御伽の森、主宰ダイゴのインタビュー(前編)

canavis あおばとレーベル代表のcanavisです、私は人が音楽を始めたきっかけや、音楽活動の歩みを知ることがとても好きで、本を作る際、その人の音楽ルーツを知ることを本の内容の一つの柱にしようと考えていました。

今回は、インターネットレーベルの御伽の森レーベルの主宰ダイゴさんの話をお伺いしようと思います。

個人としてバンドマンとして音楽活動をされている一方、御伽の森レーベルで主宰をして活動を進めているダイゴさん、彼の音楽活動のこれまでとこれからに迫ってみようと思います。


1.最初に出会った音楽

canavis よろしくお願いします。

ダイゴ よろしくお願いします。

canavis では最初に自己紹介をお願いしてもいいですか?

ダイゴ えー、はじめまして(笑) 御伽の森レーベルを主宰しているダイゴという者です。春から社会人になりました。よろしくお願いします!

て感じですかね(笑)

canavis ありがとうございます(笑)

canavis では、まず御伽の森の主宰としての前に、ダイゴさん個人の音楽の話を聴きたいと思います。

ダイゴさんと音楽との出会いについて聞かせてください

ダイゴ 始まりはクラシックだと思います、小学校入りたての頃から中学終わりまでピアノを習っていて、コンクールなどにも出ていました。

父親がクラシックギターをやっていて、家にはたくさんジャズやクラシックのレコードや楽譜があったので

小さい頃から本当に身近に音楽があるような環境だったと思います。

canavis 家族からの影響が大きかったのですね

ちなみにクラシックの作曲家ではだれがお好きなんですか?

ダイゴ  それ、結構むずかしいんですよ!(笑)

サティやラベルなどの印象派も好きですが、弾いてて楽しかったのはグラナドスやアルベニスなどの近代のスペインの作家です!

スペインの音楽はとても叙情的で、特にコプラと呼ばれる「歌いまわし」にあたるセクションが曲中に盛り込まれており

そこが他のクラシックのピアノ作品とはちょっと違ったところですね

ドラマチックで、ロマンチックなんです

現代の作家ですと、ロシアのバレンタイン・シルベストロフという人が好きです。

canavis ポップスやロックからではなくクラシックやジャズから音楽に入って音楽活動の始まりはクラシックのピアノ演奏ということですね

ダイゴ そうですね、いうなればクラシックはファーストインパクトです(笑)


2.ロック、ポップス音楽との出会い

canavis はい(笑)では、セカンドインパクトは?

ダイゴ セカンドインパクトは、中学一年で聴いたレディオヘッドです(笑)

当時、中学校の近くにツタヤが出来て、そこでロックやポップスのCDをレンタルしまくりましたね

あとメタル(笑)

canavis メタル(笑)クラシックの音楽が好きな人は何故かメタルも好きな印象がありますね

そのツタヤがロックやポップの入り口だったんですね

canavis 今までクラシックを聴いていたのが、レディオヘッドをきっかけに

ロックやポップを聞き出すようになったのですか?

ダイゴ そうですね、新鮮だったんでしょうね、それまでは本当にクラシックばかり聴いていたので

canavis レディオヘッドの何に心を動かされたのでしょうか?

ダイゴ ビートルズやストーンズ、ポリスなどは親が好きでよくかかっていたので洋楽そのものには全く抵抗がなくて、すんなりと入ってきたのですけど

レディヘのKidAはなんていうか、最初に聴いた時に、

聴いたことがない音だったんですよね、単純に(笑)

それまで電子音楽にまったく触れたことがなかったからですかね。

でもベンズがなんだかんだで一番好きなアルバムです(笑)


ダイゴ あとは、やっぱりメタルですね。

中二病をこじらせて、ドラゴンと剣で戦うジャケットや、骸骨や十字架のモチーフのジャケットに心を奪われました。

あと、そうですね、当時はツタヤの土日のCD5枚で1000円!みたいなやつで毎週のように

所謂"ジャケ借り"というやつをしてて、ジャンル関係なくあらゆる音楽をジャケットを基準に借りまくってましたね(笑)

canavis 自分もそのサービスにはお世話になりましたね

ダイゴ  その中でもハマったのは邦楽ではバンプ、アジカンで、洋楽ではレディへ、オアシス、ブラー、トラヴィス、

あとSUM41やシンプルプランなんかのUSのポップパンクも聞いてました。

メタルはソナタアークティカやラプソディなどのメロディックスピードメタルが好きでした(笑)


3.学生時代の音楽活動

canavis 中学、高校では音楽活動はされてましたか?

ダイゴ 中学ではしてなかったんですけど、高校で事情があってピアノを辞めてしまい、丁度その時期に友達に誘われてギターを始めましたね

それから高校生バンドみたいな感じでバンドを組んで、それからずっとってかんじですね(笑)

canavis なるほど、高校時代組んでいたバンドの音楽はどのような感じの音楽だったんですか?

ダイゴ 普通の歌モノのロックです(笑)コピーとオリジナルってかんじですかね、パンクやメロコアの要素が強かったと思います

canavis 世代的にはエルレガーデンのような?

ダイゴ まさに(笑)高校時代は狂ったように音楽聞いてましたね

canavis 高校時代に聴いた音楽はベースになりますからね

ダイゴ そうですね!ベースは間違いなく高校時代ですね。

高校生の時にディスクユニオンの存在を知って中古CDを買いまくりました笑

パンク、メロコアからはじまって、ハードコア、エモ、ポストロックなどを好んで聴いてました

canavis しかし、高校時代にやっていた音楽や聴いていた音楽と

今現在ソロやバンドでやられている表現とは少し離れてますね

大学時代にはサードインパクトがあったのでしょうか?

ダイゴ サードインパクトですね。

大学一年のころハードコアのバンドを組んでいたのですが、そのバンドがメンバーが抜けて解散し、

そのあとインストバンドを組んだのがサードインパクトですかね(笑)

さらに言うとピアノを改めて弾こうと思ったのもあります

あとDTM!(笑)

canavis ピアノを改めて弾こうと思ったきっかけは

ダイゴ 止めた理由が少し関係するんですけど

高1のときに交通事故にあって、左手足怪我して物理的に弾けなくなってしまったんですよね。

怪我が治って半年振りくらいに一度弾いたら全然弾けなくて愕然として、それで弾かなくなったんですけど、

いろいろ聴いたり、曲をつくったりする内に、上手くなくても、音数少なくても、いいんだなと思って(笑)

なんていうか、自分が表現したいものを表現できるだけの技術があれば良いって思って。

それでピアノを改めて弾き始めました笑

過去のクラシックやってた頃の自分には技術的に勝てないですけど、今の方が自由に弾けてるとは思います。

canavis クラッシックではない今の自分で作れる表現がみつかったんですね

ダイゴ  クラシックって突き詰めると弾いてる自分が投影機みたいな感じになっちゃうんですよねー。

プレイヤーとしての表現ってすごく難しくて

自分自身アナリーゼとかあまり好きじゃなかったですし(笑)

(アナリーゼ・・・その音楽がどう作られているか調べること、楽曲分析)

canavis クラシックは自分としてのオリジナリティを演奏に入れるのが難しいという捉え方でいいですか?

ダイゴ そうですね、オリジナリティは表現力の部分にしか出せないようなかんじです。完璧すぎて、解釈の遊びがないというか

楽曲そのものと、作者の意図を重んじなければいけないので、伝統を守る、継承するという

意味ではもちろん大切な事です、文化や伝統には継承や維持といった要素と変化、適応といった相反する要素があり

それらはどちらも蔑ろにできないと思います


4.バンド「おぼれる馬としゃべる沼」

canavis わかりました、話が少し戻りますが、ハードコアのバンドのあとに組んだバンドというのは

今現在につながる馬としゃべる沼(以下、うまぬま)と関連があるのですか?

ダイゴ ハードコアのあとに組んだのが現在のうまぬまメンバーもほぼ一緒です

(前身バンド「Grisaille」のオーディオリーフページ https://www.audioleaf.com/grisaille/)

これジャンル的には何にあたるんですかね?(笑)

canavis  (聴きながら)Grisailleいいですね、ジャンル名は・・・わかりませんね(笑)

うまぬま・・と前身バンドはどういったきっかけで始められたんですか?

ダイゴ 前身バンドを始めたきっかけは、完全にノリです。

ハードコアのバンドが解散する前に、地元のライブハウスのブッキングをしてる人の誕生日イベントに出ることになってたんですが、解散して出られなくなってしまったので、代わりになんかやろうかなと。

残ったメンバーが現在うまぬまの僕とgt/voの小林、baの樽沢、そして当時同時期に解散したバンドで仲が良かったDrの小脇でその頃はvocalもいなかったので、とりあえず気軽にできて楽しそうなばんどやりたいなとおもって

で、インストをやりはじめました、不明ですよね(笑)

canavis でも音源を聴くときちんと今のうまぬまに通じるコンセプトがあるように感じますね、いろいろな音が入ってるけど、芯は決まってるというか

ダイゴ そうかもしれません。地にある音楽は変わっていないと思うので、メンバーの個性というか、それぞれ通過して来た音楽は違うのですけど、好きなサウンドは一緒っていうのあるじゃないですか?(ないかな?笑)

それです!(笑)

あとはメンバーみんなオタクなので、めちゃくちゃいろいろ聞くんですよね(笑)当時から今もですけど

スタジオとかでもアレ聴いた?とかアレ知ってる?とかあのアルバムやばくない?めっちゃいいの見つけた!とか

そんな話ばっかです笑

canavis それはライブにいって演奏を聴くと感じますね

ダイゴ それ感じてくれるのめちゃくちゃ嬉しいですね!(笑)

canavis 音はこってるけど表現として感じるのはすごく分かりやすく

初めて聴く人にもすぐわかるような魅力を感じるのが不思議ですね

ダイゴ  そこは結構意識しているかもしれません(笑)個人的にバンドの曲作りで大切にしているのはプレイヤーとしての楽しさと楽曲の親しみやすさです

プレイヤーとしての楽しさを求め過ぎると難解なものになりがちで、見てるお客さんが置いてけぼりになってしまいますし

逆に楽曲がわかりやすいものであるほどシンプルでプレイヤーとしてはいまいちというか、

個々のテクや表現を押し出せないので

canavis  なるほど、楽しさと親しみやすさを意識してるからこそ、あの形での表現になっていると

ダイゴ そうです。ある意味料理みたいなかんじですよね、仕込みにめちゃくちゃ時間かけて、味付けや調理法をこだわるのは

美味しいもの創るためにやってるわけで、食べる人の「上手い!」を引き出せればそれでいいっていう。

その細かい「こだわり」の部分は表には見えないので、逆にいくらでも出来るっていうか

そこがプレイヤーとしての楽しみ何だと思います

わかりにくいですねこれ(笑)

ようは聴く人が聴くとめちゃくちゃ難解でこだわってるけど、あんまり聴かない人が聴いても「良い!」

って思えるようなのかっけぇなってことです(笑)

ゲームとかもメインのストーリークリアして満足する人とやりこみ要素とか突き詰める人とタイプわかれるじゃないですか?

どちらの人も楽しいって思えるようなゲームが素晴らしいじゃないですか、そんな感じですかね

canavis わかりますね、いわんとしていることは

ダイゴ ありがとうございます(笑)

(後編へつづく)


ダイゴ

 twitter→@NobutakaDaigo 

soundcloud→soundcloud.com/fumizukidaigo


御伽の森レーベル

twitter→@otogi_no_mori_

HP→otoginomori.com 


おぼれる馬としゃべる沼(うまぬま)

twitter→@uma_numa_ 

HP→uma-numa.com