サイキックフォース2012Tireリストと各キャラコメント ver2024.5

サイキックフォース2012のTireリストについてのお話です。


■Tireリスト

まず最初に結論から書きますが、次のとおりです。

 Tire1:ウォン/玄信/バーン/エミリオ
 Tire2:レジーナ/マイト/ウェンディー/キース
 Tire3:ガデス/パティ/ゲイツ/カルロ
 Tire4:刹那

 基本的にそのTire内で左にいる方が強い想定です。
 ここから下はなぜこういう結果になったのか、どう作ったのか、それぞれのキャラに対するコメントとかが続きます。
 個人的にTireリストはリスト単体ではあまり意味がなく、作ったプレイヤーがどういう基準でそれを作ったか、なぜそのキャラはその位置なのかというのが面白いところだと思うので興味がある人はしばしおつきあいください。
 ただ、かなりの長文になってしまったので評価基準と気になるキャラだけでも読んでいただければ幸いです。

 サイキックフォース2012の場合最近の格闘ゲームのようにキャラごとに大きな違いや固有のシステム等があるわけではなく、共通している部分が大きいので、それならばできるだけ同じ基準のなかでキャラの強さを評価しないといけないと思っていることもあり、今までもその基準でキャラランクを作ってきたのですが、今回はよりその基準を明確に作成してみました。
 ここで言うできるだけ同じ基準というのは、あるキャラを火力で評価したなら同じ程度の火力のキャラは同じくらいに評価しないといけない、という話です。ただ最終的に評価が異なるのはその他の要因が絡んでくるからで、ならばそのへんの要因をひとつひとつ見ていこうというのが今回の趣旨です。

■評価基準

 ではその基準は何かというと、これは俺が今のサイキックフォース2012で重視していることを基準としました。
 つまり【火力】 【速さ/早さ】 【崩しやすさ】の3つで、このTireリストは最後までこの観点で話すことになります。
 それらをもう少しだけ細かく分類して

・火力(壁無しコンボ)
・火力(壁有りコンボ)
・速さ(QD弱+本体)
・速さ(超能力技の発生速度)
・崩しやすさ

 という項目としました。
 これらを主な基準とし、ある程度実感に添うようその他重視されるであろう項目を追加しました。
 その追加項目が

・ND性能
・重量
・その他加点

 です。
 これらの項目を数字で評価し、その合計点でランクを決めました。
 特定プレイヤーのやり込み度やそれに伴うここ最近の大きな大会等の結果などは考慮に入れていません。完全に排除できるかは難しいところですが、平均的な上位プレイヤー(というのも難しい存在ですが)がこれくらいは扱えるだろうというラインを想定しています。

 ちなみに特定のプレイヤーのやり込みや大会結果を考慮したそのキャラの最大ポテンシャルでいいならウェンディーとパティをTire1にします。
 なので反映して個人的な印象を全開にした場合は

Tire1:ウォン/バーン/ウェンディー/パティ 
Tire2:玄信/エミリオ/マイト/キース
Tire3:レジーナ/ガデス/ゲイツ/カルロ
Tire4:刹那

 です。
 順位が大きく変わっているキャラ(ウェンディーとパティ)は実戦値が高かったりやり込みが反映されやすいとは思いますね。
 というわけで今回のTireリスト作成のベース資料が次の表です。

Tireリストベース資料

 各項目についてもう少し説明すると

・火力(壁無しコンボ):基本的なコンボのダメージを基準にして3点満点評価。重量限定とか安定しないキャラは0点
・火力(壁有りコンボ):基本的なコンボのダメージを基準にして5点満点評価。安定しないキャラは減点
・速さ(QD弱+移動):QD弱の発生の速さとQDの速度をそれぞれ3点満点で評価してその平均。
・速さ(超能力):超能力技の発生スピードを基準に5点満点で評価して削りやすいかで調整
・崩しやすさ:持っている超能力技で相手の防御を崩せる≒確定ダメージがあるかで10点満点評価。ウォンの完全なる世界を10点としてそれが基準。
・その他要素(ND):NDの性能で-2~+2の幅で調整
・その他要素(重量):キャラの重量で調整。重量級-5。軽量級+3。
・その他要素(その他):これまでの評価に現れない強いポイントや特筆する弱点を調整

 となっています。

■Tire1:ウォン/玄信/バーン/エミリオ

■ウォン【火力7/8点 速さ5/8点 崩しやすさ10/10点 加点±0点 計22点】

 実質的な全画面ガード不能攻撃である完全なる世界とそれに準ずる悠久の誘い、そして屈指の性能を誇る超能力技の戒めの洗礼。それらのシナジーが高く、相手に逃げたり待つことを許さずどんなときでもやることがあり相手に何らかの行動を強制できること。それがウォンの強さです。

 評価についてですが、完全なる世界による崩しやすさがすべてといっていいでしょう。これは完全なる世界が実質的な全画面ガード不能攻撃であるため発動を止めるには一定以内の距離にいなければならず、そうなると洗礼のプレッシャーと戦うことが求められることから満点にしました。
 投げの発生が早く軽量級のその場弱よりも早いため、割り込みに使いやすいのも明確なポイントです。
 なお、評価には含めませんでしたがバリアブレイクの持続後半をガードさせた際の硬直の短さや、対策があるキャラも多くいるとはいえ虚空の幻影による防御力の高さも強いと考える点です。
 唯一の弱点としてあげるならばそこまで高くない本体性能、とくにNDに至って最低クラスで明確な弱点ですが運命の選択や次元の瞬きなど補う手段もあるためにそこはプレイヤーの腕の見せ所でしょうか。
 評価に迷ったところは特になく(ウォンが上位になるように崩しやすさを10/10点としたのもありますが)今後もとくに評価が変動するようなことがない強さだと思うので、Tire1は不動でしょう。

■玄信【火力4/8点 速さ4/8点 崩しやすさ4/10点 加点7点 計19点】

 連炎符による点での場の支配と、対策こそあるものの符護術による防御力の高さ。強いというよりは崩れにくい安定感を持った試合運びができること。サイキッカーとは異なるルールで戦う強さ。それが玄信です。

 評価についてですが、本体性能はそこまで高くもなく壁無しコンボが痛いわけでもないのですが、この位置にいるのは兎にも角にも連炎符ですね。その加点を4点としたけれどそれ以上つけてもおかしくないかもしれません。評価にはくわえてませんが弱攻撃のリーチの長さ(金剛輪より長い!)も地味なポイント。あと地味にNDの拘束時間が短かったり弱ショットの硬直が短いのも強いところだと思います。また、対策があるキャラも多いものの符護術による防御力の高さも加点ポイントとしました。発生までの速さと札の密度が強いところでしょう。
 軽量級であることと連炎符、そして符護術がすべてといってもいいかもしれません。連炎符がなければちょっとリーチの長いお爺ちゃんです。
 弱点としては今一つ削り能力に欠けることと、思ったより高くはない崩しやすさでしょうか。連炎符・轟雷珠を軸とした崩しやすさをどう評価するかでランクも多少変動するかとは思うところです。
 ただ全体的に強いというより評価に現れにくい『厄介』とか『戦い辛い』が正確なところかな、と。
 連炎符による行動の制限と防御力の高さからくる安定感では抜群だと思います。

■バーン【火力8/8点 速さ7/8点 崩しやすさ0/10点 加点3点 計18点】

 最強の本体性能に最大級の火力と超高性能な弱ショット。これがバーンの強さです。前にも触れましたが、超能力技を使わず戦うのでもあればすべてのキャラはバーンの下位互換といっても差し支えないでしょう。

 評価としてもその【火力と速さ】で抜きんでており、いわゆるほかの殴りキャラがTire2に固まっているのにそこから抜け出てこの位置なのは、その性能の高さに他なりません。
 ネックとしては確定がないため今一つトドメを刺しづらく、最終的にはバリアブレイクとフェニックス等で択をかけるシーンがでてくることでしょうか。ただ超高性能な弱ショットをばらまきつつ通常最速のQDで突っ込んでいくだけでも相手に何らかの対処を迫るだけの十分な圧があるので、そのあたりを加点3点に含めています。
 また各超能力技の硬直が全体的に大きいところもネックになりますが今回そこが評価に表せていないというのもあります。どの技もハイリスクハイリターンではあるのでそのあたりの運用や適切なコンボチョイスが各プレイヤーの腕の見せ所でしょうか。
 ただスペック上はとても強いけれどその強さを活かすにはサイキへの理解や習熟が必要にはなってくるかと思います。とはいえ今後評価が大きく変動するようなことはないでしょうね。

■エミリオ【火力6/8点 速さ3/8点 崩しやすさ6/10点 加点3点 計18点】

 サイキックフォースといえば、と言っても過言ではないくらいサイキックフォースならではの性能が詰まっています。リフレクターを設置してのシーカーレイは360°オールレンジバトルということがどういうものであるか、確定ダメージを取る瞬間がいかに気持ちいいかということを比較的簡単に味わわせてくれる、超能力大戦の醍醐味が詰まったキャラ。それがエミリオです。

 評価については最低クラスの本体性能をリフレクター設置とシーカーレイによるレイブレイクにもとづく【崩しやすさ】とプリズムシールによる超能力技の【速さ】が補っており、高い位置にきています。そういう意味ではバーンと真逆でしょうか。何気にコンボ火力があるのもポイントです
 弱点としては最低クラスの本体性能でしょう。スピードこそあるものの移動の拘束時間も長く、QD弱の発生も重量級並(かわりにQD強の発生が早いという特殊な性能ですが) というのが悩ましいところです。
 シーカーレイをどれくらい評価するかで評価が変動します。今は崩しやすさ≒レイブレイクに6点つけてますけどここは個人の習熟度と相対するプレイヤーの対処習熟度にもよるので場合によっては5点でもおかしくないかもしれません。
 布石系のなかでも確定ダメージを取るのは比較的容易ですが、効果的に使うためにはプレイヤーの習熟度がものをいうところなのでやり込みがいもあり、とてもいい調整のキャラだと思います。

■Tire1総評

最初に【火力・速さ/早さ・崩しやすさ】の話を最後までしつづけると書きましたが、それぞれを高いレベルで持ち合わせたキャラがそろいました。
すなわち
ウォン【火力・速さ/早さ・崩しやすさ】
バーン【火力・速さ/早さ】
エミリオ【火力・崩しやすさ】
となり、玄信だけが特殊ルールでどれも持たずに強く、敢えて言うなら【崩されにくさ≒安定感】でしょうか。
自分たちの持つ強みを押しつけることで試合をコントロールでき、それが強いキャラたちだと思います。

■Tire2:レジーナ/マイト/キース/ウェンディー


■レジーナ【火力6/8点 速さ6/8点 崩しやすさ1/10点 加点4点 計17点】

 扱いやすい本体性能に安定した高火力コンボと発生の早い超能力技をもつ、もっともスタンダードなキャラ。それがレジーナです。

 評価としては最初に書いたとおり安定した高火力コンボとフレアブラストが主なポイントです。
 崩しやすさとしてはウィップブレイクを想定していますが、基本的には一度相手をダウンさせてから狙うことになるであろうこととウィップの操作が難しいことも踏まえ無いよりはマシくらいの1点としました。
 加点としては壁際生ブラストからのブラストがコンボになるところとそれによるプレッシャーにともなうバリアブレイクの入りやすさ、バーンに次ぐ性能の高い弱ショットを合わせて3点としました。(+1点はND性能です)
 崩しやすさに欠けるキャラの常としてどこかでブレイクをしかける必要がありますが、先のとおり対になるブラストが強力なため比較的やりやすい方だとは思います。
 上位互換に思えるバーンとの違いですが、バーンが高威力中回転なのに対して中威力高回転なところを活かせるかと比較的硬直の短い超能力技がポイントでしょうか。

 理論値的には十分強いはずですが、今一つ尖ったところがない、もしくはレジーナならではのウィップやナパーム、チェイサーを活かすのが難しくレジーナならではの印象に欠けるというのはあるかもしれません。またバーンのところでも触れましたがサイキックフォース2012の基本が詰まったキャラでもあるのでその強さを発揮するにはサイキへの理解や習熟が求められるのも難しいところかとも思います。

■マイト【火力7/8点 速さ4/8点 崩しやすさ0/10点 加点5点 計16点】

 ライトニングソードを軸に、鋭く伸びるQD弱で豊富なコンボを狙う。それがマイトです。
 評価としては軽量級のスタンダードな本体性能に安定した壁無し・壁コンボを持ち、全キャラ随一の性能を誇る強攻撃がポイントです。
 今回ライトニングソードの速さ≒削りやすさを3/5点としましたがここをどう評価するかがランク上のポイントでしょうか。
 ネックとしては確定ダメージを持たないキャラにつきまとう崩しにくさです。バーンやキースなどと同様マイトもどこかでバリアブレイクを仕掛けざるをえない場面があるでしょう。対になるソードのほかにバリアガードされてマイト有利なアンカーも持っていますが、これもどうしても読みでやらざるを得ず安定には欠けるところにはなってきます。キースのところでも述べますがその安定に欠けるところが評価にはっきりと表れて(表せて)いないので、そこの評価次第ではランクも変動するでしょうか。
 また、評価には反映されていませんが、QD弱の硬直が重量級と同じくらいで総拘束時間が長いところは地味にデメリットなところではあり、ライトニングソードを当てようとするとどうしてもQD弱を振らざるを得ないというのも安定には欠けるポイントです。これは俺がマイト使いだから感じるところではあるとも思いますが。

■ウェンディー【火力1/8点 速さ7/8点 崩しやすさ5/10点 加点3点 計16点】

 最速のQD弱とノーマルガードの上からでも高ダメージをたたき出すエアスラッシャーで近距離を制し、距離が離れればランダム性のあるフィールド操作系のアースゲイルで何かを起こす。それがウェンディーの強さです。

 EVOJapanサイドイベント等大きな大会でも実績を残しているキャラではありますが、今回は加味しないという前提ですのでそこは置いておいて考えました。先にも述べましたが結果ややり込みを加味するならTire1に入れます。
 評価についてですが、速さについてはQD弱とQD速度、超能力技の発生を合わせてトップクラス。他の殴り系キャラにはない、出せば何かが起きるかもしれないアースゲイルや 相手に対処を強いることができブレイクが確定するかもしれないトライクレセントを合わせて5点にしましたがここをどう評価するかがウェンディーのポイントでしょうね。
 やはり評価上のネックは壁無し、壁有りコンボともにコンボ火力に欠けるところでしょう。ここでポイントを大きく落としました。
 火力については冒頭でも触れた生エアスラッシャーがありますが、今回それは評価に含めていないので悩ましいところです。ここを加点ポイントにするかどうかでも評価は変わります。
 また、シルフィードダンスを加点ポイントとするかも悩ましいところです。生エアスラッシャーと合わせて加点すると評価上レジーナを抜きバーンに並ぶもあり、俺自身はそこまでのポテンシャルはあると思っていますが最初にも想定した平均的な上位プレイヤーが使ってバーンに並ぶかと言われると難しいところだとも思います。

■キース【火力5/8点 速さ6/8点 崩しやすさ0/10点 加点4点 計15点】

 小回りの利く高性能なNDによる機動力にくわえ、優秀な強ショットと豊富な超能力技による火力を併せ持ち超近距離戦を制する。それがキースの強さです。

 評価について機動力の高さがポイントです。同じタイプであるバーンやレジーナとの差がどこにあるかというところですが、やはり大きいのは壁無しコンボでしょうか。とはいえ、今回はそこの配分が少なめなのでそこまでの影響はなく、評価のつけ方次第ではエミリオやレジーナと並んでもおかしくありませんでした。
 また崩しやすさについては、確定を持たないキャラの常でバリアブレイクを仕掛けざるを得ませんが、結界際に追い詰めた際のトゥースやスパイン、NDの抑制にもなるプリズン、バリアガードされて反撃がないランスなど対になるものが豊富であるため、安定こそしないものの十分なプレッシャーをかけることができます。
 安定という観点では強さを活かすためにはどこかここぞというところで生トゥースをパなす必要があると俺は考えていますが、今回の評価法にはそのあたりの安定感が加味されていないので評価が高くなったというのはあるかもしれません。
 世間的にはバリアブレイクが滑りやすく相手がバリアを張っていても割れないことがあるため評価が低くなりがちですけど、今回の評価法ではそこを加味していない(加点ポイントで減点もしていない)ので考慮外です。

■Tire2総評

 キャラとしては十分強いし、野試合でも勝てるけれど大きな大会で優勝したらびっくりするかも。そんな感じのキャラたちかなと思います。
 キャラの傾向もよく似ており、いわゆる【軽・中量級の殴りキャラ=非設置系キャラで発生が早い超能力技を持っているが崩しにくいキャラ】が揃いました。
 そのため超能力技とバリアブレイクでの択をかけざるを得ない場面がでてきます。各キャラのコメントでもしばしばでてきましたが、そのために安定感に欠けるというのもこのTireの特徴かなとも思います。
 なのでアースゲイルとトライクレセントを持つウェンディーが崩しやすさという点では一歩抜けているというのはあるかもしれません。
 ちなみにここの4キャラが全員装着系超能力技を持っているのは、相手との距離が離れたり相手が攻めてこないときにやることがあるようにという配慮なのだろうなといまさらながらに思います(バーンも同じくですね)。このあたりの装着系超能力技がもっと劇的に強ければ相手につけさせないようにする動きをとい強いれたでしょうか。
 主に崩しやすさになりますが、各キャラの評価に欠けているものに関して新しい発見があればTire1に上がるかもしれません。ですがこの段階まで来ると発見よりは欠けているものをどうやって埋めるかがプレイヤーの腕の見せどころでしょう。

■Tire3:ガデス/ゲイツ/パティ/カルロ

■ガデス【火力8/8点 速さ4/8点 崩しやすさ4/10点 加点-3点 計13点】

 バーンと同等の火力とQD速度、キースよりも短いNDの拘束時間に発生フレーム一桁台の高威力超能力技にフィールド操作系超能力技を併せ持つ屈指の高火力投げキャラ。それがガデスです。

 こう並べるとスペック的にはとても強く思え、作成中は実際に上位にもきていましたが重量級というのがかなり大きいネックになり、重量補正を加えて今の位置となりました。
 評価についてですが、火力も速さも崩しやすさもあるのですが、やはり重量級補正が厳しい。これがなければ数値上はバーンと同等の評価になっていました。……スペック上バーンとガデスが同等になるためどうやって差をつけるかを考えた結果の重量級補正なので当然といえば当然なのですが。また、メテオブッチャーの発生が早いとはいえ削りに使えないのも悩ましいところです。
 QD弱の発生の遅さとグラヴィティーによる崩しやすさ、また今回加点要素にしなかったアステロイドベルトの存在あたりをどう評価するかで評価も変動するかと思います。俺はQD弱の遅さは明確なデメリットと考えていますがそこを気にしなかったりグラヴィティ―の崩しやすさを高く評価すればTire2に入るでしょうか。

■パティ【火力3/8点 速さ4/8点 崩しやすさ6/10点 加点-1点 計12点】

 点の支配である玄信、線の支配であるエミリオとならび、面の支配をする音塊で死角からの攻撃や確定ブレイクをしかけるサイキックフォース2012屈指のテクニカルキャラ。ポテンシャルは全キャラ中最大といってもいいけれどもそれを引き出すにはあまりにも難しく、関西では『人類には早すぎるキャラ』とまで言われたキャラ、それがパティです。

 上位プレイヤーのやりこみによりEVOJapanサイドイベント等大きな大会での活躍は目覚ましく、ポテンシャルの高さは証明されてきていますのでそのあたりを考慮するならTire1にはします。ですが、それを今回想定している平均的な上位プレイヤーがある程度再現できるかというと難しいでしょう。
 評価について、布石キャラの例にもれず移動性能は悪くそのために速さの評価も低くしましたが、QD弱の発生そのものはウェンディーに次いで2番目と早いので正面切っての殴り合いは思っているより強いです。ただ殴りダメージが低く、超能力技ダメージも低いためコンボ火力が低いところが悩みどころです。
 つぎに崩しやすさのところで6点をつけましたが音塊共鳴で確定を取るのはかなり難しく、正直甘目の評価ですがどれくらいが適正かというのは悩むところです。
 唯一無二である超能力技に対する当身、リバースノイズについては今回加点にしませんでしたが、加点評価してもよかったかもしれません。
 音塊を使いこなせば確定ダメージや高火力も実現できますが、そのためにはかなりのやり込みが要求されるため、今回のように平均的な上位プレイヤーを想定した場合に高い評価となるのは難しくなります。ただ繰り返しになりますが、ポテンシャルは全キャラ中最大最深であり、とてもやりこみがいのあるキャラであることは間違いないでしょう。


■ゲイツ【火力6/8点 速さ4/8点 崩しやすさ5/10点 加点-4点 計11点】

 発生・弾速・判定に優れた拘束技プラズマカノンを軸にスタンコレダーによる制圧とクラッカーによる崩し。それらで戦いながら隙あらば全超能力技中最高火力を誇るパイルバンカーを叩き込む。それがゲイツです。

 評価についてですが、ガデスと同じくスペックはけして悪いわけではありませんが、重量級であるというか身体の大きさで評価を下げました。
 あとはQD弱の発生が遅いことも大きなネックでしょう。ただゲイツの場合QD弱で殴るくらいならカノンを撃つことも多いであろうためそこはどう評価するかによるかもしれません。
 速さについてはプラズマカノンとコレダーをあわせて7点としました。カノンの削りはNGした相手が結界にあたらなければダメージにはつながりませんが、速さと判定の大きさは十分な脅威だと考えての評価です。
 崩しやすさはクラッカーからのブレイクがあるため5点としました。
 ガデスと同じくQD弱やその場弱の発生の遅さ、重量級であることをどう評価するか。崩しやすさや超能力技の発生の早さをどう評価するかでもう少し変動するかもしれません。
 個人的にはQD弱の遅さなどからどうしてもハイリスクハイリターンな生カノンに頼ることが多くなり、そのヒット率が勝率に直結するところが今回の評価に現れない辛いところだと思います。

■カルロ【火力5/8点 速さ4/8点 崩しやすさ2/10点 加点-1点 計10点】

 唯一無二のハイドロトラップで相手の打撃・投げを牽制し、隙の少ない超能力技で相手を追い詰め、削ってゆく。それがカルロです。

 評価についてですが、本体性能は悪くないものの発生の早い超能力技がスパイラルしかないことと崩しやすさに欠けるところが今一つ伸びにくい原因となりました。
 超能力技の速さでは発生22fのスパイラルが想定されていますが、放射系でないことを考慮して5点にしました。ブレードでNDを抑制しながらというのがどこまで機能するかで評価も変わるとは思います。
 崩しやすさはマインを設置しての確定ブレイクを念頭に置いていますが、結界に追い詰めての状況にもっていくのが難しいことなどから2点としました。ここはもうちょっと高くてもいいかもしれません。
 悩みどころとしてはハイドロトラップをどう評価するかでした。ハイリスクハイリターンではあるものの持っているというだけで相手の足を止めさせる効果があるため、加点要素としてもいいかもしれません。
 カルロのキャラコンセプトとしてトラップで足を止めさせて発生が遅いが反撃を受けにくい超能力技で攻めたてたりマインを設置して攻めていくことが想定されているのだろうなとは思うところです。

■Tire4:刹那

■刹那【火力1/8点 速さ3/8点 崩しやすさ0/10点 加点±0点 計4点】

 豊富な飛び道具系の超能力技で遠距離から相手にプレッシャーをかけ隙を見て相手のPSYゲージを奪うクラウドを撒き、結界を闇に染めあげて為す術がなくなった相手を圧殺する。それが刹那です。

 ……なのですが、残念ながら現状そうなってはいません。基本コンセプトはおそらくそうなのでしょうが、この立ち回りで勝つことは正直難しいでしょう。
 評価についてですが、安定した火力がなく、早さもなく、崩すのも難しく、移動性能も悪いということになりました。QD弱そのものの性能は悪くありませんが、壁無しコンボが軽量級に安定せず、壁コンボも安定しないためそこからの火力につながらないのが厳しいところです。
 稼働当初のように砲台キャラとしてやっていくにはさすがに厳しく、性能自体はそこまで悪くないQD弱や弱ショット、強ショットで攻めながら隙を見てクラウドを撒き、貴重な超能力技チャンスを狙っていくことになるでしょうか。

■Tire3・4総評

 このTireリストは【崩しやすさ・火力・速さ/早さ】という理論に支えられているのでここでもその話をしますが、ここのキャラたちはそれらを持っていないか、持っていてもそれを上回る欠点があるか、ということになります。
 ここのキャラたちをまとめるなら【キャラのコンセプトはどのキャラもはっきりしており唯一無二の技をもっているため面白さもあるが、それを活かして戦おうとすると難しい≒安定しない】となるでしょうか。
 ガデス・ゲイツは【火力】があり【崩しやすさ・速さ/早さ】もそれなりにあるものの重量級であることによるQD弱の発生の遅さと判定の大きさというデメリットがあります。この二人は重量級でないならもっと上になったでしょう。
 カルロはこれらの要素をそれなりには持っていますが十分かというとそれには乏しく、刹那に至ってはどれも欠けていると言ってもいいでしょう。彼らは火力こそ出せなくはないですが、それも安定してるとは言いがたいと思います。
 パティはこの三要素の全てについて高いレベルで持ち合わせることのできるポテンシャルこそ秘めてはいるものの、それには相当なやり込みが求められるため、そのやりこみ部分を加味しない今回のような評価ではやはり乏しいと言わざるを得ないでしょう。
 ただここのキャラたちがもつ超能力技はどれも個性的で魅力的なのもたしかだとは思います。これらのキャラでも勝てることは先人たちが見せてくれているので、腕の見せ所ともいえるでしょう。

■最後に

 そうなるように作ったのもありますが、各Tireごとに特色が出ました。

Tire1:【火力・速さ/早さ・崩しやすさ】を高いレベルで併せ持ち、自分で試合展開をコントロールできるキャラ+特殊ルールの玄信
Tire2:【火力・速さ/早さ】を併せ持つが崩しやすさに欠ける殴り系キャラ
Tire3・4:はっきりしたコンセプトのもと唯一無二の技を持ってはいるが、それを活かすのが難しいキャラ


 というのが現時点での印象です。
 各キャラを使っていく上ではTire1のキャラは長所を伸ばし、Tire2のキャラは欠けているところを補い、Tire3・4のキャラは唯一無二さに磨きをかけていく、ということになるでしょうか。実際の対戦を見ていてもそういう印象です。
 あくまでキャラを単体で評価しているため、特定の相手との組み合わせなどは考慮されていないのでダイヤグラムを作成してその合計点でのランク付けとはまた違ってくるとは思います。
 今回これを作ってみて自分がどのキャラをどういう目で見ているのかというのがあらためて整理できたのは面白いところでした。今後の対戦に活かしていきたいですね。
 今回はあくまで俺が俺の理論にもとづいて作成したTireリストとなります。皆様のTireリストやそれがどういったものにもとづいて作られたかなど読んでみたいと思うので、もし機会があれば作成してなぜそうなったのかを語っていただきたいです。
 自分でも驚くくらいの長文になってしまいましたが、ここまでおつきあいいただきありがとうございました。

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