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ニューヨークズー (New York Zoo) をやっていく話

はじめに

ウヴェ・ローゼンベルクのパズルゲームにニューヨークズーというものがあります。ノヴァルナなどに比べるとやや知名度は劣りますが、パズルがけっこう渋く、個人的には割と好みのゲームだったりします。

最近 BGA でリリースされ、とりあえずアリーナチャンピオンをとったので、まだ煮詰まっていない部分はありますが現時点での攻略の考え方を書いてみます。

やったー

前期アリーナは3人戦でしたが、今期から2人戦になるので2人戦前提で記載します。正直3人戦は1番手と3番手の格差が大きすぎる上、下家にへたっぴが入ると大惨事になりかねないので2人戦になってよかったと思っています。(2人戦もたいがい先手有利ですが…)

このゲームを検討する上で重要な点は下記の3点だと考えます。

  1. パズル

  2. 動物のマネジメント

  3. 歩数管理

以下、順を追って見ていきます。

1. パズル

このゲームにおいて、タイルは7~4マス、アトラクションタイルは8~1マスで構成され、タイルは序盤に大きいもの、後半に小さいものが現れるようになっています。

まず、パズルを考える上で最も重要なことは、盤面を分断しないことと、穴を作らないことです。

盤面を分断するとタイル配置の自由度に大きく制限がかかります。たとえば残り20マス埋めなければいけないとすると、これは5+5+4+4+2でも6+4+4+3+3でもなんでもいいわけですが、10+10に分断してしまうと分割のしかたも限られ、かつタイルの形まで考えると選択肢の幅が極めて狭まってしまうということがわかります。

また、あとでアトラクションタイルで埋めればいいやと1~2マスの穴を作ってしまうのも問題です。後半になるにつれ、基本的にアトラクションタイルの獲得は大変になっていくので(後半の方が楽だと考えるのであれば単にアトラクションタイルの獲得が遅いです)、多くの場合、1マスの穴を埋めるのにかかる手数が、無理やりタイルを置くことによる得よりも上回っています。

とはいっても、そんなきれいにピースがはまらないよと思われる方もいるかもしれません。そうであれば、ピースの特徴を把握しておくことが有用でしょう。以下はゲーム序盤の画面ですが、このゲームに出てくるピースの特徴として、特に序盤のピースは平坦な面が少ないということと、1xN (N>1) マスの突起を持つピースが少ないということがが挙げられます。

したがって、きれいな長方形もしくは 1xN (N>1, いうてこれも長方形だが) の隙間をあけてしまうと、これを埋めるためのピースはかなり限定されてしまいます。逆に言えば表面がぼこぼこでもさして問題はないのですが、あまりぼこぼこにしすぎると今度はアトラクションタイルが置きづらくなるため注意が必要です。アトラクションタイルの配置に差し支えない程度に汚くしておくのがよい。

2. 動物のマネジメント

正直、低レートの人が一番苦手なのがここだと思います。4匹いるからとりあえず分割するか~とか、なんとなく動いてるんじゃないでしょうか。重要なポイントは、アトラクションタイルへのステップ数を変えない操作を心がけることです。

以下、サイズNのタイルに対してM頭の動物が乗っていることを M/N と表記します。サイズ7のタイルにミーアキャットが4頭乗っていたらミーアキャット 4/7 です。

アトラクションタイルへのステップ数を変えない一番かんたんな操作は、次のような動きです。
ミーアキャット 3/7 を持っているときに、サイズ6のタイルを獲得する。3/7からサイズ6のタイルにミーアキャット2頭を移す。
このとき、アウトプットとしてはミーアキャット 1/7 と 2/6 になりますが、行動前も行動後も繁殖4回が必要であることに変わりはありません。

この考え方を進めると、やるだけ得という動きがあることがわかります。
たとえば、3/7 から サイズ5 に2頭移す。この時、必要な繁殖の回数は4回から3回に1回減ります。あるいは、4/7からサイズ5に2頭移す。この時は必要な繁殖の回数としては変化がありませんが、その動物の繁殖フェーズでは2匹増えるので、やった方が得であるということになります。

序盤の4匹→2匹の分割は手数は減るもののある程度必要経費という面がありますが、中盤以降はいかに手数を変えない、むしろ減らす方向でタイルを置くかが重要になります。見落とされがちなのは、アトラクションタイルを獲得した後の動物の処理です。

たとえばアトラクションタイルの獲得後、ミーアキャットが1頭家に帰っている状態を想定します。この時、ミーアキャット 3/6 の存在下でサイズ4のタイルを取ることを考えます。1匹を3/6から移してもう1匹を家から連れてくることで、ミーアキャット2/6と2/4を作るのが正解でしょうか?

場合にもよりますが、特に後半であれば3/6から2匹移すのが強いです。アウトプットとしては家1+2/4+1/6になりますが、1回繁殖すれば家から連れてくることでアトラクションタイルを即座に獲得することができます。

あとはどのタイミングでアトラクションタイルを取るか、という問題がありますが、個人的な意見としては序盤にアトラクションタイルを取ることでその動物を取るフェーズが再度必要になるのであれば、時期尚早じゃないかと思っています。たとえばミーアキャットのタイルが 6/7 1つしかない場合、繁殖させて 8 マス増えたとしても、ミーアキャットをもう1回取りにいかなければならないとすると結局タイル1枚分(おそらく5~6マス)損するので、リターンがあまり大きくありません。それならミーアキャットを分割する方が安定してマスが埋まっていきます。

3. 歩数管理

あまりにも当たり前といえば当たり前ですが、対戦相手にコントロールされたことがないので一応書いておきます。2人戦だと最大4マス進めるので、(タイルの欠けがない場合)自分のいるマスから5マス先のマスは絶対に踏めます。そしてこのゲームで繁殖ポイントは5マスおきに配置されているので、今自分が繁殖ポイントの次のマスにいるとしたら、その次の繁殖ポイントの次のマスを絶対に踏むことができます。

つまり、十分な動物がいて、かつタイルに欠けがないという仮定の下では、確定したタイルを獲得することができます。しかも、繁殖ポイントの次のマスを踏み続ければ、絶対に自分の繁殖を先に行うことができます。なので、基本的には2人戦はどうやって自分の行動を確定させるかを考えていくことになります。できるだけ早く運命を確定させた人間がだいたい勝つはずです。

動物の欠けがある場合は注意が必要で、繁殖の一つ手前のマスをあえて踏むことで、その次の繁殖マスの次のマスを確定させたりします。いずれにしてもちょっと不確定要素が生じるので、どっちに転んでも問題ないようにしましょう。


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