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薬では治せないもの

随分久方ぶりにそれは訪れた。

未だに何なのかわかっていない。
名前も無い。あっても教えないでほしい。

常に、心臓に圧を感じる。
誰かの手が近くにあるけど、触れてないけど存在は感じる、それが心臓に居る。

どうしてそうなるのかも、治し方もわからない。
忘れた頃にやってきて、私を世間から少し引き剥がして。気付いたら消えている。

ここ数日、かなり気圧が低いようだけれど、
そんなことは関係ないはずだ。
あってたまるか。

こういう時、薬は効かない。
効くかもしれない。効いてたまるか。

大好きな小説を一冊、枕元に置く。
明日になってもまだ居たら、この小説に頼ろう。
いつも、同じ場所まで沈んでくれる。


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