【第1章無料】 電子書籍 第54弾 独自性を生み出す方法~独自性から新しい価値が生まれる~

はじめに 

 「独自性」というのは、他では替えが利かないということです。本来はどんな人でも、各々個性を持っているので「独自性」を持っているのです。その独自性を発揮することで、新しい価値を生み出すことができるようになっていたのです。

 ほとんどの人が受けてきた教育というのは、個性を否定して、みんなと同じことを学ばせて、同じような価値観を植え付けさせるような教育であったのです。なので、「みんなと同じ」という基準からズレてしまうと、はみ出し者になり、そのはみ出し者には「悪い」というレッテルが貼られるようになったのです。

 同じことを学んでいるので、「みんなと同じでないといけない」という価値観になり、無意識にみんなを基準にしてしまい、他の人の目ばかり気にするようになってしまい、独自性を出すことができなくなってしまったのです。よく言われる「世間の目」というものを勝手に気にするようになり、いつも何かに縛られているように生きている人が多いのです。

 とくに日本人には「恥の文化」というのが根付いています。場合によっては、法律よりも「恥」の方を気にする人もいるのです。周りの人や世間からどのように見られているのかを、無意識に気にする人が多いのですが、真実は「人は他人には興味関心が無い」というのが真実なのです。

 その真実を知らない、あるいは受け入れられないと、いつまでも自分を出すことができないので、独自性を見い出すことができなくなります。独自性が必要な理由は、今は「グローバル時代」だからです。一国に留まるような時代ではないし、留まることができない時代でもあるからです。

 一国に留まって、生涯の安心安定を目指すような時代ではなく、国を股にかけていくような時代でもあり、未開発を開拓していくような時代でもあるのです。日本から見た場合、最低でもアジア次元での視野が必要ですし、さらに世界次元での視野も必要なのです。現実の私たちは、時間と空間の制限からは逃れることができないのですが、視野だけでも大きくする必要があります。

 内にこもる時代ではなく、外に向かっていく時代なのです。外に向かっていくには、「みんなと同じ」という基準ではどうにもできないのです。なので、独自性が必要なのです。独自性を持ち、自己主張をしていくことで、新しい価値を生み出すことができる人になれるのです。

 今のような科学技術は、数千年前、あるいは数万年前に成されていたのです。人それぞれの独自性を見い出し、得意なことを極めていたのであれば、もっと早く今のような時代になっていたのです。それを今さらどうこう言っても、どうにもならないのですが、ごく一部の人しか独自性を出すことができなかったので、科学技術の進化が遅くなってしまったのです。

 今の時代は変化が早くて大きいのですが、それだけ多くの人が独自性を出すことができているということです。ただ、まだ独自性を出している人よりも、出せていない人の方が圧倒的に多いのです。本来は誰もが各々の独自性を出していくことで、新しい価値を生み出すことができたのです。独自性を出す人が増えていけばいくほど、時代は進化成長していくのです。

 本書は、「独自性を生み出す方法」ということで、誰もが持っている個性を発揮するヒントをお伝えしていきます。今や「差別化」というのには、限界が来ています。なぜなら、常にイタチごっこのような歩みになるので、切りがないのです。独自性というのは、替えが利かない性質であるので、希少価値があるのです。

 その希少価値から時代の変化にも対応することができ、時代の進化成長にも貢献することができるようにもなるのです。独自性を見い出せる人は、大きな強みを持つことができ、その強みを活かすことができるようになります。

2018年2月 安田 悌

目次

はじめに

第1章 差別化の限界
・常識から外れる思考
・実用性よりも希少性に価値がある
・頭脳労働を独自性に向ける

第2章 「独自性」という強み
・良い意味で我が道を行く
・独自性を言語化することで価値が生まれる
・「続けられた」という強み

第3章 価値観多様化時代に合わせる
・個性を否定する学校教育
・時代が変わっていくことを認識する
・価値観の多様化はさらに拡大する

第4章 独自性を生み出す具体的な方法
・効果的に学ぶコツを見い出す
・効果的な行動と努力を見い出す
・孤独な努力を楽しむ
・情報に振り回されない
・オンリーワンを目指す
・時間の使い方を極める

第5章 独自性から生み出される才能
・小さな才能を限りなく伸ばしていく
・独自性を生み出すことに集中する
・独自性を生み出すための投資をする

第6章 独自性は誰でも生み出せる
・他人と比べることは無意味なこと
・個性の違いを理解する
・自意識過剰を自覚する

おわりに

第1章 差別化の限界 

 差別化は常にイタチごっこになる。 

 差別化だけでは、新しい価値は見い出せない。 

 ・常識から外れる思考 

 常識というのは、いつの時代でも時代遅れなのです。既に常識になっていることは、最も遅れているということに気づかないと、時代遅れだけに留まらず、時代に逆行してしまう恐れもあります。時代に逆行してしまうと、どんなに頑張って努力をしても報われないということです。頑張って努力をしても報われないというのは、非常にやり切れないことでもあるのです。

 常識というのは常に変化していきます。ただ、常識化されていることは変化しきっていることなのです。時代の変化に合わせるためには、非常識なことをしないと合わせられないのです。非常識なことをするためには、非常識なことを学ぶ必要があります。常識はマスメディア(テレビ、新聞、ラジオ、雑誌)の情報によってつくられていきます。マスメディアの情報ばかりを入れている人は、常識から外れることができないのです。

 差別化に限界がきているのは、常識を基準にした差別化が多いからなのです。差別化というのは、常にイタチごっこになっていて、企業であればライバル会社がアクションを起こす度に、別のアクションを起こしながら、終わりのないイタチごっこばかりをしています。その典型なのが価格競争なのですが、価格競争をし始めたらその分野の企業は共倒れになってしまいます。

 これは企業単位だけではなく、個人においても同じなのです。他の人と同じようなことをやっていても、独自性を見い出すことはできません。あるいは同じ分野で、常にライバルを意識しながら差別化しようとすると、非常に疲れる消耗戦になってしまうのです。差別化ばかりをしていても、何の発展性も期待できないので、ただただ消耗するばかりの歩みになってしまうのです。

 差別化から抜け出すためには、常識から外れている人から学ぶ必要があります。常識から外れている人は、同じ時代に生きていても見えているものが違うのです。全く同じものを見ていても、見え方が違うのです。違う見え方ができているので、他の人と違う行動ができるようになり、違う結果を出すことができるのです。

 とくに今の時代は常識の基準も曖昧になっています。常識の基準が曖昧になっているので、過去の価値観を未だに基準にしている人が多いのですが、過去の価値観では今の時代に逆行するようになってしまいます。過去の価値観は「良い学校に行って、良い会社に就職をして、安心安定を得る」という価値観だったのですが、その価値観は既に崩壊しているのです。

・実用性よりも希少性に価値がある

 過去の時代は「実用性」が求められてきました。モノであれば「便利で使えるモノ」というのが基準になっていたのです。ただ今の時代は便利で使えるというのは、当たり前になっているので、実用性に価値を感じなくなってしまっています。

 モノが少ない時代は、モノがあれば簡単に感謝することができたのですが、モノが余っている今の時代は、モノがあるのが当り前になっているので、非常に感謝がしにくくなっています。今や誰もがスマホを持つことができる時代になっていますが、過去の時代から見れば「スーパーコンピューター」のようなものなのです。そのスーパーコンピューターを持ちながらも、当たり前になっているのが現代人なのです。

 今の時代に価値を感じるのは「希少性」なのです。簡単に言えば、珍しいモノに価値を感じるということです。珍しいモノ、あるいは珍しい人に価値を感じるのが今の時代なのです。なので、どうでもいいことにこだわっている人や、どうでもいいことをやっている人が目立ってしまうことがあるのです。

 今までの時代でも、興味関心がない人にとってはどうでもいいことはありました。例えば、絵に全く興味がない人にとっては、絵画には何の価値も感じないのです。どんなに有名な画家が描いた絵であったとしても、何の価値も感じないのです。あるいは、スポーツに全く興味がない人にとっては、スポーツの価値は感じられないのです。

 人が生きていく中で、別に無くても何も困らないものというのは多くあります。生きていくための実用性を全く感じないものは多くあるのですが、その実用性を感じないものに希少性があれば、そこから価値が生まれてくるのです。もっと分かりやすく言えば、「役に立たないもの」を価値視するような時代でもあるのです。

 実用性からの差別化というのには限界があります。希少性を生み出すことができれば、差別化の次元を越えて独自性を見い出すことができるようになり、価値を生み出すことができるようになります。なので、今の時代に求められている人は、ちょっと、いやかなり変わっているような、独自性を持っている人なのです。過去に時代は常識のレールからズレているとはみ出し者扱いをされていたのですが、今の時代はそのはみ出し者が活躍できる時代になっています。

 ・頭脳労働を独自性に向ける 

 肉体労働時代から、頭脳労働時代になってきているのですが、頭脳労働を独自性に向けていくことで、新しい価値を生み出すことができるようになります。頭脳労働を差別化ばかりに向けていると、非常に疲れる消耗戦になってしまいます。その消耗戦では早かれ遅かれ、限界にぶつかるようになるのです。

 頭脳労働は肉体労働よりも過酷なのです。とくに現代人は「考えること」を無意識に避けようとします。知識を学ぶときも、効率よく学ぶことばかりを考えていて、思考力を鍛えようとする人は少ないのです。別の電子書籍で『学力を身につける方法~学歴よりも、学力を求めていく時代~』(https://www.amazon.co.jp/dp/B0785RP4C3)を出版していますが、学力が弱い人が多いので今の時代の変化に対応することができないのです。

 今後、AI(人工知能)が身近になり、さらに自動化、ロボット化されていくようになれば、必然的に頭脳労働が求められてきます。自分で学んで、自分でアイデアを出しで、自分で価値を提供するというのが、労働になっていくのですが、その労働ができる人は少ないのです。

 頭脳労働を差別化に向けるのではなく、独自性に向けるようにしてください。ただ、独自性に向けたとしても、独自性は簡単にはつくることはできません。多くの学びと、多くの行動と、多くの努力が必要になっていきます。それはいつの時代でも同じで、勤勉な人でなければ、ごく普通の人とは違う独自性を見い出すことはできないのです。

 そして、独自性を生み出すためには時間がかかります。どんなことを成していくにも、一朝一夕では成すことはできないし、ある程度の時間がかかるのは仕方がないことなのです。効率よくやろうとすればするほど、かえって時間がかかってしまいます。最初から長期視点で考えておけば、結果として早く独自性を生み出すことができるのです。

 そして、独自性を生み出すための集中も必要です。集中するためには、やらないことをしっかりと決めて、やるべきことを絞るようにしてください。やるべきことに集中していくことで、独自性を発揮することができ、さらに拡大させることができるようになります。


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