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アンティーク好きは自分と他人を比べない?


1-1 そもそもアンティークって?

ラテン語で
antique→『ante』+『que』=『前の』+『物』

時は流れます。一体いつからアンテーク?

アンティーク大国イギリスでは、ジュエリーに関しては
制作から100年以上経った物を『アンティーク』
50年以上経っていれば『ヴィンテージ』
と定義しています。
なぜそのような区切りが必要かというとイギリスのしかるべき
機関によってアンティークと認定されれば、関税を支払う必要がなくなるのです。

余談ですが、お客様にこのアンテークとヴィンテージの区切りを尋ねられ、お答えするとご自身の年齢と照らし合わせた反応をされるのが面白いです。

1-2 なぜイギリス


私たちが手にする、アンティークは19世紀中期以降の品が多いです。
そのころのイギリスは
太陽の沈まぬ国 大英帝国
産業革命を他国に先立てて成功させ、
植民地として地球上の人の住める土地の約四分の一を保有。
中産階級が台頭し、庶民レベルでも、他国よりもはるかに裕福な暮らしをしていました。
植民地で採掘された、価値の高いものはイギリスの貴族のもとへ。
オーストラリアのオパールなどは典型例です。

イギリスの貴族数約400家しかなかったので、貴族は本当にやんごとなき人々だったのです。
さらに貴族は限嗣相続制により財産が分散されないようになっていました。
相続はその家の血を引く、男性一人に限定(養子不可)。
以前流行った英国ドラマ、ダウントンアビーにもありました。
それゆえ
一人が相続
→家宝として大切にされる=保管状態が良い=使用頻度が低い

一言で言えば、ジュエリー所有数の分母が大きい。

参考までに
同時期フランスでは
上は宮廷貴族、下は貴族と名乗る人計約40万人。
相続により財産は分散され、結果一人あたりの所有数が少ない為、使用頻度が高く酷使され。
現存する古いジュエリーの分母が小さい
漫画『ベルサイユのばら』でも貴族風の町民が描かれていたように思います。

アンティークジュエリーの世界では、イギリス、フランスの他ドイツ、イタリア、スイス、オーストリア、ハンガリー、スペイン、ポルトガル、デンマーク、ロシアひいては日本の里帰り品にいたるまで様々な国のものがあります。

しかし、前述の国家的背景、ホールマークと呼ばれる刻印がきちんとしている、古いものを大切にする文化、さらに英国王室の格などが、イギリスがアンティーク大国と言われるゆえんであるように思います。

話はそれますが、『JEWELLERY』は英国表記、『JEWELERY』は米国表記。
『L』の数が違います。
上記の理由から、たとえスペルチェッカーに指摘されようが、こちらでは『L』二つの英国表記を使わせていただこうと思います。。
 


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