月曜日の喫茶店で

ピンク色の、小さな、明らかに無害な、毛が生えてない芋虫みたいなものが、目の前で全身を使って懸命に動いているのを見たときに現前する、今まで気づかなかった自分の中の嗜虐性。
“気づかせる力を持つ存在”に出会ってしまったときの一瞬の硬直は、相手に悟られてはいけない。芋虫であろうが、ライオンであろうが、それは単なる仮の姿であって、内奥までの幾重にも閉じられた襖を、腰をあげた殿様のように容易く開けてしまう。
W、A、D、shift、space
左手の形が固定されてしまった。

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