いし芸づくしで、からっと終わるのでおすすめだ。
バックグラウンドを知らなくても、ついていける話だし。
それに、最後に舞う羯鼓(スマホの変換で出てこない)という舞もリズムやメロディーが楽しい。毎回聞くと、好きだなと思う。他の舞も緩急がするりと切り替わる部分があったり、ぱっと切り替わるところが常とは違ったり、あまりお能の舞に馴染みのない人にも楽しめるようにとのサービスが感じられて面白かった。
自然居士は人買いに身を売った子どもを売った代金を自然居士が返して助けるストーリー。一応、親の供養のために身を売った子供は善、人買いは悪となっているけど、この話に出てくる人買いはそれほど悪くてしょうがないと言うほどでもなく、なんだかんだで子供を返してくれる。というところが見ていて穏やかな気分で帰れるところ。嫌がらせで自然居士をなぶってやろうとか言うけれど、所望するのは舞だしな。
仕事帰りに渋谷でお能をさっとみて帰るのおすすめです。
それにしても。渋谷のダンジョン化は相変わらず。もう一段落ついたのかと思ってたら甘かった。セルリアンタワーへ行くのにいつも使っていた出口を出たら、頼りにしてた歩道橋への階段が消失してました。
流石、ダンジョン。
ぐるぐるとさまよってしまった。正解は、くねくねと囲いがあるところを巡って小さいエレベーターで上に上がる。ほんと、ダンジョン。そこまで本気でダンジョン化しなくてもいいのにと思う。遅刻するとこだったよ。
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