迫力のある悪役RPをやる方法


■はじめに

ここでは「(定期ゲーなどの交流の場において)迫力のある悪役RPをするにはどうしたらいいか」というテーマで一個人が自分なりに考えた手法を羅列していきます。
演出の話が主であり交流マナーについては言及していません。ご自身で良い感じに調整してください。
またRP時の状況次第ではこのnoteに沿うと却ってミスマッチになることもありますし、筆者自身も自論を無視してRPすることは多々あります。
ケースバイケースを念頭に置いて、肌に合うところだけ選び取っていただけるとうれしいです。

■迫力のある悪役RPをやる方法

【強烈な演出は繰り返さない】

凶悪な顔芸アイコンを用意したりテキストに太字・斜体・拡大などを重ねがけして恐ろしさを強調する、といった演出は悪役界隈でちょくちょく見かけます。これらは手短にインパクトを出せる優れた手段の一つです。
しかしインパクトがあるからこそ繰り返し使った際に飽きられるスピードも速いのです。クールタイムが長いと言い換えてもいいかも。
強い演出を連発して無理に悪役ポイントを稼ごうとするのではなく、
普段は悪役ポイントを損なう行為(善人・弱者・小物に見える行為)を避けることに注力してここぞという時に強い演出を使うという意識を持つと良いかもしれません。

【ミーム・パロディを使わない】

ネットミームやパロディといったネタを使うのは楽しいのですが、キャラが軽く見えてしまうデメリットもあります。迫力を出すという目的とは正反対ですので避けた方が無難でしょう。
もしキャラクターの性格上台詞がミームまみれになることが決まっているのなら、地の文だけは無機質・事務的な文体にしてなるべく読む人との心理的距離を離しておきましょう。

【キャラを物理的に高い位置に立たせる】

屋外なら建物の上や空中、屋内なら階段の上……
とりあえず高い所にキャラを配置しましょう。
人は高い位置に居る相手に圧迫感を覚え、逆に低い位置に居る相手には油断します。クマは怖いけど崖の上から来られるよりは崖下から現れる方がまだ対処できそうな気がするあの感じ。

【キャラをありえない場所に立たせる】

普通の人ではそうそう干渉できない場所にキャラを配置することは
「このキャラは常識から外れた・人間離れした存在ですよ」と伝える常套手段のひとつです。
天井からぶら下がってもいいですし、電柱の上、火の中、モニターの中、深海などに出現するのも良さそうです。
またはセキュリティが万全である筈の場所(大富豪の自宅リビング、軍のコントロールルームなど)に平然と現れるという現実寄りの路線もありです。
とにかく常識か物理法則どっちかを無視した行動をさせれば、
地の文に「このキャラは普通の人間ではない」と直接書くよりも遥かにイメージが色濃く伝わります。

【罵倒の語彙を増やそう】

たとえば「バカ」「まぬけ」といった言葉は子供の喧嘩でも出てくるくらい使いやすい言葉ですが、それだけに子供っぽく聞こえる時もあります。
たまに言うくらいなら良いですが、頻繁に罵倒したいなら日常的に使われない難しい言葉に言い換えたり、ちょっと遠回しな表現を用いた方が重々しく聞こえるのでおすすめです。
「バカ 類語」「頭が悪い 言い換え」とかで検索してください。

【小さな成功で喜んだり相手を煽ったりしない】

たとえば刺客を返り討ちにした時や他人をうまく騙せた時、悪役キャラとしては力を自慢したり相手を煽るようなセリフを書きたくなります。
一般的な悪い奴ならそれでもいいのですが、迫力が欲しいならそこはあえてリアクションを抑えましょう。下手に煽ったりすると逆に勝ち慣れてないように見えます。
性格的に煽りたがりなキャラの場合は普段からこまめに人を煽りまくって「慣れ不慣れの問題じゃなく元々そういう奴なんだな」と思われる土台を作っておくようにしましょう。

【自分が失敗しても気にしない】

失敗した時には思わず失敗じゃないと言い張ったり言い訳をしたくなってしまいます。それがPLのミスといった想定外の事態なら猶更です。
しかしこれらはあまりに普通の人っぽい反応ですから、親しみやすい(またはかっこわるい)と思われてしまう恐れがあります。
基本親しまれると悪役っぽさは減るのでこれは由々しき事態ですね。
なのでここは真正面から結果を受け止めましょう。自分に一杯食わせた相手を褒め称えたり、「おっと俺もまだまだだな」と冷静にコメントすることでなんか逆に器がデカい感じがします。なんでもいいので失敗した時こそ余裕を見せましょう。

【他人の失敗も気にしない】

ただの悪人ではなく器の大きさを描きたいなら、
他人の失敗を正面から非難したりせず寛容になりましょう。
優しくフォローする以外にも寛容さを表現する方法はあります。
「人間(一般人)風情には出来なくて当たり前」みたいな上から目線で流してもいいですし、そもそも細かい失敗なんか目に入ってない興味ないという態度でもOKです。

【ビジュアルを隠す】

正体がわからないものに対して人は警戒心や恐怖心を抱きます。
正体不明感を出すための方法は色々ありますが、分かりやすいのは直接姿を隠してしまうことでしょう。
全身を隠すのはもちろんのこと、体の一部を隠すだけでも効果があります。分かんなかったらとりあえず表情を隠しましょう。イラストなら目元や顔が見切れたり影がかかっていたりカメラに対して背中を向けさせることでなんだか不穏な感じに出来ます。
もちろんキャラの外見をずっと隠しておくことは現実的ではないので、
不穏さを演出したい時に一時的に隠すような使い方をすると良さそうです。

【感情を隠す】

正体不明感を出す方法の二つ目は「感情を隠す」というものです。
考えが読める相手よりも考えが読めない相手の方を人はおそれます。
何を考えてるか分からないということは何をされるか分からないということですしね。
普段は地の文や()で心理描写をするタイプの人も悪役キャラの時だけは
内面の描写を伏せてみると良いかもしれません。

【登場シーンに尺を割く】

登場時は少しでもいいので演出をつけましょう。
静かに歩み寄ってくる足元だけを先に描写する、
姿がない内に声だけが聞こえてくる、
邪悪なオーラがぐるぐると渦を巻いて人の形になる、
街灯が一斉に消えたあと闇の中から滲み出すように現れる等々……。
普段のRPなのか特別なイベントRPなのかで匙加減は変わってきますが、
とにかく登場の前にワンクッション置くだけで何となく存在感に重みを持たせることができます。

【イラスト:アオリ構図を使う】

アオリ構図(下からキャラを見上げているような構図)はキャラの身長が高く見えて何となく威圧感を与えることができます。ずっとアオリ構図だけ使うのは難しいかもしれませんが、特に怖い・不穏・威圧のイメージを強くしたい時はややアオリ気味にしてみたり、汎用アイコンを作る(依頼する)時にアングルに気を付けてみると良いと思います。

【イラスト:黒、紫、その他暗い色を使う】

色にもそれぞれ性質があり、ネガティブなイメージの色もあればポジティブなイメージの色もあります。具体的な例はネットで調べると出てきますが、黒、紫、その他の暗めの色は分かりやすく悪役っぽい印象をつけられます。
逆にパステルカラーは避けた方が無難です。
もしキャラデザをポジティブな色で構成したい場合、キャラ本体ではなく周りにネガティブイメージの強い色を使いましょう。背景色を暗くしたり黒っぽい所持品を持たせるだけでも印象が変わります。


■悪役がちょっと愛嬌を出す方法

悪役とは言えど、ちょっとくらい親しみやすい部分を出したい、怖がられたり憎まれるだけは嫌という場合もあるかと思います。
そういう時は上に書いた「迫力を出す方法」の内どれかと真逆の行動を取るようにしてみてください。緊張感が少しゆるみます。
悪役っぽさや迫力を出す要素とそれに逆行する要素の比重が最終的に前者側に傾いていれば、パロディネタを連発しても感情に振り回されていてもそのキャラクターならではの悪役としての迫力が生まれます。


■ホラー作品を観よう

悪役RPの参考文献としてそのまま悪役が出てくる作品を履修してもいいのですが、少し趣向を変えてホラー作品を履修するのもおすすめです。
悪は大なり小なり周りに恐怖を振り撒くものなので、恐怖演出にフォーカスするのも悪くないはず。
ゲーム、映画、漫画はもちろん、youtubeで怪談師さんがやってるチャンネルやホラー系の映像作品チャンネルを視聴するのもおすすめです。


■おわり

以上です。ご覧いただきありがとうございました。

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