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NDD方式に隠されたリスク

FXのトレーダーの中にはNDD方式が絶対的に良いと推奨する人がいます。確かに、「ネット情報のDD方式とNDD方式の内容って本当?」に記載したようにトレーダーからすれば市場に自分の資金が投入されるし、変な理由で口座凍結になりにくい等、一見NDD方式の方がいいと思うかもしれませんが、実はお伝えしているデメリット以外にも一般的には知られていない大きなリスクがあります。

そのリスクはFX取引の仕組みに関係します。FXではトレーダーは各口座を保有してトレードをしていますが、実はNDD方式で市場に資金投入される際には各トレーダーの口座という概念はありません。あくまでそのFX会社からの取引の内のひとつという概念になるのです。

簡単に言うと市場ではそのFX会社には1口座しかないということです。

どういうことかというと、各トレーダーの口座はあくまでそのFX会社の中で資金管理をしやすいようにシステム上で資金を口座毎に分けているだけなんです。市場ではそのFX会社のNDD方式の資金は全て1口座にまとめられて取引されているんです。

これが大きなリスクになる可能性があります。

例えばAさんとBさんがそれぞれ1口座毎持っていて、それぞれ100万円の資金でトレードをしているとします。その場合、トレーダーの感覚では自分の口座にある100万円を利用してのトレードですが、市場ではそのFX会社の口座に200万円の資金がありその200万円を利用してトレードをしている事になります。

ここで、AさんとBさんが共に50万円利益を出したとしたら、もちろんそれぞれの口座残高は150万円毎になります。市場でのFX会社の口座残高も300万円になります。逆にAさんとBさんが共に50万円損失を出した場合はもちろんそれぞれの口座残高は50万円になり、市場でのFX会社の口座残高も100万円になります。

ここで気づいた方もいるかもしれませんが、じゃあ、仮にAさんはトレードをせずにBさんだけがトレードを行い150万円の損失を出した場合にどうなるかということです。

Aさんの口座はトレードをしていないので100万円の残高のままですが、Bさんは100万円の資金に対して150万円の損失ですから-50万円となり、50万円を支払わなければいけません(追証50万円になります)。

ここで市場のFX会社の口座残高はどうなっているかといえば、残高は50万円になるんです。

「なぜ?」とは思わないでください。実際に市場に資金が投入され、資金以上に50万円損失をだしているんですから、その分どこかの資金が減る訳です。その減る資金と言えばFX会社の資金が減るのは当然です。それがNDD方式です。

実際にAさんの資金がBさんの損失分にあてられているんです。確かにAさんの持っている口座の資金は減っていません。でも、実際の資金は減っている。これがNDD方式の大きなリスクなんです。

もしこのBさんの様なトレーダーが多数発生し、さらに追証を支払わなかったらどうなるかわかりますよね。全てFX会社の損失となり、その額が多ければFX会社は破綻し、最悪Aさん達に資金は戻ってこない可能性が発生します。

これがNDD方式の最大のリスクです。このシステムはFX会社でもどうすることもできないシステムです。たぶんネットでNDDを推奨する情報を記載される方はここまで知らずに記載されているのでしょうが、実はこれはとてもすごいリスクなんです。本来であればキチンと調べれば分かるはずなのですが、そこまで調べずにネット情報のリライト(書き直し)で情報発信している方が多いのであまり知られることのない事実になっています。

※ここから私見を交えて記載していきますのでご了承ください。

この様なリスクが顕著に表れるのは急激な相場の変化が発生した時です。

両建ては万全ではない?(FXの裏側から見る昨年年始の急激な相場変動についての私見もあり)」でも記載した時期にNDD方式を取り入れているFX会社を見ているとまさに同様のことが発生していました。

よく知っているFX会社から聞いた話では

その時にBさんの立場となったトレーダーの言い分で多く見られたのは資金を失ってそれ以上の追証なんて払えない、というより払いたくない。負けたのはFX会社が相場操作をしたんだろうという全く根拠のないい理由で追証を支払わない、場合によっては裁判をするという。

身勝手な話です。

FXは勝っても負けても自分のトレードの結果です。損失も全てトレーダーの責任なんです。追証をだしてしまった時には必ず支払わなければいけないと思っておいてください。それが嫌ならそのようなトレードをしなければいいんです。

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