見出し画像

【リーグ初勝利】3/10 J1第3節 湘南ベルマーレ戦 レビュー

 リーグ戦の初白星を飾り、苦手とする3バックを敷く相手(守備時には両WBが下がるため実質5バック)に対して3ゴールを奪うことができました。
 課題のセットプレーから失点してしまい、会心の勝利とはいきませんでしたが、得点時に見えた3バックに対する攻略法などを振り返っていこうと思います。

スタメン

画像1

 鹿島は清水戦から2人変更。RSBは小泉より攻撃のイメージが持てる広瀬を起用。怪我の上田に代わりに土居が1.5列目に入り、前節ゴールを挙げている荒木を左SHで起用しました。
 対する湘南は、先週末の柏戦から8人変更しターンオーバー。開幕からルヴァンも含め1分3敗と、まだベストメンバーを探っている状態なのかもしれません。

狙い通りの先制点

 守りを固めてくるであろう相手に対して、試合開始間もない時間で先制点を奪いゲームを動かす事は、戦前からのポイントでした。そんな中で3分に荒木のゴールで先制できた事は狙い通りだったと言えるでしょう。
 相手からして、おそらく一番警戒していたのは空中戦で圧倒的な威力を発揮するエヴェラウドだったはず。従ってクロスの局面ではボックス内で彼をタイトにマークするため、クロッサーにプレッシャーをかけるWBと3センターの間にはスペースが生じていました。土居のクロスは跳ね返されますが、荒木の待っていた場所はコントロールからシュートまでの時間もスペースも与えられた最高の場所でした。清水戦でもクロスバーの跳ね返りから決めた荒木はこういったこぼれの読みが鋭く、エヴェラウドとの相性の良さも伺います。

土居が掻き乱し厚みが出たサイド攻撃

 先制点を奪った後も、前節のように浮足立つことなく主導権を握りながら試合を進められました。湘南は奪ったら縦への意識が強く、圧縮してくる鹿島のプレッシャー網を抜けるべく対角線のロングフィードも狙っていましたが、フィジカルコンタクトでは鹿島に分があり、フィードの精度もクオリティが十分ではなかったため、そこまで怖さはありませんでした。
 鹿島のサイド攻撃の局面では、鹿島SHには対面のWBがマンツーマンに近い形でマーク。中央の土居に対しては柴田がマーカーとなりますが、かなりの頻度でサイドに流れるため、平松や山田とマークを受け渡しながら対応する形となり、土居がボールを受けたときに前を向いて仕掛ける余裕がありました。

まだ少し重さを感じたブラジルコンビ

 前半のうちに何度か決定機を迎えますが追加点を奪うことは出来ませんでした。気になったのは、土居がラストパスのシチュエーションでエヴェラウドよりアラーノを選択していたことです。8分に相手のバックパスがずれたところから迎えた決定機こそエヴェラウドにパスを送りますが、それ以降は数的同数で攻め込んだ際にもアラーノに出すシーンが目立っており、徹底マークされるであろうエヴェラウドを囮にする狙いがあったのかもしれません。
 ただ二人に共通して言えるのは、去年に比べてまだ本調子ではなさそうであることです。エヴェラウドに関してはポストプレーの精度、アラーノに関してはボールにしっかりミートさせる部分をもう一段階向上させて欲しいと感じました。

前プレか撤退か

 前半あまりにも受けに回りすぎた湘南は、後半開始から3枚を入れ替え強度UPを図りました。特に田中聡は鹿島プレッシャーラインを超えるキーパスを頻繁に狙い、局面を前に進めるきっかけを作っていました。
 これにより前半は何度も成功していた前線からのプレスが外される場面が増え、ディフェンシブサードまで持ち込まれるシーンが増えました。鹿島がクロスに弱い事は恐らく織り込み済みで、成功率も14.3%と危ない場面を作らせてしまいました。
 プレスと撤退の使い分けは今後もおそらく課題になるはずで、素早く適切な判断を下しチームを統率できる存在が今後求められると思います。そういった意味ではシティのルベン・ディアスは最高のお手本ではないでしょうか。

広瀬により軽減された犬飼のレジスタとしての役割

 湘南が左サイド古林のクロスを多用したため、鹿島にとっての右サイドでの攻防が増え、プレーエリアも前半に比べ右偏重になりました。
 そんな中、広瀬は76本のパスを通しサイドの低い位置から攻撃のリズムを作り出しました。そして59分またしても相手WBとCBのギャップを突く絶妙なパスで追加点をアシストしました。

画像2

 清水戦では犬飼は82本のパスを通しており、右SBの小泉のパス本数は46本にとどまっています。また犬飼はサイドの奥まで張り出して攻撃を組み立てる事が多く失った際のリスクを孕んでいました。広瀬の存在によって犬飼の仕事が軽減され、最終ラインのバランスを保ちながら前進出来るようになりました。
以下、清水戦と湘南戦の犬飼のヒートマップ
清水戦

画像3

湘南戦

画像4

やっぱりやられたCK。やっと決めたマチ

 早い時間に先制し、苦しい時間帯に相手のやる気を奪う追加点。ここまでは完璧な試合運びでした。しかし、またしてもCKからの失点を許してしまいました。ゾーンで構えるエリアの外、ニアに走った選手に目線を変えられ押し込まれる。去年平塚で許したゴールも似たような形でした。 

その直後町田がやっっっっとCKに合わせ得点しますが、個人的には2-0のクリーンシートで勝った方が気持ちよかったかな、、、とにかくここからマチが爆発することを期待しましょう。

終わりに

 会心の勝利とは行きませんでしたが、しっかり初勝利を納め連敗を回避できた事は良かったと思います。次節に向けて、荒木の引き続きの好プレーとエヴェラウドのリーグ初ゴール、そして何よりクリーンシートでの勝利に期待したいと思います。
 また、レオシルバが先発復帰できるかは微妙ですが、出場した際にはVARで取り消しになってしまったあのパンチ力あるミドルをもう一度見せてほしいですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?