モンスター図鑑(@僕のバイト先)

 仕事を辞めて無職となったが、何かしらの社会活動に参加しておかねば、人として腐ってしまう。そう考えて、近所のスーパーと蕎麦屋でアルバイトを始めた。掛け持ちである。
 今日は、スーパーの方にやって来る、奇妙なモンスター(客)達の生態や特徴について、思い付く限り記していこうと思う。


口笛小僧

危険度:☆
ウザさ:☆☆☆☆☆
出現率:☆☆☆

 イヤホンを両耳に付け、ピューピューと口笛を吹きながら店内に進入してくるガキ。出現したら口笛が聴こえ始めるので、すぐに分かる。ガキと言っても高校生くらいで、身長は高め。顔は微妙。菓子売り場をウロウロして、駄菓子やジュースを買っていく。その間ずっと口笛を吹いているので、非常にやかましい。口頭で注意してやるべきか悩んでいる。

声帯を失った者達

危険度:☆☆
ウザさ:☆☆☆☆
出現率:☆☆☆☆

 不特定多数。こちらが「ポイントカードはお持ちですか?」「お箸はご入用ですか?」などと話し掛けても、声を発さないまま手を振って拒否だけしてくる。どんな教育を受けてきたのか?本当に不思議である。「はい」とか「いいえ」とか、そんな事すら口にできないのか?日常生活、ちゃんと送れてるのか?
 また、進化版に『鼓膜を失った者達』も存在する。彼らはこちらの言葉を全てガン無視し、こちらの指示を待つ事なく勝手に精算機へと進んでしまう。なので、僕はわざわざ奴らが進んだのとは別の精算機に案内してやるようにしている。

トマトの箱は要らない人達

危険度:☆☆☆
ウザさ:☆☆☆☆☆
出現率:☆☆

 不特定多数。その名の通り。箱売りのトマトを買ったくせに、「あ、箱は要らないのよ〜(汗」と面倒な事を言ってくる奴ら。ほぼババア。その度に僕は不機嫌そうな表情で箱からトマトを出し、薄いビニール袋にトマトを一つずつ入れていく。忙しい時に言われるとマジで腹が立つ。バラ売りのトマトも置いてるし最初からそっち買っとけよ死ね。ボケが。

リアルモンテマン

危険度:☆☆☆☆☆
ウザさ:☆
出現率:☆☆

 モンテマンって知ってる?『スーパーマリオサンシャイン』ってゲームに出てくるキャラクター。ずっと元気そうに頷いてるんだけど、コイツはそれをリスペクトしたかのような動きでレジに現れる。思わず笑ってしまいそうになるので、危険度は高め。ていうか笑ってる。何も言ってない時ですらめっちゃ頷いてるから、ちょっと怖い。でも笑う。面白いから。

動物園在住の方

危険度:☆☆☆☆☆☆
ウザさ:☆☆
出現率:☆

 めちゃくちゃ臭い。ガチで吐きそうになる程に臭い。近くに来て欲しくない。近くを通りたくない。幸い、買い物をすることはなく、無料のミネラルウォーターを専用の容器に補給して帰る。何故だか知らないが、いつも合羽のような何かを着ている。とにかく臭い。間違いなく動物園に住んでいる。それかもう動物。動物が人間に化けてる。そういえば、ちゃんと顔を見て、人間かどうか確かめた事はない。しかし、近付いて確かめる勇気もない。

妖怪ニイチャンハシヒトツ

危険度:☆
ウザさ:☆☆
出現率:☆☆☆☆☆

 レジに来るやいなや「ニイチャンハシヒトツ」とだけ呟き、その後は何も言わない。それ以降は声帯を失うらしく、こちらの問い掛けには手だけ振って応じる。まあそこまでウザくはない。ほぼ毎日、汚れた作業着でスーパーに来ているので、仕事帰りに寄っているのだろう。臭くはないので助かっている。臭い客は本当に嫌いだ。
 これは余談だが、臭い客が来た場合、僕は大袈裟に息を吸って口を膨らませて呼吸を止め、お前臭いよアピールをしている。風呂ぐらい入れやカス共が。あと服も洗え。てか死ね。

妖怪オマエテデメシクウンカ

危険度:☆☆☆
ウザさ:☆☆☆☆☆☆
出現率:☆☆

 客が惣菜や弁当を買っている場合、僕はマニュアルに従って「お箸はご入用ですか?」と訊ねるのだが、それに対して「アタリマエヤロ。オマエテデメシクウンカ」と返してくる腐れ野郎。いやいや、お前の家には箸がないのか?と返しつつ両目に箸を突き立ててやりたくなるが、そこは何とか青筋を立てながら我慢している。これが大人というモノだ。

 1/29 今回はここまでにしておく。

タマゴ乞食

危険度:☆☆☆
ウザさ:☆☆☆☆☆☆☆
出現率:☆☆☆☆

 不特定多数。特売のタマゴを求めて会計(レシート)を分けようとしてくる乞食共。マジでキモいしウザい。大抵は貧乏くせえ格好のババア。この書き方では理解できない人もいると思われるので、詳細に解説する。
 ウチのスーパーでは、週に2回、タマゴの特売が行われる。『税抜500円(タマゴ以外で)以上のお買い物で、タマゴ1パックがおよそ半額になる』という内容のキャンペーンなのだが、『お一人様1パックまで』ではなく(これなら子供連れの客などが何パックも買えてしまうため)、『1回の会計につき1パックのみ』という制限付き。それがタマゴ売り場に明記されているにも関わらず、何パックもレジに持ってきて、会計が500円を超える度に「一旦ここまでで会計して」などという寝言を放ち、タマゴを半額で何パックも購入しようとする。……この説明で、ご理解いただけただろうか?あまり自信がない。
 その逞しいとも言える乞食根性には、普段は温厚かつ虫も殺さないような性格で知られるあかしょん♤でも 流 石 に 腹が立つので、丁重にお断りするようにしている。「すみません、2パック目以降はレシート分けても定価になってしまうんですよ〜」。しかし、そういう客は無駄に持ってきたタマゴを売り場に戻してくれるなんて事はなく、後で僕が不機嫌そうな表情でタマゴを何パックも抱えて売り場へと戻すのである。たまに清掃の人に任せる事もあるけど。

めちゃくちゃ吃るジジイ

危険度:☆☆
ウザさ:☆☆
出現率:☆☆☆☆☆☆☆

 ほぼ毎日、姿を見せる。いつも赤い上着を着ているが、不思議と臭くはない。ちゃんと洗っているのかも知れない。会計を済ませた後、「とっ、ととととと透明のスプーン下さい」(原文ママ)と言う。たまに言わない時もある。そして最後に「はいどうも〜!」と言って去る。こちらがそれに反応せずにいると、何故だか知らないがなかなか帰ろうとしないため、軽く会釈をしてさっさと追い払うのが吉だと最近になって気付いた。

何時間もイートインスペースに居座るカップル

危険度:☆
ウザさ:☆☆☆
出現率:☆☆☆☆☆

 よく分からん。家ないのか?何度も惣菜や飲み物を買ってはイートインスペースに持ち込み、食事を繰り返しているカップル。男の方は見た目が韓国人っぽいが流暢な日本語で話し(そもそも口数は少ないが)、女の方は顔も喋り方も少し変な上に挙動不審である。ウチのイートインスペースにはコンセントも設置されており、スマホの充電やらで学生達にも人気なのだが、この二人はそれを利用している訳でもなさそうなので、本当にホームレスなのかも知れない。

 2/4 後半3項目を追記。

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