物語を学ぶ理由
受験生だったころ、物語が苦手だった。文系だったにもかかわらず。
「人の心とか何を感じたとか、そんなの人の勝手じゃん」
そう思っていた。
それなのに、なぜ物語というものが受験にあるのか?
この答えに気づいたのは、残念なことに40を過ぎてからだった。
政治家の言葉を聞けばわかるだろう。彼らの言葉がなぜ心に響いたり響かなかったりするのか?
人の心に届くのは説明文ではない。
心に届くには、魂を揺さぶるような言葉と、それを勢いづける熱意が必要なのだ。
物語は、人の心の襞に浸みこむような言葉を操るために、そしてまた、人の心を理解するために学ぶものなのだ。
学生時代は、「学校の勉強なんて社会では役に立たない」と思っていたし、そう言う大人もたくさんいた。
断言しよう。それは間違いだ。
経験を経て初めてその本当の意味を理解できることがたくさんある。
本気で学んだものは、あなたが経験と知識を融合させる意識を持ち続けている限り、必ず役に立つ。
「ああ、あれはこういうことだったのか」と。
死のその瞬間まで。
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