前歯の抜けた老婆のエピソード

高校2年生のとき、駅前で1人ぼーっと座っていたら、前歯が1本だけない老婆に話しかけられた。前歯がないことに気づいたのは、老婆がニコニコ顔だったからだ。

老婆「すみませーん。あなたは普段、大切な人やご家族のために祈ったりしていますか?」

ぼく「はい。してます。」

老婆「え…してるんですか…(なぜかギョッとされる)」

ぼく「はい…毎日…」

老婆「じゃあ今からあなたに祈らせてもらってもいいですか?」

ぼく「いいです」

老婆「え、いいんですか?」

ぼく「あ、いや、よくないってことです。スミマセン…」

老婆「あ、そうですか。すみません…」

今思えば、ぼーっとした顔のぼっち高校生は、誰から見ても非常に話しかけやすい存在だったんだと思う。道を尋ねる人(なぜかキレ気味)・宗教勧誘・募金詐欺・知らんグループの集合写真の撮影など、いろんな人たちが私に気軽に声をかけて何か頼み事をしては通り過ぎて行った。

筋トレして体重を20kg増やし「ガタイのいい成人男性」になった最近では、見知らぬ人に声をかけられること自体がめっきりなくなった。ま、オチはないんですけどね。ハッハッハッハッ(完)


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