2018年のベスト ueda編

文 ueda

随分音楽を聴かなくなった。振り返ると今年は老人のうわごとのようにクイーンを聴いていた。映画が素晴らしかったのも勿論だが、今まで気づけなかった彼らの曲の良さも理解できたからだ。

これはこれで楽しい音楽体験だったが対外的に見ればいささか退屈。いや、自分の怠惰が最大の原因である。

はっきり言ってかつてのような音楽に対する情熱はもう無い。それでも、ここに掲載する3枚のアルバムは何かしら僕の日常を揺さぶるものがあったし、この文章を読んでるあなたにも直感的に響いてくるんじゃないだろうか。

3.Arctic Monkeys/tranquility base hotel & casino
ギターロックの寵児と呼ばれてはや十数年の時を経た。
アルバムの冒頭で「俺はストロークスのメンバーになりたかった」とため息混じりに吐露する。もうあの頃のような性急なビートは消え失せ、ムーディでモダンに歌うアレックスの姿がそこにあった。

それは諦念なのか進歩なのかはわからない。だが、彼らは彼らのままで何も変わらずに素晴らしいアルバムを届けてくれた。賛否両論あったであろうが、筆者は絶対的に支持。

https://open.spotify.com/album/7v6FNgLDS8KmaWA1amUtqe?si=VX19f4hkQN2vu3GGqicmuQ

2.cero/POLY LIFE MULTI SOUL
彼らが「ダンスを止めるな」と歌ったのは2012年の頃。
良いとこなのか悪いことなのかはわからないがこの言葉の効力は2018年(そして2019年)においても効力を失わない。

彼らの音楽はパンクに近いものだと思っている。それは彼らのステップが怒りに満ちているからだ。
https://open.spotify.com/album/6JD9GiACPTf4symuPbpfPG?si=CFVzizd1QBuBSmtdSJcYhQ

1.サニーデイ・サービス/The CITY
このアルバムが無ければ2018年の新しい音楽には向き合わなかったのではないだろうか、と思えるほど重要な作品。

ポップでありながらも、エッジを効かせた曲たち、まるでホワイト・アルバムのように矢継ぎ早に繰り出される曲たち。

ストリーミングサービスをヒップホップ的に駆使するという点においても、彼らのようなバンド(というか音楽家)は見当たらないし、今まさに何度目かの全盛期を迎えている。
https://open.spotify.com/album/7EexNnMtCiuxkGrv5RwQLT?si=ElG78I2XRLigIkkxMeX6YA

■プロフィール■

ueda (blog http://manneedsamaid.tumblr.com/ )

(twitter @magicant_moon)